🎑108)─4─日本のマンガ・アニメ文化は中国の漫画・アニメに食われて衰退していく。~No.238 

漫画映画論 (ジブリLibrary)

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 マンガやアニメを低俗と軽蔑している高学歴出身知的エリートが、マンガやアニメ文化を日本文化として世界に売り込もうとしているが、その大半が成功するかどうか怪しい。
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 子供心を失った大人には、マンガ・アニメ文化が理解できない。
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 2018年5月25日 産経ニュース「上場果たした中国の「ビリビリ動画」とは 日本アニメは中国アニメに食われてしまう?
 中国の動画サイト「ビリビリ」(bilibili)
 中国の「ビリビリ」(Bilibili)が3月、米NASDAQ市場に新規上場(IPO)を果たした。日本の「ニコニコ動画」にインスパイアされ、画面上にユーザーからのコメントが流れる動画配信サイトだ。日本のさまざまな動画を正規配信し、中国で「Fate/Grand Order」の運営を行い、日本的な要素も多い「アズールレーン」を子会社が開発するなど、日本のアニメやゲーム系サブカルチャーの中国ファンが集うサイトになっている。
 コメント機能に加え、出発点は「初音ミク」のファンサイトで、現在のサイト名は「とある科学の超電磁砲」のヒロイン、御坂美琴の愛称「ビリビリ」から来ている−−などと聞けば、日本製コンテンツとの親和性の高さはイメージできるだろう。月間アクティブユーザー数は7200万人、2017年の売上高は日本円で400億円を超え、直近の株式時価総額は3900億円に上る。日本のネットでは、有料会員の流出に苦しむ本家「ニコニコ動画」と比較する声もある。
 ただ、そのビリビリも中国産コンテンツをよりプッシュするようになっており、日本のアニメはもはや安泰ではないという声も聞く。インターネット大手の騰訊(Tencent)は中国のアニメやゲーム系サブカルチャーなどに数百億元(1元=17円)をかけてクリエイターを育成するという話もある。
 中国ではこの手のサブカルチャーは「二次元」、またはアニメ、コミック、ゲームの頭文字から「ACG」、それに小説を加えて「ACGN」と呼ばれている。
 ゲームに関してはほぼ全てが日本など中国国外からの輸入だったが、それもPS2(PlayStation 2)やPSP(プレイステーション・ポータブル)まで。それ以降はスマートフォンの普及により、日本のゲーム(機)で遊ぶ人は目に見えて減った。地下鉄内では以前はPSPで音楽を聴いたり、ビデオを見ている人がそれなりにいたが、今では誰もがスマートフォンに見入っている。
 アニメもゲームと同様に、やがて中国産の作品が主流になり、日本アニメは中国アニメに食われてしまうのではないか−−という意見もある。果たして現在の中国アニメはどこまで中国人にササっているのか。様々なデータから分析し、近未来を予測していきたい。
 150万人が訪れるアニメイベントでは……
 4月末から5月初めにかけて杭州で開催された、国家級のアニメ系イベント「中国国際動漫節」の来場者は延べ150万人に上った。。会場を訪れたところ、上海で夏に開催される中国を代表するゲーム系イベント「Chinajoy」に負けず劣らずの“人海”だ。中国の連休にかかっていたのと、杭州では上海と比べて娯楽が少ないこともあり、小さな子どもを連れた年配の方も多かった。
 展示コンテンツは子ども向けもあるが、ほとんどは青年向け。ちなみに子ども向けコンテンツは、羊と狼のドタバタ劇「喜羊羊与灰太狼」や、熊と猟師のドタバタ劇「熊出没」が定番。もはや「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」を知らない子どもすらいる。
 会場ではコスプレをしている人も多数見かけたが、コスプレイヤーの約半数が「武侠」、つまり中国中世ファンタジーもので、3割が日本の制服姿、残り2割がゴスロリ系といったところだった。
