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関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
人口減少の原因は、日本と中国・韓国とは違う。
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日本民族の祖先は、数万年前の旧石器時代・縄文時代から日本列島に住んでいた日本土人であって、大陸や半島から民族大移動して侵略してきた征服者ではない。
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日本民族の歴史とは、人口増加の歴史であった。
1600年、 約1,200万人。
明治元(1868)年、 約3,000万人。
平成20(2008)年、 1億2,808万人。
日本民族の歴史には、二度はなく、繰り返しは存在しない。
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コメの国内生産量は、平均で7,000万人を養う量しかなく、よほどの天候と幸運に恵まれれば8,000万人可能である。
バブル経済時の日本農業不要論によって、日本人農家は減少し、耕作地も激減している。
都市型の農業工場は、架空の空論として失敗している。
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日本政府は、人口激減を食い止める人口回復策として、1,000万人外国人移民(主に中国人移民)受入政策を進めている。
将来の日本の人口比率は、貧しい少数派日本民族系と豊かな多数派外国由来系に二分される。
その結果、日本から数千年前からの天皇主義と民族主義は消滅し、数万年前からの日本民族所縁の歴史、文化、伝統、宗教、そして日本国語は姿を消していく。
その好例が、移民の増加で滅亡した民族系ハワイ王国である。ハワイ王国は、武器で、戦争で国を守る事を放棄し、外交で、話し合いで国を守ろうとしたが、明治日本やイギリスなど諸外国に支援を要請したが拒否され、絶対に勝てない絶望的戦争を避け、国民・民族の命を救う為に、キリスト教に改宗して伝統・文化である民族宗教を捨て、英語を公用語として民族言語を捨て、平和的に自主的に消極的に滅亡し、民族の歴史を捨てた。現代のハワイは民族の坩堝で、多様性・人種共生社会として、純粋な純潔なハワイ人は極少数で、大半が移民の子孫である。
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日本の総人口で、
過去の約5,500万人時代とは、人生40年で若者(生)が多く老人(死)が少なかった積極的人口爆発時代であった。
未来の約5,500万人時代とは、人生100年で老人(死)が多く若者(生)が少ない消極的人口激減時代である。
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2024-04-17
🍘51〗ー1・①ー日本の適正人口は明治期の人口。~No.148
2025-05-11
🍘51〗ー1・②ー日本列島の適正人口は約5,500万人。減反政策と人口抑制政策。ローマ・クラブの「成長の限界」。~No.148
2018-05-06
🍙34〗─2─GHQの人口抑制策は反天皇反日派ユダヤ人と日本人共産主義者の仕掛けた罠であった。~No.217No.218No.219 @
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2018-03-14
🍙4〗─1─国際連盟は、人口爆発を続ける日本で飢饉が発生する恐れがあると警告を発した。昭和元(1926)年。~No.11No.12No.13・ @
2025-02-15
🍙8〗─1─昭和は人口増加時代。男性平均寿命44.82歳、総人口5,973万6,822人。~No.26No.27No.28
2018-04-11
🍙21〗─4─昭和16年6月 戦争回避を目的とした幻の「ニューギニア島日本売却」提案。~No.101No.102No.103・ @
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2025-01-07
〖目次〗貼り付ける記事:日本の皇位継承と人口激減の原因はアメリカ大統領の敵意であった。2025年版。
