🌈10)─2・C─森の未来は菌だけが知っている。マザーツリー。地中の菌類ネットワーク。〜No.20 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 日本民族の祖先は、森の民である縄文人(日本土人)であった。
 その縄文人は、南方系海の民(ヤポネシア人=旧石器人)の子孫である。
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 日本民族は、高温多湿で病原菌(悪玉菌)・有益菌(善玉菌)・雑菌(日和見菌)などの細菌が多い自然環境・住環境で生きてきた為に衛生観念が高く片付け上手で綺麗好きであったが、現代日本人の様な神経質で異常な病的潔癖性ではなかった。
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 日本列島には、花鳥風月プラス虫の音、苔と良い菌、水辺の藻による1/f揺らぎとマイナス・イオンが満ち満ちて、虫の音、獣の鳴き声、風の音、海や川などの水の音、草木の音などの微細な音が絶える事がなかった。
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 2023年1月30日3:00 DIAMOND onlain「【科学者が語る】木々を育てる森の神秘「マザーツリー」とは?
 スザンヌ・シマード
 三木直子
 養老孟司氏、隈研吾氏、斎藤幸平氏らが絶賛している話題書『マザーツリー 森に隠された「知性」をめぐる冒険』──。樹木たちの「会話」を可能にする「地中の菌類ネットワーク」を解明した同書のオリジナル版は、刊行直後から世界で大きな話題を呼び、早くも映画化が決定した。待望の日本語版が刊行されたことを記念し、本文の一部を特別に公開する。
 【科学者が語る】木々を育てる森の神秘「マザーツリー」とは?
 いちばん大きくて古い木がマザーツリー
 「これはマザーツリー?」
 風上の方角に向かって枝を伸ばし、3本並んで立っている年老いたホワイトバークパインの周りを歩きながらメアリーが訊いた。
 私たちは昨夜、大学院生と、大学の非常勤講師でもあるフィルムメーカーと一緒につくったドキュメンタリー映画『Mother Trees Connect the Forest(マザーツリーが森をつなぐ)』を観たばかりで、メアリーは、この高山の木を多雨林の木と比べようとしていたのだ。
 ※『マザーツリー 森に隠された「知性」をめぐる冒険』の著者スザンヌ・シマードらが自主制作したドキュメンタリー映画「Mother Trees Connect the Forest」。
 私は3本のうちでいちばん背が高い木を指差して、いちばん大きくて古い木がマザーツリーだと言った。
 私はメアリーの手を摑んで樹冠の下に身をかがめ、根が近隣の木に巻きついているかどうかをたしかめた。
 【科学者が語る】木々を育てる森の神秘「マザーツリー」とは?
 『マザーツリー 森に隠された「知性」をめぐる冒険』本文口絵より。美しい樹木や菌類たちの魅力的なカラー写真も多数掲載。
 メアリーが、張り出した枝のいちばん外側の縁に沿って生えている一連の実生を指差した。
 太い根が四方八方に伸びて絡まり合うこの雑木林の木々は、菌根ネットワークでつながっているに違いなかった。
 (本原稿は、スザンヌ・シマード著『マザーツリー』〈三木直子訳〉からの抜粋です)
◎誰かとの「つながり」を大切にしたくなる、樹木と菌類の物語『マザーツリー』。気候変動が注目されるいま、自然のなかに秘められた「知性」に耳を傾けたくなるヒントが満載の一冊です。
 【科学者が語る】木々を育てる森の神秘「マザーツリー」とは?
 スザンヌ・シマード Dr. Suzanne Simard【科学者が語る】木々を育てる森の神秘「マザーツリー」とは?