 例えばルフィや初音ミクなど特定のキャラクターのコスプレをする人は少数で、コスプレーヤーのほとんどは何かになりきるというわけではなかった。これは数年前にみた「Chinajoy」での光景とだいぶ違っている。念のため近年のイベントの会場写真をネットで確認してみたところ、特定のキャラのコスプレで来場する人はやはり以前より少なく見える。
 かつては「ワンピース」や「キングオブファイターズ」のキャラのコスプレが多かったが、さすがに人気になってから時間が経っているのと、現在はトレンドが次々に移り変わる青年・大人向けアニメが主流になっているためだろう。
 会場でとりわけ人気だったブースが、中国で角川のライトノベルなどを出す「天聞角川」のブースと、ビリビリのブースだった。天聞角川の物販ブースに長蛇の列ができ、会場からの実況動画を配信していたビリビリブース前は多くの人で盛り上がっていた。天聞角川の人気や、他の物販ブースでの日本人気はファンの間では依然として高く感じた。
 会場には女性客が多く、美男子イラストの看板と写真を撮る女性や、美男子イラスト入りの紙のかばんを下げて歩く女性を多く見かけた。日本のサブカルファンは男性が目立つが、もともと中国のファンは女性の割合が高く、「美男子同士の友情を想像する」という美男子が活躍するコンテンツは少なくない。このイベントでも女性のサブカル人気を感じることができた。
 中国のアニメというと、武侠世界をはじめ多種多様な設定の作品がある。ただ、学園生活が舞台になる作品でも中国では女性ファンを意識しないといけない。主に男性向けの日本の作品とは競合しないだろう。
 実はニッチな「ビリビリ」
 次にデータ面から分析する。
 ビリビリは、中国の動画サイトでどのようなポジションなのか。実は、人口比率ではかなりマイナーなほうに属する。
 「骨雑伝媒」によると、2017年第4四半期の動画サイト内での総再生数は、テンセントの「騰訊視頻」が圧倒。これにビリビリと同月に上場を果たした「愛奇藝」と「優酷」が続く。ビリビリはこの3大サイトと比べるとわずかな量しか視聴されていない。ただし新作の投入数では、テンセントには及ばないものの、愛奇藝と優酷並みのタイトル数を投入している。
 17年第4四半期に新たに配信スタートしたタイトルの再生数では、日本でも配信されている「一人之下 the outcast」の4億7200万を筆頭に、1億以上の再生数を記録した作品が5タイトルある。いずれも中国製アニメで、このうち3タイトルが「騰訊視頻」限定配信。残り2タイトルが複数サイトでの配信だ。
 さらにいうと、上位10タイトルまですべてが騰訊視頻ないしは複数サイトでの配信だ。こうした人気タイトルを視聴者のコメント付きで見ると、映像クオリティーや声優や設定などについておおむね不満がないことが分かる。
 ビリビリで配信されているコンテンツの再生数はその下だ。最も視聴された「小林さんちのメイドラゴン」や「エロマンガ先生」が7000万台、続いて「ボルト」「実力市場主義の教室にようこそ」が6000万台、「Fate Apocrypha」が5000万台−−と続く。相対的にユーザーが少ない中でこうした再生数をたたき出しているので、アニメイベントでの実態の通り、マイナーながらも熱心なファンがビリビリや日本アニメを支えていると言える。
 ニッチになる? 日本製アニメのこれから
 熱心なファンがいるからこそ、ビリビリ主催で日本の声優を招待したイベントは盛り上がる。ただ日本のアニメがマイナーだとすると、メジャーに訴えていかなければならない。
 今季はビリビリで「魔法少女 俺」が字幕版配信に加え、中国語吹き替え版も実験的に登場した。声優の演技についても評価はいい。日本人からすれば中国で日本の声優ブームがあるようにも見えるが、今後は中国語の吹き替え版が増えていき、日本の声優ブームはより小さく、ニッチな趣味になっていく可能性がある。
 5月には、ビリビリが日本でコンテンツ制作に乗り出すべく、東京・人形町に制作スタジオを開設し、ビリビリオリジナルの作品を作ると発表した。スターティングメンバーとして、監督・アニメーター・制作進行、仕上、編集を募集し、年間3本のアニメ制作を目標に掲げている。