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2025年7月8日 YAHOO!JAPANニュース 婦人公論.jp「内田樹「専門家も沈黙する人口減。対処について、歴史上に成功事例がない。今の中高生は、<どうしたらいいかわからない時代>を生きていく」
急激に進む人口減少(写真はイメージ/写真提供:PhotoAC)
進学、就職、将来設計——。いまの中高生たちは、かつて親世代が頼りにしていた「こうすればうまくいく」という成功モデルが通用しない時代を生きています。人口減少、AIの急速な進化、物価高といった激動の中で、何を指針に未来を選べばいいのか。思想家・内田樹さんは「自分が生きたいように生きればいい」と言います。答えのない時代に生きる中高生に向けた著書『どうしたらいいかわからない時代に僕が中高生に言いたいこと』より一部を抜粋して紹介します。
【書影】人口減少、AIの進化、物価高の中で、何を指針に未来を選べばいいのか?内田樹さんの著書『どうしたらいいかわからない時代に僕が中高生に言いたいこと』
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◆人口減少が急激に進む日本
日本が人口減少局面にあることは、高校生の皆さんもよくご存じでしょう。
日本は2008年の1億2808万人をピークにして、人口が急激に減りだしています。
おそらく学校の授業でも教わっていると思いますが、厚労省の試算では2100年、今から80年後の日本の人口は高位推計で6800万人、低位推計で3800万人、中位推計で4850万人です。
多分このくらいに落ち着くだろうというあたりでも5000万人を切るんです。
今から80年後ですから、皆さんのうちの何人かは生きて22世紀を迎えることができると思いますが、その時の日本の人口は5000万人を切っているんです。今から80年間で7600万人減る。年間90万人ペースです。
高齢化も進みます。2065年には高齢化率が38.4%、3人に1人は65歳以上という社会になります。
そういう時代を経由して、日本の総人口が5000万人を切る社会を迎える。
◆成功事例のない「どうしたらいいかわからない時代」へ
皆さんは今どこの学校に進学しようとか、どんな職業に就こうかとか、考えているわけですけれども、それを決める時に、一番先に勘定に入れなければいけないのは、日本はこれから急激に人口が減るという社会状況です。
短期間にこんな急激な人口減を経験した国は歴史上存在しません。だから、どうしたらいいかわからない。誰も知らないんです。
人口減の局面にどう対処したらいいか、成功事例が歴史上にはないんですから。そういう「どうしたらいいかわからない時代」に皆さんは突入してゆくんです。
そんなこと言うとびっくりするかも知れません。なぜ、そんな大事なことなのに、みんなもっと真剣に議論しないんだろうかと、疑問に思うでしょうね。
本当にそうなんです。議論しないんです。どうしてこうなったのか原因を探り、現状はどうなっているのかを調査し、どう対処するのか政策を立てるためのセンターが今の日本政府部内には存在しないんです。
この巨大な問題に対処するための政府機関がないんです。
たしかに「少子化対策」とかはあります。婚活を支援するとか、保育所を増やすとか、教育を無償化するとか、そういうことをしていますけれども、人口減というのはそんな目先の政策でどうこうなる話ではないんです。
◆自分の意志で子どもを産むことを止めている事態
人口減少は止まりません。
このことをきちんと受け止めて、それによって産業や教育や医療がどう変わるのか、きちんとした見通しを立てて、これからこうなりますよと、国民にアナウンスする必要があります。
人口減社会のあり方については、いくつかのシナリオがあり得ます。そのシナリオのうちのどれがよいかについて、国民全体で議論して、合意をかたちづくること、それが必要です。
日本列島に住むすべての人に関わる大問題なんですから。でも、この問題についての国民的な規模の議論が行われていない。メディアは時々思いついたように人口問題について報道しますが、深く掘り下げるということをしていない。
真剣に取り組んでいない。仕方がありません。政治家もメディアも、どうしたらいいのかわからないからです。
政治家やメディアに出てくる「専門家」たちは、「どうしたらいいか私は知っている」ということを前提にして自説を語るわけですけれども、人口減については「どうしたらいいか知っている」という人はどこにもいない。歴史上に事例がないからです。
