🏯7)8)─1─徳川の平和は、日本の限界を知る徳川家康が築いた。~No.12No.13No.13No.14 @ 

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 徳川の平和によって、日本人は奴隷として海外に売られる事がなくなった。
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 2018年1月3日 読売新聞「新春対談 下 名宰相の覚悟に学べ 
 理想と現実 重い決断
 橋本五郎 磯田道史 
 限界を知る家康
 橋本 磯田さんの本を読んでいると、徳川家康に対する評価が総じて高い。
 磯田 永続する平和を実現したことと、非常に厳しい東アジア情勢の中、曲がりなりにも落としどころをつけたという点を評価している。中央集権の限界を自覚して、地方のことは地方に任せ、当時の日本の身の丈にあたった行政の姿を作り出した点にも、家康の非凡さを感じる。
 橋本 一人で保持できる権力の限界を分かっていたが故に、『分割統治』を目指した。戦いに敗れ、人質になり、苦労したからこそだろう。織田信長豊臣秀吉の存在も大きい。
 磯田 前の車が倒れるのを見て、わだちをどう通ればいいかということを知った。最も歴史を生かした人ではないか。家康は日課として、鎌倉幕府を作った源頼朝の先例などを学んだ。死の間際には、朝鮮半島からわたってきた活字による統治用の出版事業に取り組んだ。
 『私の中に国家」』
 橋本 第37代米大統領リチャード・ニクソンは『指導者とは』で、チャーチル英首相が権力を求めたのは、『他の誰よりも自分が巧みに行使できると心から信じたからにほかならない』と書いた。石原慎太郎・元東京都知事が、中曽根康弘元首相のことを『国家を背負った男』と表現しているのも同じだ。
 磯田 私は中曽根氏の回想録『自省録』発行に携わったが、その時、中曽根氏は『私の中に国家がある』と明言した。権力行使には、これほど重い覚悟が必要だ。悲しいのは、認められたいという承認欲求でなる指導者が時々いることだ。リーダーの地位とはそういうものではない。
 橋本 サッチャー英首相も信念を持っていた。1979年、経済の立て直しを公約に掲げて政権奪還を目指した総選挙の演説で、旧約聖書預言者の言葉を引き用する形で、『これが私の信仰であり、ビジョンである。もしあなたがそれを信じるのであれば、私についてきなさい』と訴えた。これぐらいの気概がないと真のリーダーは務まらない。
 磯田 第2次世界大戦終戦時の鈴木貫太郎首相もそうで、終戦工作を決して投げ出さず、終戦すれば切腹覚悟の陸相もまとめて、自分の内閣で収拾させた。一般人が就く仕事の中で、最も国のリーダーに近い仕事は飛行機の機長だと思う。『自分が事を処理する』という確信が必要だ。
 橋本 文学者の小西甚一は畢生(ひっせい)の大著『日本文藝史』を残し、『考えることは人間の特権であって、機械がどれほど進歩しても人間の相手ではない』と説いた。人工知能(AI)時代といわれるが、大切なのは『人間の目』ではないか。
 磯田 AIに我々が置き換えられるというとどうも違うようだ。目的とルールが定まったものには極めて強い効果を発揮するが、それを定めるのは人間だ。
 戦い嫌う日本人
 橋本 リーダーのある方から見て、今の政治状況をどう診断するか。
 磯田 本来、小選挙区比例代表並立制を作ったとみに、責任野党を育てるはずだった。しかし、日本人は、米国の共和党民主党のような二つの選択肢で決めるということが合っていなかったのではないかと感じている。
 橋本 中選挙区制は多様な人を共存させる温和な制度だ。生きるか死ぬかの勝負となる小選挙区制を導入することで、政治を活性化させるようとしたが、日本人は基本的に戦うことを歓迎しないように思う。
 磯田 日本人は闘争や排除への恐怖心が強い。だから、先の衆院選直前に希望の党代表になった小池百合子東京都知事が『排除の論理』を持ち出したことで、高まっていた野党結集への機運が一気にしぼんでしまった。
 橋本 政策で峻別(しゅんべつ)することは当たり前のことだ。ただ、弱者いじめともとれる言い方に問題があった。それが国民の怒りの琴線(きんせん)に触れたのだろう。
 後ろ指さされても
 磯田 私が思うのは、日本は核の傘に守られているとしても、被爆国なので、核廃絶を現実の核戦略とは別に主張すべきだと思う。
 橋本 国際政治の見方でも、理想主義と現実主義の二項対立でとらえられることが多いが。違うと思う。理想、理念を持たないことには、単に現状追認だけになってしまう。理想を持つことで、現実の努力に力を与えることもある。
 磯田 目標は理想主義、打つ手は、現実主義というのが政治家やリーダーの根本だ。明治維新で活躍した西郷隆盛大久保利通もそうだった。目標をどのように導き出すかは一番大事な部分だ。手段をどう取るかは、極めて現実的に考えたときに、時には人に後ろ指をさされても仕方がない決断もあると思う。それでも目標と手段の関係を理解しているかどうかが大事。」
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 戦後復興までは命を懸けた政治家が多数いたが、高度経済成長頃から政治屋が増え、バブル崩壊頃からは政治サークル・政治同好会の素人政治家が増えた。
 素人政治家が、2011年3月の東日本大震災時の政府・議会の政治家達の無能無策的狼狽ぶり、年月と共に目前しか見ない無定見的なサークル・同好会の空気が濃くなっている。
 素人政治家が求めているのは理想でも現実でもない独り善がりの妄想であり、その自己満足の妄想は国と社会の発展と進歩ではなく衰退と後退しかもたらさない。
 そうした、素人政治家には志も信念も、気概も覚悟もない。
 与党・野党に関係なく全ての政治家に言える。
 それは、官僚、企業家・経営者、学者、マスメディア関係者全体でもいえる。
 その劣化は、左翼・左派・リベラルや右翼・右派・保守も同じである。

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