🕯151)152)─1─誕生と死滅はワンセット。死を前に人は諦念に安住する。~No.319No.320No.321No.322 @

永遠の武士道―語り伝えたい日本人の生き方

永遠の武士道―語り伝えたい日本人の生き方

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・{東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 日本民族日本人は、弱い人間である。
 臆病で、気弱で、ひ弱で、寂しがりで・・・。
 精神力の弱い者こそ、バカの一つ覚えのように精神論や根性論を唱える。
 それは、負け犬の遠吠えに近い浅ましい所業である。
 日本民族日本人は「尚武の民」とは、真っ赤な嘘である。
 サムライ・武士は、全人口の10%もいなかった。
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 日本民族日本人は、臆病と気弱で情緒不安定に陥りやすい心を落ち着かせる為に「死」を覚悟した。
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 2017年8月11日号 週刊朝日パスカルの万脳薬 池谷裕二
 死を前にヒトは諦念に安住せず
 なぜ人は死ぬのか。この問いには様々な方向からの解答がが可能です。
 社会構成員の新陳代謝を即すため。若いほうが生命体として生きがよいから。染色体のテロメアによって細胞分裂の回数が限られているから──。どれももっともらしい説明です。しかし、これだけでは、なぜ老化やテロメアを用意してまで積極的に『自己解体』を準備しているのかという不思議さが拭えません。
 私自身がもっとも納得できる説明は、国際科学振興財団の大橋力博士らが『人工生命』誌に発表したシミュレーションの結果です。仮想空間内に死ぬ生命体と死なない生命体を混在させて育成した結果、死ぬ生命体のほうが広範囲に勢力を広げたのです。つまり、生物にとって死は忌むべきことではなく、秀でた能力であると言えます。
 これは進化を考えれば当然にも思えます。生命は『新世代の誕生』と『旧世代の死滅』を通じて進化します。無数の世代交代を経験したからこそ、現在の人類があるわけです。『誕生』と『死滅』は、いわばセットです。この回転がなかったら、この世に人類は存在しなかったでしょう。つまり、ヒトにとって『死』は、本質的な付随物であると同時に、利点でもあります。
 死には別の利点もあります。ヒトは『死』を心理的に活用しているのです。マハトマ・ガンジーの言葉が象徴的です。『明日死ぬと思って生きなさい、永遠に生きると思って学びなさい』。明日死ぬとなれば、一瞬一瞬を大切にし、残された時間を精いっぱいに生きようと務めるでしょう。全力疾走の生活を毎日積み重ねると、なんとなく無気力に過ごすのとは異なる人生が開けるしれません。
 アリゾナ大学のゼストコット博士らは、死を意識することで生まれる効果を、バスケットボール選手を対象にテストしています。マンツーマンの試合を行い、休憩時間に『自身の死についてどう考えるか』を書かせたのです。すると後半戦では43%も高スコアをたたき出しました。もちろん、この短時間に技術が向上したわけではありません。普段はそれほど本気を出していないということです。
 一般に、死の不可避的は人々に恐怖心を生み出しますが、同時に人生そのものに意味を与え、自尊心や文化的世界観に沿った行動を促します。『恐怖管理理論』と呼ばれる現象です。
 これを冒頭の『人はなぜ死ぬのか』への解答とすることもできます。死は人を本気にさせます。死を知っているからこそ、自分を厳しく律し、他人を哀れみ、美しいものを愛(め)でることができるちうわけです。
 逆に、死を意識しないときには、つい人生を手抜きします。どこかで弛緩(しかん)し、やる気も減じます。私自身も『死ぬほど頑張れ』『必死に努力する』『一生懸命に働く』などという慣用句を安易に口にはするものの、かといって、どこまで『文字通り』に本気を出しているか疑問です。
 それにしても、ヒトは不思議な生物です。本来ならば、死ぬことがわかったら、その時点で諦めて、『もう何もしない』という選択肢があるはずです。無意味な消耗を排除し、じっと死を待つ『見切り』は、実際のところ合理的です。ところが、ヒトは諦念(ていねん)に安住しません。まっしぐらに悶絶(もんぜつ)し、そして善人であろうと努めます。なんとも理不尽です。
 しかし、この理不尽さが、ヒトという生物の『美しさ』につながっていることは間違いありません」
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 8月11日号 週刊朝日帯津良一貝原益軒 養生訓
 養生の術の第一は心気を養うこと

 養生の術は先(まず)心気を養ふべし。心を和(やわらか)にし、気を平(たい)らかにし、いかりと慾とをおさへ、うれひ、思ひ、をすくなくし、心をくるしめず、気をそこなはず。是(これ)心気を養ふ要道なり。(巻第一の9)