14世紀から15世紀にかけてヨーロッパではペストが流行りました。この時、世界人口3億8000万人のうち1億人近くが死んだと言われています。
これが唯一の例外的な人口減です。ペストの場合だったら感染症対策で人口減は防げる。というか、感染症対策以外にすることがありません。
でも、今起きている人口減はそれとは違います。人々が自分の意志で子どもを産むことを止めている。これは人類が経験したことのない事態です。
だから、それが何を意味するのかも、それにどう対処したらよいのかも、わからない。この問題と向き合い、それに対して然るべき政策を立てるためには広がりのある想像力と論理的な思考力が必要ですが、現代の日本の政策決定者たちにはそれが欠けています。
◆中国や韓国でも同じ問題が…
でも、これは日本だけの話じゃないんです。世界の先進国で同時多発的に起きている。韓国もすでに2年前2019年に人口がピークアウトして、これから急激な人口減、高齢化局面を迎えます。
2060年には日本を抜いて、世界一の高齢社会になる。人口も現在の5200万人から16%減の4400万人になります。韓国の合計特殊出生率は0.72です。少子化が叫ばれている日本でも1.2ですから、驚くべき数字です。
そして、中国です。どうして中国政府が教育政策において、これまでとは全く違う方向に舵を切ったのか。これも人口減が理由ではないかと僕は思っています。
中国は2027年に14億人でピークを迎え、それから急激な人口減少と超高齢化時代を迎えます。
年間500万人ペースで人口が減ります。生産年齢人口、15歳から64歳までの人が2040年までに1億人減り、代わりに65歳以上の人口が3億2500万人にまで増える。
中国は1979年から2014年まで35年間にわたって「一人っ子政策」を実行していましたから、人口構成がひどくいびつになっています。男女比も均等ではありません。
一人っ子では、圧倒的に男性の方が多い。だから、この年齢層の男性たちは配偶者をみつけることが難しくなります。高学歴高収入でないと、なかなか相手が見つからない。
一人っ子の男性で、配偶者がいない人の場合、親が死ぬと、妻も子も兄弟姉妹もいない天涯孤独の身となります。
この人が困窮した場合に、誰が支援するのか。これまでそういう場合のセーフティネットとしては中国社会には親族ネットワークがありました。生活が苦しくなったら、親族を頼ることができた。
でも、一人っ子政策と人口減で、その親族ネットワークそのものがなくなった。中国には日本のような社会福祉制度が整備されていません。
※本稿は『どうしたらいいかわからない時代に僕が中高生に言いたいこと』(草思社)の一部を再編集したものです。
内田樹
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2023年2月15日 YAHOO!JAPANニュース 婦人公論.jp「内田樹「人口減の日本は〈都市集中〉に舵を切った」そこまでして資本主義の延命を図らなければならないのか?
君たちのための自由論 ゲリラ的な学びのすすめ
内田樹 思想家、武道家(合気道7段)、神戸女学院大学名誉教授、凱風館館長
今の日本の政府と産業界はすでに「都市集中シナリオ」に向けて舵を切っています(撮影・中森健作)
マリ共和国出身のウスビ・サコさんは、2018年4月から2022年3月まで京都精華大学の学長を務めながら「自由論」という講義を担当。武道家でもあり思想家の内田樹さんがゲスト講師として登場することもあり、若い人たちが「大化け」するアドバイスとメッセージを伝えてきました。内田さんが行った講義より、人口減の日本で今後起きること、さらに将来の道をどのように選べばいいのかを語った内容の一部をご紹介します。
選択肢は二つあるようでいて、ひとつしかない
内田 これからの人口減日本はどういう道を選ぶべきでしょうか。
選択肢は二つしかありません。日本列島津々浦々に人も資源も離散して、どこでも生業が営めるようにするという「地方離散シナリオ」と、都市部に人口を集中させ、それ以外の土地は無住地化するという「都市集中シナリオ」の二つです。
今の日本の政府と産業界はすでに「都市集中シナリオ」に向けて舵を切っています。「人口減局面であっても経済成長する」という資本主義からの厳しい要請に応えるためには「人口過剰地域」と「人口過疎地域」を人為的につくり出すしか手立てがないからです。