 カナダの森林生態学者。ブリティッシュコロンビア大学 森林学部 教授
カナダ・ブリティッシュコロンビア州生まれ。森林の伐採に代々従事してきた家庭で育ち、幼いころから木々や自然に親しむ。大学卒業後、森林局の造林研究員として勤務、従来の森林管理の手法に疑問を持ち、研究の道へ。木々が地中の菌類ネットワークを介してつながり合い、互いを認識し、栄養を送り合っていることを科学的に証明してみせた彼女の先駆的研究は、世界中の森林生態学に多大な影響を与え、その論文は数千回以上も引用されている。研究成果を一般向けに語ったTEDトーク「森で交わされる木々の会話(How trees talk to each other)」も大きな話題を呼んだ。『マザーツリー』が初の著書となる。
 【訳者】三木直子(みき・なおこ)
 東京生まれ。国際基督教大学卒業。広告代理店勤務を経て2005五年より出版翻訳家。訳書に『マザーツリー』(ダイヤモンド社)のほか、『植物と叡智の守り人』『食卓を変えた植物学者』(以上、築地書館)、『CBDのすべて』(晶文社)ほか多数。埼玉とアメリカ・ワシントン州在住。
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 2月1日6:01 YAHOO!JAPANニュース ダイヤモンド・オンライン「【先住民は知っていた】「地中の菌類ネットワーク」をめぐる驚異の科学的発見
 養老孟司氏、隈研吾氏、斎藤幸平氏らが絶賛している話題書『マザーツリー 森に隠された「知性」をめぐる冒険』──。樹木たちの「会話」を可能にする「地中の菌類ネットワーク」を解明した同書のオリジナル版は、刊行直後から世界で大きな話題を呼び、早くも映画化が決定した。待望の日本語版が刊行されたことを記念し、本文の一部を特別に公開する。
● 西洋哲学は「対等」という言葉につまずく
 セプウェップム族の長老メアリー・トーマスの母親と祖母マクリットは、アメリカシラカバに感謝し、必要以上のものを収穫せず、お礼に供え物をするよう彼女に教えた。メアリー・トーマスはアメリカシラカバを「マザーツリー」と呼んだことさえあった──私がその概念を思いつくよりずっと前に。
 メアリーの部族の人々は、何千年も前からアメリカシラカバを通じてそのことを知っていたのだ。彼らの大切なわが家である森に暮らし、すべての生き物たちに学び、対等なパートナーとして彼らを敬うなかで。
 西洋哲学はこの「対等」という言葉につまずく。西洋哲学は、人間はほかの生き物よりも優れていて、自然を支配するものと考えるのである。
 「アメリカシラカバとダグラスファーは地下の菌類ネットワークを通じて会話する、っていう話をしたの覚えてる?」と私はそう言って、片手を耳に、もう片方の手の指を唇に当てた。
 3人はじっと耳を傾けた──蚊の羽音に邪魔されながら。このことを理解したのは私が初めてではなくて、多くの先住民族が古くからこのことを識っていたのだ、と私は言った。
 ワシントン州オリンピック半島の東側に住むスコーミッシュ族の、いまは亡きブルース・スビイェイ・ミラーは、森に存在する共生関係と多様性についての物語を語り、森の地面の下には「根と菌類が構築する複雑で広大なシステムが広がり、それが森の強さを保っている」と言った。
● 「科学のレンズ」で世界を見渡し、 「先住民の叡智」にたどり着いた
 「このパンケーキマッシュルームは、地下にある菌類のネットワークの子実体なの」と言いながら私がヌメリイグチ属のキノコをケリー・ローズに渡すと、彼女はその傘の裏の小さな孔をしげしげと観察し、どうしてそのことをみんなが理解するのにこんなに時間がかかったのかと訊いた。
 私はその叡智を、西洋の科学という頑ななレンズを通してたまたま運よく垣間見ることができた。
 大学では、生態系をバラバラの部分に分けて、木や植物や土壌を別々に観察することを教えられた──森を客観的に見るために。こうして森を解剖し、支配し、分類し、感覚を麻痺させることで、明晰で信頼に足る、正当な知識が得られるはずだった。
 ある一つの体系をバラバラにして、その一つひとつの部分について考えるというやり方に従うことで、私は学んだ結果を論文として発表することができた。
 そしてまもなく私は、生態系全体の多様性とつながり合いについての論文を書くのがほぼ不可能であることを知ったのだ。
 対照群がないではないか! と、私の初期の論文の査読者は叫んだ。
 私は、実験に使ったラテン方格[訳注:n行n列の表にn個の異なる記号を、各記号が各行および各列に1回だけ現れるように並べたもの。効率よく実験を行うために使われる]や要因計画、同位体質量分析計やシンチレーションカウンター、それに統計的有意性のある顕著な差だけを考慮する訓練などを通じ、ぐるりと一巡して先住民の人々が持っていた叡智に辿り着いたのだ──多様性が重要だということに。
 そして、この世のすべては実際につながっているのである。
