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・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
よい日本人は1割、わるい日本人は3割、中間で優柔不断で付和雷同する曖昧な日本人が6割。
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「村八分」を軽々と口にする日本人自体が、「村八分」の本当の意味も深い意図も籠められた真意も理解していない。
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2018年10月26日号 週刊ポスト「現実のバカ 呉智英
謬説の蔓延
最近、奈良県天理市で村八分事件が起きた。関西の友人と話していて知ったのだが、私の住む名古屋では報道がない。友人もネットニュースで知ったらしく、プリントアウトを送ってくれた。
そのうち信頼できそうな『弁護士ドットコムニュース』によると、天理市内に転入した夫婦が当地の自治会から村八分にされ、葬式にも来てもらえなかったという。
確かにひどい話で、行政の補助組織である自治会で起きた事件であれば、農村の閉鎖性という一般論ですむことではない。とはいえ、今ここでその自治会を批判しようというわけではない。同ニュースに気になる箇所があるのだ。
『ツイッターでは「葬式にも来ないんじゃ村九分じゃねえか。村八分よりひどい」など批判の声があがっています』
同ニュースが事件の悪質性の補強証拠のようにする『葬式にも来ないんじゃ村九分』って、何のことだろう。葬式と火事の二つを除いて付き合いを断つから村八分だと謬説(びゅうせつ)を信じているのだ。
柳田国男ら民俗学者は、この説を否定している。ハチブは弾(はじ)くである。ハチブはハブ・ハバとも言うが、これは省(はぶ)くである。単純明白に『排除』であって、葬式と火事だけは手伝うなどというのは善いわけにすぎない。
他でも、相当の知識人のはずなのに、この謬説を信じそれに基いて論評する人がいる。
朝日新聞に2015年から『折々のことば』が連載されている。執筆者は哲学者で元阪大総長の鷲田清一。大岡信の『折々のうた』の後を受けて始まった連載だが、これがものすごくツマランのだ。思想家や文学者などの言葉に混じり、芸能人や無名の町の人の言葉を紹介され、わざとらしい〝民主主義〟が感じられる。
前身の『折々のうた』には、詩歌の選択にしろ解釈にしろどこか啓蒙性があり、それが魅力だった。私自身、随分啓蒙させられた。
これは私と鷲田との思想のちがいだからさておく。『折々のことば』がつまらなんと確信したのは、2016年3月9日付(連載334回)を読んだ時である。
この日紹介の言葉は『村八分』。解説はこうである。
『掟(おきて)を破った者を』『排除する制裁』。『協力して行う仕事』の『うち消火と埋葬の二分を制裁から外したのは、延焼と伝染病が村人に及びかねないから』。『現代の都市生活では、二分どころか十分を行政や企業』に依存し、『協同の力がぐっとおちている』。
全体の趣旨がよく分からない。村八分は悪いと言いたいのか、良き風習だと言いたいのか。二分だけ外したのは民衆の叡智だとも読める。十分を行政や企業にまかせる村の協同の力が落ちるからよくない、ということなのだろう。
そもそも『消火と埋葬の二分を外す』から村八分とするのが謬説なのである。柳田国男は、八分には『鉢』の意味が重なっている可能性も示唆しており、もっと大きなテーマにつながるかもしれない」
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2019年1月20日 gooニュース 西日本新聞「集団無視、ごみ出し禁止、取水妨害 「村八分で転居」提訴へ 大分の家族「自治区側 人権侵害」
大分県中部の山間部にある集落に移住した男性(73)ら家族3人が、集団無視や生活用水の取水妨害など「村八分」扱いを受け、転居を余儀なくされたとして、自治区の2人やため池を管理する地元土地改良区に約3千万円の損害賠償を求める訴訟を21日、大分地裁に起こすことが分かった。
訴状などによると、男性は2008年2月、集落に新居を建て大分市から転居。障害のある長男(46)を施設から呼び寄せて親子3人で暮らし始めた。16年8月、自治区費の決定方法などに疑問を抱き、自治区から退会。この後、自治区からごみ集積所への搬入を禁止され、行政広報誌の配布もなくなり、集団無視が始まったという。
男性は洗濯などの生活用水のため、自治区の同意や土地改良区の許可を受け、農業用ため池から取水していたが、自治区は17年1月、同意取り下げ書を提出。男性は「同年7?8月、池の水が抜かれ取水できなくなった。土地改良区も適切な管理を怠った」と主張する。男性の代理人弁護士は「家族を締め出す自治区側の意図は明白。重大な人権侵害だ」と訴えている。
男性は現在、妻(72)と県内のアパートに住み、長男は施設に入所している。
自治区の男性(70)は「村八分などしていない。(池の水を抜いたのは)雨が少なく農業用水として使ったため」と主張。土地改良区は「取水できなくても異議を申し立てないという誓約書を男性は提出している。法的責任はない」と反論している。
同県では宇佐市にUターンした男性(70)に「村八分」のような扱いをしたとして、県弁護士会が17年、自治区に是正を勧告。男性は昨年11月、歴代自治区長らに330万円の損害賠償を求める訴訟を大分地裁中津支部に起こした。=2019/01/20付 西日本新聞朝刊=」
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日本人とは、日本人が思うほど親切でもないし優しくもない、むしろ冷淡で薄情で非情である。
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ムラ共同体は、異質な相手を容赦なく排除し村かは追い出そうとする。
最悪は、村人総出で排除する一家を惨殺し、闇から闇えと葬り、残った田畑を村人が分け合った。
日本は、実は恐ろしい社会であった。
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日本人の最善の方策は、イジメや嫌がらせをする相手が理解し信用してくれるまで耐え忍ぶのではなく、逆に見限り逃げ出す事である。
「三十六計逃げるにしかず」である。
その意味で、庶民(百姓・町人)には移動する自由があった。
城勤めの武士は、大名・主君や上司・上役が気に食わなければ家禄を捨て脱藩して浪人となった。
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賢い日本人は、闘わずに逃げた。
日本民族日本人は、戦う民族ではなく逃げる民族である。
イジメや嫌がらせをする人間は、強いに人間ではなく弱い人間である。
弱い人間は、自分より弱い人間をイジメや嫌がらせを繰り返し、最悪死に追い込んで恥じない。
日本民族日本人は、優秀でもないし、賢くもない。
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日本民族日本人の気質として、我慢強い、辛抱強い、堪え性がある、はウソである。
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