首都圏に全人口を集め、それ以外の土地は過疎地・無住地として見捨てる。そうすれば、仮に人口が5000万人まで減っても、東京は今と同じように人間が密集して暮らし、経済活動も活発に行われるでしょう。資本主義はそうすれば延命できる。
ただし、「都市集中シナリオ」を選択した場合には、都市部から一歩外に出ると、そこではもう生活できなくなります。物流のための幹線道路や鉄道だけは通っているでしょうけれど、一般道路にはもう管理コストを投じませんから、橋は落ちたまま、トンネルは崩れたままです。
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6月5日 MicrosoftStartニュース kangnamtimes「【統計開始125年で初】日本の出生数が70万人割れの衝撃、予想より15年早い少子化加速で「危機的状況」
有馬侑之介
引用:Depositphotos
昨年、日本の出生数が統計開始以来初めて70万人を下回ったことが明らかになった。女性1人が生涯に産む子どもの推定人数「合計特殊出生率」も1.15で、過去最低を記録した。
厚生労働省が4日に発表した「2024年人口動態統計」によると、昨年日本で生まれた日本国籍の新生児数は68万6,061人で、前年比4万1,227人(5.7%)減少したという。9年連続の減少で、1899年の統計開始以来初めて70万人を割り込んだ。出生数は全都道府県で減少した。
国立社会保障・人口問題研究所が2023年4月に公表した2024年の将来人口推計では、出生数が68万人台に落ち込むのは2039年と予測されていたが、実際には15年も早まった。合計特殊出生率は1.15で、前年より0.05ポイント低下し、1947年の統計開始以来最低を更新した。
一方、昨年の死亡者数は160万5,298人で、前年より2万9,282人増加し、過去最多となった。これにより、死亡数が出生数を上回る自然減は91万9,237人となり、前年より7万509人増加して過去最大を記録した。
また、昨年の婚姻件数は48万5,063件で、前年より1万322件増加したものの、過去10年間で15万件以上減少している。
日本人の出生数が初めて70万人を下回ったことについて、厚生労働省は「若年層の減少、晩婚化、高齢出産などが主な要因で、急速な少子化に歯止めがかからない危機的な状況」との見解を示した。
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4月29日 YAHOO!JAPANニュース プレジデントオンライン「そりゃ子供が増えないわけだ…給付金をバラまいてきっちり搾り取る日本を襲う「人口8000万人減」という未来
日本人はなぜ、結婚も子供も望まなくなったのか。独身研究家の荒川和久さんは「『将来世代のために』と政府が国民負担率をあげるほど、出生数は減り将来世代が生まれないという皮肉な状況になっている」という――。
【図表をみる】出生数・死亡数 長期推移と推計
■「将来世代のため」の政策が今を蝕む皮肉
「将来世代の負担を増やさないために……」
これは、政治家がよく減税に反対する際に使う枕詞です。一見もっともらしく聞こえますが、この20年間の国民負担率の上昇を振り返ると、結果的には将来世代の負担を増やし続けてきただけのように思えます。
もちろん、ツケを先送りしないことは大事ですが、そもそも昭和の人口増加前提の社会で通用した話を、少子高齢化の人口構造と人口減少必至の令和にあてはめ続けること自体がもはや無理筋ではないでしょうか。
人口は確実に減少します。何をどうしようがそれは確定しています。
「2100年に日本の人口は6000万人になる(正確には6278万人)」という報道などを見聞きした人もいるかもしれませんが、あれは国立社会保障・人口問題研究所(社人研)による中位推計によるものです。しかし、この中位推計の数字は過去も含めて的中したためしがありません。だからといって推計がいい加減であるというのではなく、出生数でいえば1997年の低位推計通り、2019年までのコロナ禍まで寸分違わず推計が的中しています。2024年の出生数も低位推計では69万人としており、ほぼ実態と合致しています。
■2100年の人口は大正時代とほぼ同じ5000万人
一方、死亡数は今まで中位推計通りに推移してきましたが、2022年以降は高位推計寄りに増えています。よって、今後の人口を考えるにあたっては、出生低位・死亡高位の推計に基づいてみるのが妥当です。それに基づけば、2100年の総人口は6000万人どころか4956万人となります。これは大正時代の1915年の人口とほぼ一緒です。