 森と草原、陸と海、空と大地、精霊と生きている人々、人間とそれ以外のすべての生き物が。
 (本原稿は、スザンヌ・シマード著『マザーツリー』〈三木直子訳〉からの抜粋です)
 スザンヌ・シマード/三木直子
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 日本大百科全書(ニッポニカ)「共生菌」の解説
 共生菌 きょうせいきん
 他の生物と一体となって共同生活をする菌をいう。すべての植物、動物は直接と間接とを問わず、菌類と共同して生活する。動物は消化管の中に菌類を主体とする微生物を抱え、これらと共生的なかかわりをもちながら生活をしているわけである。おもに細菌からなる腸内菌類がその例である。植物も菌類とさまざまなかかわり合いのもとに共生的生活をする。もっとも端的な例は地衣類である。地衣類は、主として子嚢(しのう)菌類に属する菌類が緑藻類または藍藻(らんそう)類を抱え込み、両者が緊密に結合した一体となって生活する独特の共同体生物である。
 シダおよび種子植物はカビ型またはキノコ系の菌類と菌根をつくる。植物の根は共生する菌によって病原菌の攻撃から守られ、栄養吸収の面では助けられながら菌と共生している。菌根には外生菌根と内生菌根があり、外生はキノコ類、内生はカビ型の菌によってつくられ、ほとんどすべての植物はそのいずれかの菌根をもつといわれる。このほか、マメ科植物の根粒は細菌のリゾビウムRhizobium、ハンノキ属・グミ属その他の非マメ科植物の根粒は放線菌でつくられる。
 [今関六也]
 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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 acdemist journal「森の未来は菌だけが知っている – 森はどのように成り立ち、遷移していくのか門脇浩明 2019年1月15日 森の未来は菌だけが知っている – 森はどのように成り立ち、遷移していくのか2019-03-01T09:35:08+09:00研究成果 微生物, 植物, 環境, 生物学
 土のなかには、私たちがかつて想像もしなかった微生物の世界が広がっています。その目に見えない微生物たちがつくりだすネットワークは、私たちが普段目にしている地上の世界をも変えてしまう、驚くべき力を持っているのです。ここでは、その土のなかの微生物たちのはたらきを紹介します。
 なぜ樹木は森を作るのか
 樹木には、固まって林をつくる種類もあれば、人間が植えなければ林をつくらない種類もあります。たとえば、どこの野山でもマツ林(松林)は普通に見られますが、サクラ林やモミジ林はありません。では、林を作る樹種と作らない樹種は、一体、何がどのように違うのでしょうか。その答えは、見上げるように大きく育った樹木ではなく、そっと視線を下ろした足元で見つかるのです。
 地面から数センチのところには、実生(みしょう)と呼ばれる木の赤ちゃんが生えています。その実生がぐんぐん成長して成木となり、さらに次世代の実生の定着を促進するとき、ひとつの樹種だけの林ができます。その過程のなかで、土壌環境に変化が起き、マツの下の土壌にはマツの実生の成長を助ける「共生菌」が増えます。さらに、その共生菌が次世代の育成を助け、このサイクルが繰り返されることで、マツ林ができあがるのです。
 一方で、サクラの下には、共生菌と異なり寄生菌が土壌に蓄積し、その実生の成長を阻害するため、寄生菌に影響されにくいサクラ以外の実生でなければそこに定着することができません。野山でサクラが固まって生えることなく、森の中でぽつりぽつりと疎らに生えているのはそのためです。
 このように、樹木はそこに存在するだけで土壌環境に影響を与え、その土壌環境の変化が、将来その場所で育つことができる樹木を決定づけるところまで影響を及ぼします。要するに、樹木は足元に蓄積する「土壌微生物」と相互作用しながら変化し、その結果、時間とともに森を構成している樹木も移り変わるのです。
 秋の深まりとともに山の色が夏らしい緑から秋めいた黄色やオレンジ色に変化し、紅葉のモザイク模様ができあがるのは、土壌微生物によって豊かな樹木の多様性が守られているからである。
 樹木の多様性を守り、森林の変化を促す原動力「菌根菌」
 土壌にはさまざまな微生物が存在し、実生を待ち構えています。その代表格といえるのが、「菌根菌」という仲間の共生菌です。菌根菌は、根の表面付近や内部に侵入して生きる「かび」や「キノコ」の仲間です。これらの菌類は水分や土壌の栄養分を吸収して植物に与え、一方で植物は糖を菌類に与え、互いに役立つ関係を持っています。このような関係を菌根共生といいます。