 ところで「極光大数据」による大学生のアプリ利用実態リポートによると、ビリビリのユーザーは「大学の中でも名のある一流大学」「北京・上海・広州・深センないしはこれに続く大都市」「2000年代生まれよりも1995〜99年生まれ」−−で多い傾向がある。95〜99年生まれといえば現在19〜23歳。つまり、これより若い人は少しずつではあるが、日本製アニメを見る人の割合が減る傾向にある。
 中国では様々なジャンルのアニメが公開されているが、コアなファンは少なく、ゲームやドラマ視聴と同じようにスマホなどで消費している感がある。また上述の通り、中国で配信される日本の青年向けアニメはほぼ男性向けだ。今後、日本のアニメ人気は中国では縮小していくと考えられるが、ゼロに近づくとは考えづらい。たとえ政治的な理由でアクセスできなくなっても、規制の壁を越えてヘビーユーザーは日本のアニメを視聴し続けるだろう。
 筆者プロフィール:山谷剛史 フリーランスライター。一時期海外アジア経済情報を配信する「NNA」に在籍。 中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強く、連載記事執筆ほか、講演や メディア出演など行う。書籍では「中国のインターネット史 ワールドワイド ウェブからの独立」(星海社新書)、「新しい中国人〜ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)など。」
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 5月26日 msnニュース モーニングスター株式会社「悲しすぎる・・・日本のアニメはなぜ中国のテレビから消えたのか=中国メディア
 c Searchina 提供 かつて中国の子供たちを夢中にさせたテレビの日本アニメ放送は終わり、中国のアニメが放映されているという。それでも、日本のアニメが中国の若者に支持されているのはインターネットがあるからだ…
 中国では若者を中心に日本のアニメや漫画に対する関心が高い。幼いころにテレビで日本のアニメを見ていたという中国人も多いのだが、近年は中国のテレビで日本のアニメを見る機会はほとんどないようだ。
 中国メディアの快資訊は23日、「中国のテレビから日本のアニメはなぜ消えてしまったのか」と題する記事を掲載し、その理由は涙が出てくるほど悲しいものだったと紹介している。
 記事の中国人筆者が幼かったころは、中国のテレビでも日本のアニメがたくさん放送されていて、幼少期の良い思い出になっていると紹介。だが近年は日本のアニメは放送されておらず、その代わりに中国のアニメが放送されているようだ。
 記事は、「1990年代の日中関係は良好で、互いに発展するために文化交流が盛んに行われ、中国国内でも日本のクオリティの高いアニメがたくさん放送されていた」と紹介。だが、日中関係が悪化するにつれ、中国は日本のアニメを積極的に放送するをやめ、さらに中国国内のアニメ産業を守り、発展させるために各テレビ局は中国政府の政策に追随するようになったと指摘し、その結果として中国のテレビ局で日本のアニメが放送されなくなってしまったと経緯を紹介し、「これは非常に悲しいことだ」と指摘した。
 一方で、日本のアニメや漫画を好む中国人は現在、インターネットで楽しむようになったとし、両国間の政治的摩擦に影響されることなく、インターネット上で日本の2次元の世界を楽しめるようになったのは良いことだと伝えている。
 過去の歴史ゆえに日本に対して複雑な感情を抱いている中国人は少なからず存在している。だが、若い世代を中心に漫画やアニメを通じて日本に好感を抱いている中国人もたくさんいることも事実だ。きっかけはどんなことであったとしても、日本に対して興味を持つ中国人がいることは良いことではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)」


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