人口減少というと、「少子化をなんとかしないと」という話が出ます。もちろん出生数が減ることも人口減少の一因であることは確かですし、昨今の急激な出生減には何らかの手立てが必要ではありますが、とはいえ、出生数が多少改善したところで何も変わりません。というのも、これから起きる人口減少は少子化によってではなく「多死化」によって生じるものだからです。
ここで、明治時代からの日本の出生数と死亡数および出生数から死亡数を引いた自然増減の推移を確認しておきましょう。前述した通り2025年以降は出生中位・死亡高位推計を使用します。
■今後50年で「8000万人が死亡する」衝撃の試算
グラフに示した通り、戦後、2度のベビーブームで出生数の増大があり、それがさらなる人口増に寄与したことは確かですが、それと同時に医療の発達や栄養面の充実などにより、乳幼児死亡率が大きく改善されました。生まれた子が乳幼児のうちに死ななくて済むようになった。これが死亡数の減少につながりました。加えて、医療の発達は高齢者の死亡も減少させ、「少死」期を作り、これが長寿国日本を作り上げることになったのです。
しかし、人間は不老不死ではありません。長寿化したといってもいつかは亡くなります。1990年代以降出生数が減少し続けるのと並行して、死亡数は増え続け、遂に2005年に死亡数が出生数を上回る自然減状態に突入し、今に至ります。これが「少産多死」時代の幕開けでした。これは日本に限らず、やがて世界のどの国でも同様の人口転換メカニズムとして表出します。
人口動態速報から確定値としての日本人死亡者数を類推すると、2024年の死亡数は160万人を突破します。年間160万人死亡というのは、統計の残らない太平洋戦争期間中を除けば、日本の有史以来最大の死亡数となります。
しかし、この年間死亡160万人が、今後少なくとも25年間継続します。また、160万人とはいわないまでも年間150万人以上の死亡が2071年まで約50年続くことになります。
2024年から2073年までの50年間の総死亡者数は約8000万人です。今の1億2000万人の人口のうち、約3分の2がいなくなってしまうのですから人口減少は必至です。
■「人口8000万人維持」という危険な幻想
つまり、今日本はまさに「少産多死社会化による人口減少」に突入しているのであり、この状態が少なくとも50年以上は続くという不可避な現実と向き合わなければならないのです。言い換えれば、「現状維持はできないという前提に立つ」必要があります。
2024年1月に人口戦略会議が「人口ビジョン2100」なるものを提唱しました。主旨は2100年に人口8000万人を維持するというものです。が、それを実現させるためには、2060年までに出生率2.07を達成しないといけないという実現不可能な計算です。できもしないことを堂々と言うのは勘弁してほしいものです。
よく危機として引き合いにだされるのが、老年人口指数で、これは15〜64歳までの現役世代1人あたりでどれくらいの65歳以上の高齢者を支えないといけないかという話です。1960年には現役11.2人で高齢者1人を支えていたものが、今後は現役1人が高齢者1人を支えないといけない肩車型になると言われています。
しかし、これはあくまで年齢で機械的に区分けしたものに過ぎず、現役世代でも何らかの事情で働けない人もいるし、高齢世代でもバリバリ元気に働いている人もいます。
人口減少必至のこれからは、年齢ではなく「働ける人が働けない人を支える」という視点(就業人口依存指数)に切り替えていく必要があるでしょう。
■負担増で「働くだけ損」の風潮が蔓延する
この就業人口が非就業人口を支える指数でみると、2024年時点で1.6人の就業者が1人の非就業者を支えています。これは、1.4人以下だった2000〜2005年の氷河期より増えています。女性や高齢者の就業率が増えたことによりますが、もっと以前の1968年は1.9人でした。ちなみに、65〜69歳の男性就業率は2024年の63%より67%だった1968年のほうが高かったという事実もあります。そもそものポテンシャルはあるのです。