 菌根菌は糸のような足(菌糸)を方々に伸ばし、地面の中で網目状の構造(ネットワーク)を作っています。このネットワークにつながることは、実生の定着と成長を左右する重要な条件です。しかし、ネットワークにつながれば何でもよいというわけではありません。樹木が共生する菌根菌はいくつかの種類に分類でき、代表的なのは、サクラ、モミジ、ツバキやクスノキなどと共生する「アーバスキュラー菌根菌」、アカマツ、コナラ、シイやアカシデなどと共生する「外生菌根菌」という2つの菌根タイプに分類され、これらはそれぞれ異なるネットワークを作っています。
 樹木の種類によって、同じ菌根タイプのネットワークにつながれば成長できる樹種もいれば、同じ菌根タイプであり、かつ同種の樹木のネットワークでなければ成長できない樹種、どのような菌根タイプの樹木のネットワークでも成長がそれほど変わらない樹種がいます。そうした特徴に応じ、どの樹木の種類の実生がどのような条件下で生き延びることができるのかが決まります。
 アーバスキュラー菌根菌と共生する樹種と比べ、外生菌根菌と共生する樹種の方が菌糸のネットワークを広げる能力が高いため、日本の森では、アーバスキュラー菌根菌と共生する樹種よりも外生菌根菌と共生する樹種が優占しています。アーバスキュラー菌根菌はキノコを作りませんが、外生菌根菌の多くはキノコを作るため、日本の野山で多種多様なキノコが見られるのは菌根菌のはたらきのおかげともいえます。
 キノコの多様性。これらのキノコを作るのはすべて外生菌根菌である。
 このように、菌根菌が森林における樹木の多種共存を維持したり、樹種を置き換える遷移(樹種の移り変わり)を促進したりします。菌根菌は、樹木の多様性を守りながらも、森の変化の原動力となる大きな役割を果たしているのです。
 森林から見た私たちの暮らし
 近年、未曾有の自然災害が世界各地を襲っています。そうした災害から私たちの身を守ってくれるもののひとつが自然の森です。私たちの研究では、土壌に生息する微生物のはたらき(土壌微生物が原動力となる環境変化)を理解することではじめて森の成り立ちと遷移を理解できることを示しました。よって、菌根菌は、さまざまな生態系サービス(炭素の蓄積や水源の涵養、防災、食料や木材生産などの人類の利益になる生態系の機能)の重要な基盤となります。
 美しい森は豊かな土壌微生物の世界に支えられている。
 森をきちんと管理していくためには、森がどのようにできているのかを知ることが重要です。土壌微生物のはたらきから森を捉えるアプローチは、将来、森林を守ったり、再生させたりするうえでスタンダードになっていくかもしれません。
 さらに、土壌微生物が大切となるのは、森林だけではありません。農地においても重要です。1種類の農作物だけでは豊かな土壌微生物を育むことはできません。しかし、混作をすることで、農作物の多様性が豊かな土壌微生物相を作り出すことにつながります。植物とともに豊かな土壌を育むことが、森林や農地が提供する生態系サービスを向上させ、人々の暮らしを支えることにつながるのではないかと考えています。
 参考文献
 Kadowaki K, Yamamoto S, Sato H, Tanabe AS, Hidaka A, Toju H “Mycorrhizal fungi mediate the direction and strength of plant-soil feedbacks differently between arbuscular mycorrhizal and ectomycorrhizal communities” Communications Biology 1:196 (2018) https://www.nature.com/articles/s42003-018-0201-9
 門脇 浩明、立木 佑弥『遺伝子・多様性・循環の科学:生態学の領域融合へ』(京都大学学術出版会、2019)
 Shimizu N, Tateno R, Kasai A, Mukai H, Yamashita Y “Connectivity of Hills, Humans and Oceans: Challenges of Watershed and Coastal Environments” Kyoto University Press. (2014)
 この記事を書いた人
 門脇浩明
 京都大学学際融合教育研究推進センター・特定助教/フィールド科学教育研究センター・連携助教
 2005年京都大学農学部資源生物科学科を卒業、農学研究科応用生物科学専攻にて2007年修士課程を修了。2011年オークランド大学生物科学研究科にてPh.D.(Biological Sciences)を取得後、フロリダ州立大学・京都大学での研究員を経て、2018年より現職。専門分野は、生態学(ecology)。生物多様性がどのように生まれ、維持され、失われていくのかについて遺伝子から生態系まで幅広い観点から明らかにすることに興味がある。
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