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・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
日本人は、助け合う集団主義と見捨てる個人主義を持ったブラックな人間で、新型コロナウイルス騒ぎで隠してきた本性が剥き出しにされ、人を傷つけても本音で生き始めた。
冷血な日本人の証が、同調圧力とイジメである。
現代の日本人は、中国人や朝鮮人に似てきている。
現代の日本人は、昔の日本人とは違う。
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2020年8月19日 PRESIDENT Online「なぜ日本では「溺れる犬を棒で叩く」という冷血人間が大量発生するのか
コロナ禍でバレた「自粛バカ」の民度
池田 清彦
生物学者、評論家
日本人は「上が決めたことなら仕方ない」と考えがちだ。生物学者で早稲田大学名誉教授の池田清彦氏は「結局、強い相手には口をつぐむ。一方、いじめてもよさそうなやつは徹底的に叩いて憂さを晴らそうとする。それが日本人の国民性だ」という——。
※本稿は、池田清彦『自粛バカ』(宝島社)の一部を再編集したものです。
2014年3月、京都の路地に貼られた安倍晋三のポスター写真=iStock.com/winhorse※写真はイメージです
敗戦でも「はい、そうですか」、占領されても「はい、そうですか」
アジアには一神教を信じる国がけっこうたくさんあり、韓国は人口の約30%、フィリピンは90%以上の人がキリスト教を信仰している。中国でもすごくキリスト教徒が増えた時期があり、共産党が教会を建築法違反で取り壊したりして弾圧したんだけれど、宗教には弾圧すればするほど信者集団が大きくなるという背理があるから、信者が10%ぐらいいる。マレーシアとインドネシアはイスラム教。だから、アジアには一神教が普及しやすい文化がないわけじゃない。
ところが、日本は仏教国でもない。法事や墓参りでお寺には行くけれど、単に葬式仏教をやっているだけで、「私は仏教徒です」なんて人は少ない。日本は世界でもかなり珍しい部類に入る無宗教の国で、それが日本の特性なんじゃないかと思う。だから、すべては八百万やおよろずの神(森羅万象に宿る無数の神々)による自然現象で、どんなことでも受け入れてしまうのかもしれない。
明治維新が起きたら「はい、そうですか」、戦争に負けたら「はい、そうですか」、アメリカに占領されても「はい、そうですか」。もし憲法が改定されて緊急事態条項が追加され、何かの間違いで日本に反米独裁政権がつくられたとしても、多くの日本人は「はい、そうですか」ってそのまま受け入れるんじゃないかしら。
中国の属国になってもレジスタンスなんか起きない
多くの日本人はそういった感性をもつので、日本では上に立つ人間が責任を取ることは滅多にない。そうなったのは、敗戦時に多くの戦犯が責任を逃れようとしたことも大いに関係していると思う。
B級戦犯は現地でたくさん殺されたけれど、上の人間で処刑されたのは東京裁判で裁かれたA級戦犯だけで、しかも裁判では「私は戦争には反対だったんだが、いやしくも上が決めた以上、従わないわけにはいかなかった」とA級戦犯の多くは揃って同じようなことを言っていた。この「いやしくも上が」っていうのも、言ってみれば自然現象のことだ。自然現象だから仕方がなかったと言いたいわけだ。
ノモンハン事件の参謀・辻政信も責任を取らなかったし、史上最悪の作戦と言われ、作戦に参加した9万2000人の兵士の60%以上が戦死と戦病死したインパール作戦の指揮官・牟田口むたぐち廉也れんやも結局責任を取らず、77歳までのうのうと生き延びた。
今の中央省庁の官僚もまったく責任を取ろうとしないけれど、それは上が決めたことをやっているだけだから、自分たちは何も悪くないと思っているんだよね。そういうシステムが明治時代からずっと続いている。
だから、日本人は政治体制が大きく変わってもびっくりしなければ反抗もしない。極端なことを言えば、仮に中国が侵略してきて属国にされても、ご主人様がアメリカから中国になっただけの話なので、日本人は「はい、そうですか」って受け入れるんじゃないかと思う。おそらくレジスタンスなんか起きないし、日本を取り返そうと死に物狂いで頑張るやつもほとんどいないと思う。
自分が正しいと思っていても、反論しない学生たち
ところが、ちょっと前の香港のデモを見ればわかると思うけれど、中国人ならものすごく抵抗するわけだよ。日本軍が撤退したあとに起きた第二次国共内戦は3年も続き、その血みどろの戦いの結果、蒋介石が追い払われて現在の中国が生まれたわけだ。