ところが、現状はどうでしょう。働く世代に対する負担ばかりが増え、むしろ「働くだけ損」という風潮すら広がっています。それもそのはずで、政治家は「将来世代のために現役世代の皆さんには等しく負担をいただく」などと言い続け、財務省が発表した2025年の国民負担率(税金と社会保険料が占める割合=編集部註)の見通しは46.2%です。ネット上では「五公五民」などと揶揄されてもいます。
国民負担率は1990年代と比較すれば40%近く増加しています。ただでさえ手取りがあがらない中で昨今の物価高により生活が苦しいと感じる人は増えているでしょう。将来世代の負担を云々する以前に、今の現役世代そのものがその負担の大きさに潰されようとしています。
■国民負担率が上がるほど婚姻・出生は減る
加えて、国民負担率があがればあがるほど、若者の結婚と出生も減ります。国民負担率が40%増加したことに連動して結婚や出生は40%減少しているわけです。将来世代のためにと国民負担率をあげることが、結局その将来世代を生み出さないことに絶大な効果を発揮しているというのはなんという皮肉でしょう。
国民負担率がこれほど急上昇した理由は、政府の「配るけどその分まきあげる」という体質にあります。旧民主党が「控除から給付へ」などと言い、年少扶養控除を廃してこども手当を給付した例が典型ですが、その後も幼保無償化、教育無償化などと一見子育て支援の体で給付しているようで、その分きっちり回収されています(〈だから日本の若者は結婚も子供も望まなくなった…子育て支援策は3倍に増えたのに出生数は30%も減った理由〉参照)
所詮、給付といってもそれは元々国民の税金によるものであり、「後で回収するなら最初から取るな」と言いたくもなるでしょう。
4月に入って、政府が物価高対策のために現金給付をするという話が出た際に、多くの国民が「給付なんていらない」と拒否反応を示し、「だったら減税して」と反応したのは、まさしく今までの政府の朝三暮四のやり方にうんざりしているからです。
■「今を生きる人」を大切にしない国に未来はない
いずれにしても、多死化による人口減少は止まらない。しかし、悲観的にとらえても何も解決しません。この多死人口減少は、ある意味では現状の歪な逆三角形型の人口ピラミッドが補正されていくことでもあります。逆三角形型が将来的に各年代とも均衡な長方形型に変われば、人口が増えも減りもしない静止人口に落ち着きます。ただし、その間の、特にこれからの50年間は耐え抜かないといけない時期になります。
だからこそ、今は現役世代の活力を喚起することが最優先になります。人口が減るから現役世代の負担を増やすなどという人頭税のような考え方ではどうにもなりません。むしろ現役人口が減るからこそ、一人一人の手取りを増やし、今まで以上に消費をして、経済をより活性化させていく必要があります。
そう考えれば、働く人が「働き損」などと感じるような国民負担増は悪手でしかなく、年齢にかかわらずそれぞれの働く人が働いた分経済的に報われ、不安なく活き活きと毎日を送れるよう手立てを講じてほしいものです。それが結果として若者の心の余裕を生み出し、結婚や出生の増加にも寄与する真の少子化対策となるでしょう。
人口が減り続けるこれからの50年はまさに大きな転換期です。「将来のために」などとキレイ事を言っても、まさに今が潰れてしまえば将来は永遠にやってこない。未来は今の連続でしかないのですから。
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荒川 和久(あらかわ・かずひさ)
コラムニスト・独身研究家
ソロ社会論及び非婚化する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。海外からも注目を集めている。著書に『「居場所がない」人たち 超ソロ社会における幸福のコミュニティ論』(小学館新書)、『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』(ぱる出版)、『結婚滅亡』(あさ出版)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『超ソロ社会』(PHP新書)、『結婚しない男たち』(ディスカヴァー携書)、『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(中野信子共著・ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。
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