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・ ・{東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
日本人の発想と言っても、日本民族の発想と日本国民の発想は違い、江戸時代までの発想と1980年代までの発想と1980年代以降の発想は全然違う。
つまり、2024年現在の発想は昔の発想と違う。
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日本民族の「野生の思考」は、日本列島の自然環境から生まれていた。
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2024年4月27日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「ひとりの男の「逆転の発想」で世界はひっくりかえった…「未開人」の思考法こそが最高だと言える「驚きの理由」
奥野克巳
「人類学」という言葉を聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろう。聞いたことはあるけれど何をやっているのかわからない、という人も多いのではないだろうか。『はじめての人類学』では、この学問が生まれて100年の歴史を一掴みにできる「人類学のツボ」を紹介している。
※本記事は奥野克巳『はじめての人類学』から抜粋・編集したものです。
「野生の思考」とは何か
レヴィ=ストロースは、『野生の思考』でトーテミズム研究をさらに発展させています。「未開」社会の人たちが、どうやって目の前にある世界の分類体系を構築しているのかに斬り込んだのです。そしてそのような「野生の思考」が、人間にとっていかに重要なものであるのかを明らかにしています。「野生の思考」の具体例を紹介しましょう。
© 現代ビジネス
アメリカ先住民のポーニー・インディアンは、小屋を建てて季節儀礼を行います。その小屋の柱には、方角ごとに4種の木が使われます。木はそれぞれ、違った色に塗られます。南西方向には白いポプラ、南東方向には赤いネグンドカエデ、北東方向には黒いニレ、北西方向には黄色いヤナギが置かれます。方位はそれぞれ季節を象徴しており、季節が集まって年となります。こうした分類は、ポーニーの人たちにとっての方位=空間概念と季節=時間概念の仲立ちをします。
この分類体系は分類のためだけにあるのではなく、空間と時間を結びつけ、宇宙の連続性を表現しています。それは、象徴の次元で現実をいったん解体した上で再構成し、全体像をつくり上げる手段となります。レヴィ=ストロースはこうした分類体系の分析をつうじて、文化の核心部分で働いている思考様式、すなわち「野生の思考」を取り出そうとしたのです。
「野生の思考」とは、非合理的で非論理的だと思われてきた「未開人」の遅れた思考法ではありません。「科学的思考」と同じように合理的であり、人類にとっても普遍的な思考法のことなのです。
「野生の思考」は、はるか昔に存在した思考形態ではなく、今日でもなお息づいています。私たちも、日常においてポーニー・インディアンのように、物事を分類しながら世界を理解しようとします。
今の時代にこそ必要な思考法
たとえば春分や秋分の日には、太陽が真東から昇って真西に沈みます。大乗仏教が浸透している日本では真西に沈む太陽の先に「浄土」があるとされてきたので、春分や秋分の日には「此岸」から「彼岸」へと至る仏事が行われています。このような例からも、現代人の中に「野生の思考」が働いていることが分かります。
レヴィ=ストロースは、「野生の思考」は新石器時代に原始科学のもとになり、その後、農耕や牧畜、陶器や織物などの美術工芸を生み出したと言います。
しかし、「野生の思考」は19世紀ヨーロッパでは「未開人」の思考法として、近代の外側に追いやられるようになりました。「野生の思考」は、私たちの住む近代的な世界こそが合理的だとみなすために、野蛮で劣った思考であるとして語られてきたのです。レヴィ=ストロースが「野生の思考」を持ち出したのは、そんな流れに対する強烈なアンチテーゼを示したかったからです。
彼が言う「栽培化された思考」とともに、「野生の思考」は今日に至るまで生き続けてきています。「野生の思考」と「栽培化された思考」の違いは、前者が感覚、直観に基づいて物事を捉えるのに対して、後者はモノを生産する効率を高めるために用いられるという点にあります。つまり「野生の思考」とは、近代科学によって分断されてしまった人間の感覚的な思考を重視し、それを基に世界を捉えようという思考法なのです。
さらに連載記事〈ひとりの男によって人類の価値観は一変した…20世紀最大の功績を残した天才学者が「辿り着いた答え」〉では、人類学の「ここだけ押さえておけばいい」という超重要ポイントを紹介しています。
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