韓国も血の気が多いし、台湾なんて一時期、議会で取っ組み合いの喧嘩をしていた。日本では罵声が飛び交うこともあまりなく、せいぜいヤジを飛ばす程度。大学で教えていても学生たちに覇気がなく、教師に反論することもあまりない。自分が正しいと思っていても、反論せずに、その場をやり過ごそうとする学生が多い。そのほうが楽なんだよ。
そう考えると、日本人を根本的に変えるのは難しいかもしれないな。今の支配階級は、戦後何十年もかけて、ろくでもない法案でも通してしまえばこっちのものということを経験的に学んできた。
操り人形を操作する人の手元写真=iStock.com/SvetaZi※写真はイメージです
だから憲法改定に関しても、国民的議論を巻き起こそうとは思っていなくて、デタラメな内容でも数の力で変えてしまえばいいと考えている。ウソでもなんでも法案を通してしまえば勝ちなんだよ。ウソをついたって韓国や台湾のようなことにはならないから、今や政権は国民にウソつくことをまったく躊躇していないようだ。
日本人がいちばん気に入らないのは「上手くやってるやつ」
ただ、いくら日本人が不思議な感性をしていると言っても、あきらめてばかりいたらフラストレーションがたまる。そこで、いじめてもいい相手を見つけ出して攻撃し、うさ晴らしをしようとなるわけだ。それが自粛期間中のパチンコ叩きであり、自粛警察であり、コロナ患者や医療従事者への嫌がらせであり、亡くなった女子プロレスラー木村花さんへの誹謗中傷であったわけだ。
このときにストレスをぶつける対象にされやすいのは多くの人と違うことをするマイノリティなんだけれど、実は日本人がいちばん気に入らないのは、自分が我慢しているのに、楽しそうにしていたり、上手くやっていたりするやつなんだよ。
自分はコロナで仕事が減ったりクビになったりしているのに、隣のやつが儲けたりするとすごく腹が立つ。それは嫉妬なんだけれど、孫正義や三木谷浩史のような大金持ちが儲けるのはそれほど気にならない。あまりにも経済格差がありすぎるんだよね。
溺れる犬を棒で叩いたうえで、石まで投げつける
最近で言えば、東京高検前検事長の黒川弘務が典型だった。そもそもこの人は政権に忖度する検察幹部と言うのだけれど、安倍政権に尻尾を振る官僚はほかにもいっぱいいる。検察官の定年延長問題も安倍政権が画策しただけで、黒川自身は関与していない。
しかし、賭けマージャンが発覚して辞任せざるをえなくなり、しかも、その処分が懲戒ではなく退職金の出る訓告だったことで多くの人の反感を買った。要は「賭けマージャンをしたのに退職金をもらうのはけしからん」というわけだよ。
池田清彦『自粛バカ』(宝島社)池田清彦『自粛バカ』(宝島社)
テンピンの賭けマージャンなんてたいした額じゃない。株のインサイダー取引で20億〜30億円儲けているやつのほうがよっぽど悪党だと思う。けれども、そこは国民は怒らないんだよね。20億〜30億円もの金なんて見たことがないし、巨額すぎるからリアリティがあまりない。それに比べれば、黒川弘務が受け取る5900万円の退職金は多くの人が怒りをぶつけるのに程よい額の金なのだ。そういう意味では完全にいじめだよ。
日本人の感性がヘンだなと思うのは、こういうところだね。日本以外の国の人なら、検察官が賭けマージャンをした程度の話なんて些末な出来事だと考えるはずだよ。そんなことより、国のシステムや法律が変わるようなときにこそ大騒ぎをする。それは国家安全法をめぐってとんでもないことになった香港を見ればわかる。でも、日本人は国を揺るがす大きな問題には反応しない。仕方がないと思って腹も立てない。
どう考えたって、本末は逆だと思うよ。消費増税には文句ひとつ言わないのに、なぜ公務員が退職金を受け取ることをあれほど騒ぎ立てるのか。緊急事態宣言中に出歩く人のことも極悪人のようにバッシングし、石田純一なんかめちゃくちゃ叩かれていたけれど、彼も出発する前に発症していたら沖縄に行かなかったと思う。
公営のプールで泳ぐかわいいパグ写真=iStock.com/ongleon356※写真はイメージです
結局、強い相手には口をつぐむけれど、いじめてもよさそうなやつをターゲットにして、みんなで徹底的に叩きまくるんだよね。溺れる犬を棒で叩いたうえで、石まで投げつける。日本人っていうのはそういう国民性なんだ。そうやって、日頃のフラストレーションを解消しているんだな。
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