 益軒は養生訓で心の養生について、繰り返し語っています。
 『養生の術は先心気を養ふべし』(巻第一の9)
 体の養生のためには、まず心気を養うことが大事だというのです。では、どうすればいいのでしょうか。
 『心を和にし、気を平らかにし、いかりと慾とをおさへ、うれひ、思ひ、をすくなくし、心をくるしめず、気をそのなはず』(同)
 と続けます。これが心気を養う大事な方法だというのです。
 『心をしづかにしてさはがしくせず、ゆるやかにしてせまらず、気を和にしてあらくせず、言をすくなくして声を高くせず、高くわらわず、つねに心をよろこばしめて、みだりにいからず、悲(かなしみ)をすくなくし、かへらざる事をくやまず、過(あやまち)あらば、一たびわが身をせめて、二度悔(くやま)ず、只(ただ)天命をやすんじてうれへず、是(これ)心気をやしなふ道なり』(巻第二の26)
 とも説いています。つまりは、『心をのびやかにする』ということでしょうか。
 かつて、がん治療に西洋医学だけでなく中国医学を取り入れようと、しばしば訪中していたころに、『祝?健康長寿』に出会いました。この書名の意味は『あなたの健康長寿をお祈りします』というもので、まるで年賀状の挨拶文みたいな本なのですが、内容は本場中国の養生の粋(すい)がちりばめられていてなかなかでした。
 養生の要諦として7つの項目をあげています。
 ①勤運動(運動にいそしむ)
 ②練気功(気功を練習する)
 ③節飲食(食事を節する)
 ④暢(ちょう)情志(心をのびやかにする)
 ⑤慎起居(正しい日常生活)
 ⑥適環境(環境に適する)
 ⑦補薬物(薬で補う)
 これを読んだとき、暢情志(心をのびやかにする)という言葉が印象に残りました。益軒も同じことを言っているのでしょう。
 西郷隆盛が愛読したという佐藤一斎の言志四録のひとつ『言志?(てつ)録』に次なる一文があります。
 
 心志を養うは養の最(さい)なり。
 体躯を養うは養の中なり。
 口腹を養うは養の下(げ)なり。

 『心気』ではなく『心志』と『志』が加わった分、一歩踏みこんだ心の養生になっています。
 私が長年続けている太極拳では調身、調息、調心ということを大事にしています。調身とは姿勢を正すことで、基本は上半身の力を抜き、下半身に気をみなぎったら『上虚下実(じょうきょかじつ)』の状態です。調息は呼吸を整えることで、深く長い呼気を心がけます。調心は心を整えることで、まさに心気を養っている状態といえます。
 この調身、調息、調心は三位一体の関係にあって、心に気がかりなことがあると調心に翳(かげ)りが生じ、調身、調息もうまくいきません。逆に、調身、調息を進めることによって、調心が深まるのです。
 これは太極拳に限らず、気功全般に言えることです。座禅やヨガ、瞑想も調身、調息、調心の三位一体の関係によって成り立っています。いずれも心の養生の術といっていいでしょう」
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 サムライ・武士は、常在戦場として何時如何なる時も「死」を覚悟していた。
 それは、対策を立てて防げる人災ではなく、人智を尽くしても防ぎようがない理不尽な自然災害多発地帯で生きる智恵であった。
「死」を覚悟するとは、「死」を身近に感じ、「死」から目を逸らさず、「死」から逃げず、「死」と向かい合いながら生きる事である。
 「死」を覚悟して生きるとは、「志」を立てて生きる事である。
 ゆえに、日本民族日本人は「志」で生きそして「志」で死んだ。
 戦前までの日本は、大和心・日本の心、大和魂・日本精神、そして武士道精神・靖国神社の心を、大事にしていた。
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 日本文明日本文化の生き方は、生と死、緩急を付ける事である。
 無用な時は「弓の弦を緩める」である。
 弓の弦を緩める事なく張り詰めると、弦は何時かは切れてしまうからである。
 そこに、日本の文化的情緒的な遊び心が存在する。
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 中華文明世界の朝鮮や中国は、潔く「死」を覚悟した日本とは正反対に貪欲に「生」を貫いた。
 日本の「死」を覚悟する生き様に近いのが、釈迦が「生老病死」の四苦八苦で悟りを開いたインドである。
 日本は、仏教を通じて朝鮮や中国以上にインドに親和性を強く感じる。
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 日本人は、朝鮮人朝鮮人と幾ら話し合ってもどうしても馴染めない違和感を感じるが、インド人と話すと心穏やかになり安心感を感じる。
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 「話し合えば日本人と朝鮮人・中国人は分かり合える」というのは、嘘である。


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