🏯85)─1─各地で相次ぐ“自治会離れ”に運営側の苦悩。「活動に協力しないが権利は主張する」人たち。~No.163No.164 

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 戦前は隣組、現代は自治会。
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 現代日本は、公益より私益が優先され、責任を嫌い義務から逃げるが、貰える権利を主張し要求する。
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 2023年4月16日 MicrosoftStartニュース マネーポストWEB「各地で相次ぐ“自治会離れ”に運営側の苦悩 「活動に協力しないが権利は主張する」人たちに自治会長の嘆き
 新年度を迎え地域コミュニティの活動が活発化するなか、全国各地の自治会(町内会)の運営が曲がり角に立たされている。地域住民の脱会が増加、加入率の低下に歯止めがかからず、多くの自治会が頭を抱えているのだ。こうした現象が起きる背景には、地域住民が自治会側のルール設定や運用に疑問を抱くケースが少なくないということも一因にありそうだ。
 自治会と住民に軋轢が生じるケースは少なくない(イメージ)
 © マネーポストWEB 提供
自治会非加入を理由にしたゴミ捨て場の利用禁止は違法」──。昨年10月、大阪高裁でこんな判決が下された。神戸市の住宅街に住む夫妻が起こした訴訟で、司法は1審(神戸地裁)に続き自治会側の違法性を認めた。
 この自治会では、住民に年会費3600円の負担と掃除当番の協力を求めるなどし、応じない住民のゴミ捨て場利用を禁止するルールを設けていた。今後、最高裁で争われることになるが、同様のケースで自治会と住民に軋轢が生じるケースは少なくないという。
 東北地方のある都市に住む男性(43)が言う。
 「わが家も似たような問題に直面しました。うちは町会費を払っていますが、夫婦ともに不規則な仕事をしているので、集積所の定期清掃はお断わりしてきました。すると町会役員から『このままだと、今後のゴミ処理は自分の責任でお願いすることになる』と圧力をかけられた。市役所に相談するも『個別のゴミ収集はできない。町会と折り合いをつけるか、ご自身でゴミ処理場までお持ちいただくしかない』と言われてしまい……」
 男性は町会長に直談判。他の町会活動に積極参加する条件で話は成立したが、釈然としない様子だ。5年前、愛知県から石川県の新興住宅街に転居した女性(36)もこう打ち明ける。
 「ご近所さんも転居組の若いご家族が多く、当初は土地に溶け込もうとみんなで町会に加入していました。ところが『できる範囲で構わない』という約束は反故にされ、土日となれば各種行事や会合に呼び出される。輪番制の町会費集金など雑務もしんどいので、同じエリアの住民と相談して町会を抜けることに。すると『町会員を辞めるなら、お宅らの一角に設置した防犯カメラや防犯灯は運用停止しますね』と言われました。まるで脅迫ですよ」
 こうした事例はレアケースかもしれないが、“自治会離れ”が各地で見られるという現実があり、朝日新聞が一面で〈自治会活動、曲がり角 加入率低下、役員高齢化 解散も〉(4月9日付)と報じるなど注目を集めている。
 大規模マンションが集団で町会を脱会
 だが、自治会側にも運営に非協力的な住民に対しての言い分はある。東京23区内で10数年にわたり自治会長を務める男性(72)が語る。
 「ライフスタイルや意識の変化により、町会活動を『うっとうしい』と感じるのは理解できる。ただ、活動にはいっさい協力しないが権利は主張する、というスタンスはいかがなものか」
 この町会では、お祭りや地域の運動会、防災訓練、防犯パトロールなど、行政だけではフォローできない活動をサポートしており、「地域住民の理解と協力なしで活動の継続は不可能」と訴える。
 「町会活動には人員と資金が必要。よく『町会費の使途が不明』『(町会)役員の飲み代に消えている』などと言われるが、町会報に記載された決算報告などを見れば使途は明らか。基本的には町会役員が手弁当で活動している」(同前)
 古くから地域で暮らす住民には一定の理解を得ているものの、新たに居を構える人たちへの理解を求めるのは容易ではないと、この自治会長は続ける。
 「10数年前に建った100戸を超える分譲マンションでは一昨年、新たに理事長になった弁護士が町会参加に異を唱え、集団で町会を脱退する事態になりました。もちろん個人での加入はできますが、あえて町会に参加する人は少ない。この事例は周辺にも伝わり、マンション1棟単位での町会脱会が相次ぎました」
 そもそも自治会は任意団体であり、住民が加入を強制されるものではない。あくまで行政の補助を担う「ボランティア」活動で、運営は住民から集めた自治会費と行政からの補助金で賄われている。慢性的な予算、人手不足に悩む行政活動を「地域のみんなでサポートしましょう」というのが本来の趣旨だ。
 町会に参加しない道を選ぶ地域住民が増えているのも悩ましい問題だが、自治会にとっては「モンスター化する町会員」も厄介なのだという。
 「活動には参加しないが、町会費は払うという人が、意外と厄介なんです。会費を払っているのだからと、『迷子になった愛犬を防犯パトロール時に探してほしい』『台風で雨漏りしたから屋根の様子を見てほしい』などと、町会を“便利屋”のように使う人が増えてきました」(同前)
 遠い親戚より近くの他人──との言葉もある。互いに先入観を捨て、同じコミュニティに住む人として、「適度な付き合い方」を模索する時期に来ているのかもしれない。(了)
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