🌈12)─2─日本人なら知っておきたい日本の伝統文化。伝統的風習には意味がある。〜No.24 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 日本の伝統文化とは、日本民族の固有文化である。
 日本の伝統的風習の多くは、世界では非常識に近い。
 日本の伝統文化も伝統的風習も、神話宗教や自然崇拝を起源とするものが多い。
 日本社会の基層にあるのは、民族宗教である。
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 令和6年2月号 正論「桑原聡 この本を見よ
 『日本人なら知っておきたい日本の伝統文化』 吉村均著 ちくま新書
 伝統文化は、その民族が暮らす自然環境のなかで発生し、宗教の影響を受けて生成されて変容を遂げていった。たとえば秋田のナマハゲ。なぜ日本人はこのような恐ろしい存在を迎え入れ、もてなし、再び送り返すということをやってきたのか。それは日本人が台風、地震、火山の噴火といった自然災害に絶えず襲われてきたからだと著者はいう。日本の美しい四季のイメージは、平安時代の『古今和歌集』において定まった。それはあくまでも理想化されたものであり、実際の自然は、日本人に甚大な被害をもたらしてきた。ただ、気紛れな自然なしには農業は成り立たない。それゆえ、《日本人は自然の力を人間の世界の外に排除して、その代償として、決まった日に来てくれたら、歓迎してもてなし、送り返すまつりをおこなう必要があった》のである。
 そもそもカミとは何か。著者は本居宣長の『古事記伝』から『世常(よのつね)ならず、すぐれたる徳(とく)のありて、可畏(かしこ)き物をカミとは云(いふ)なり』の一節を紹介する。『すぐれたる』というと、現代ではいい意味にしか使われないが、もともと『悪い・奇しい』という意味も含んでいる。すなわち『可畏き物』=『恐れかしこまるしかないもの』がカミの基準になっているのだ。ここで著者は重要な指摘をする。《これは客観的な基準ではなく、主観的な捉え方で、言い換えれば、何がカミであるかは人によって変わってくるもの》だったというのだ。
 『日本書紀』によると仏教の伝来は552年のこと。百済聖明王から日本の天皇に仏教を勧める手紙が送られてきて、それに仏像や経綸が添えられていた。当時の日本は豪族の連合体であり、それぞれがそれぞれのカミを祀っていた。聖徳太子は、仏教の持つ普遍性(哲学性)に着目し、仏教に基づく統一国家の建設を目指した。憲法十七条はその理想を端的に示したものだった。
 人間は自分の知覚が捉えていることが『現実』であると疑うことがない。仏教は、その捉え方から解放されない限り、一時的に満足することはできても、苦しみから解放されることはないと説く。他者に対して腹を立てることは、自分の捉えているものが『現実』だと疑っていないからだ。
 かくしてわが国においては仏教が土俗的なカミと混淆(こんこう)してゆく。そうしたなかで、仏教伝来以前からの伝統文化は変容し、さらに新たな伝統文化が発生する。ヒンドゥー教、仏教、道教神道など様々な背景を持った七福神の顔ぶれがそれを端的に表している。明治維新のさいの神仏分離まで、僧がカミのためにお経を唱えるのはごく普通のことだったのだ。
 本書は明治維新における神仏分離と教育制度で、伝統文化の本来の意味を見失ってしまった我々に貴重な示唆を与えてくれる。」
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 3月11日 YAHOO!JAPANニュース リアルサウンド「成人式はなぜ荒れる? 都市伝説が語られるのは? 身近なギモンを民俗学から紐解く『現代民俗学入門』
 『創元ビジュアル教養+α 現代民俗学入門 身近な風習の秘密を解き明かす』(創元社)が2024年3月11日に刊行された。「なぜトイレにはスリッパがあるの?」「福袋ってそもそも何?」そのヒントは、民俗学にある。民俗学の知識を使って、ネット上の美談からLGBTQIA+まで、現在の世の中の各所に潜むいろいろな疑問や話題を取り上げ、豊富な図解とともにわかりやすく紹介する。
 【写真】「火葬場で「箸渡し」をするのはなぜか?」『現代民俗学入門』試し読み
 民俗学現代社会でも使える、生きた学問。地鎮祭は何のためにするのか?お中元やお歳暮とは何か?成人式はなぜ荒れるのか?火葬場で「箸渡し」をするのはなぜか?ネットロアはなぜ生まれるのか?など、身近で興味深いテーマを民俗学の観点からわかりやすく、楽しく学ぶことができる一冊だ。
 編者の島村 恭則氏は、「この本は、みなさんに民俗学の面白さを伝えるために書かれました。ふだん何気なく行っている「ルーティン」(習慣的な行動)。他愛のない「うわさ話」。効果があるかどうかはわからないけれど、とりあえずやってみる「おまじない」。「仲間内にしか通じない言葉」。これらは、みんな〈俗〉です。この本では、そうした発見の中から、「これは!」と思うものを取り上げ、豊富な図版とわかりやすい文章で、みなさんに紹介していきます。」と語る(編者序文より抜粋)。
 伝統的な風習からネットミームまで、身近な文化を民俗学で理解する『現代民俗学入門』。ぜひチェックしてみよう。
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