➰4)─6・F─関東大震災で多くの人を救った「無賃乗車」という策。~No.18 

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 同じ日本人と言っても、現代の日本人と昔の日本人とは別人である。
 当然、政治家、官僚、学者・教育者、企業家・資本家、メディア関係者などの政治的エリートや知識的インテリも、現代と昔とは全然違う。

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 2023年11月3日 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「意外と知らない、関東大震災で多くの人を救った「無賃乗車」という策
 首都直下地震南海トラフ巨大地震、富士山噴火……過去にも起きた「恐怖の大連動」は、東京・日本をどう壊すのか。
 【写真】日本人が青ざめる…突然命を奪う大災害「最悪すぎるシミュレーション」
 発売即5刷が決まった話題書『首都防衛』では、知らなかったでは絶対にすまされない「最悪の被害想定」がありありと描かれている。
 ここでは、過去の大災害から得られた教訓を考えたい。災害時にトラブルはつきものだが、何が奏功し、どのような課題があったのだろうか。
 (※本記事は宮地美陽子『首都防衛』から抜粋・編集したものです)
 教訓(3)避難者が全国へ
 ◉何が起きたか
 1923年の関東大震災発生時、東京市の人口は約220万人だった。
 政府の「災害教訓の継承に関する専門調査会」が2009年3月にまとめた報告書によると、東京市では震災で約150万人が家を失い、新学期が始まったばかりの小学校も196校のうち117校が焼失した。避難者には上野公園などに小屋を作る人もみられたが、多くの人々は「生活する場所」がない。
 そこで鉄道相は、9月3日に「震災に伴う罹災民救助の為当分の内震災地域各駅発罹災民は航路運賃共無賃輸送の取扱を為すべし」という無賃輸送の指令を出した(『国有鉄道震災誌』)。翌4日に鉄道が復旧すると避難者は全国に飛び散り、千葉県に約15万人、埼玉県に約30万人、愛知県にも約15万人が避難した。
 軍艦で静岡県の静岡港に輸送される人もみられ、東京は一時空っぽになるほど人々が避難のため転出し、親戚などの家に身を寄せている。
 ◉得られた教訓
 被災者を受け入れた地域では、避難者の就学支援なども行われ、寺院や劇場などで食事が提供されたという。
 名古屋大学減災連携研究センターの武村雅之特任教授は「関東大震災発生時は、政府が『無賃乗車』を認めたことで家を失った多くの人が逃げられ、被災地の混乱を避けることができた。関東大震災がどういう震災だったのか日本各地で知られているのは、全国の家庭で避難者を受け入れる支援が広がったことが大きい」と語る。
 2011年3月に発生した東日本大震災の際も、被災地から移動する人が目立った。総務省が同年9月に発表した「東日本大震災の人口移動への影響」によれば、岩手・宮城・福島3県の同3~8月期の転出超過数は42年ぶりに3万8000人を超えている。6~8月期には東京圏からも転出する人が相次いでおり、少しでも被災地から遠くに離れたい気持ちが人々に強かったことがうかがえる。
 被災者は発生から12年が経過した2023年2月時点でも3万人が全国に散らばったままだ。転出超過状態は時間とともに和らぐものの、家を失った被災者をどのように支援していくのかは重要なポイントだ。
 首都直下地震南海トラフ巨大地震で大都市圏に甚大なダメージが生じれば、関東大震災のときと同じように大勢の避難者が地方に向かう。「遠い被災地外」でそれだけの人々を支援できるのかは疑問だ。
 当然ながら、自然災害は「行政の枠」を超えて襲いかかる。一つの自治体だけで対応するのは無理で、「被災地」と「被災地外」が連携しなければ被害が拡大しかねない。
 東京都と札幌市や静岡市京都市大阪市など政令市20市が締結した「21大都市災害時相互応援に関する協定」は1986年に発効し(当初は11大都市)、首都圏では9都県市(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、横浜市川崎市千葉市さいたま市相模原市)が独自で十分な応急措置ができない場合に連携協力する協定を締結。災害時に予想される被害を共有し、総合的な防災対策の共同研究や支援策などを検討している。
 こうした枠組みは重要で、首都直下地震南海トラフ巨大地震のような大地震の襲来をにらめば、近隣自治体だけでなく、より広域の被害発生を想定した連携強化が求められる。
 家を失った人々が暮らすことができる仮設住宅や民間住宅の借り上げ、生活必需品の提供や心身のケアといった支援の輪をいかにカバーしていくのか。大地震の襲来時には国と自治体間の連携がカギを握る。
 宮地 美陽子(東京都知事政務担当特別秘書)
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