⛩46)─1─江戸の屋敷神。地神。~No.109No.110 

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   ・   ・  {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博} ・   
 東京には、全国の神仏を祀る寺社仏閣が集まっている。
 江戸時代。大名は、参勤交代で江戸に滞在が長かった為に領地の神仏を祀り祈るべく分霊し、神は屋敷神とし社を建て、仏は江戸菩提寺に納めた。
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 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
 屋敷神 やしきがみ
 屋敷の一角または屋敷の付属地域に祀られている神。一般に屋敷と土地を守護する神とされる。現在最も多くみられるのは,各家に祀られる屋敷神であるが,原初的な型は,本家にある屋敷神をその一族が守護神として祀るものであった。一族の結合がゆるんで,本家を中心とする旧家だけで祀る形となり,分家が独立して次第に各戸で祀るようになった。屋敷神の祭りは,春は旧暦2月,秋は旧暦 10月または 11月に行われるのが通例で,田の神,山の神交代の時期と一致する。また祭神を家の開拓先祖とか祖霊とする場合もあり,祖霊信仰との関連を示している。
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 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
 屋敷神 やしきがみ
 宅地内の一隅や宅地続きの小区画に祀(まつ)られている神をいう。屋敷神というのは学術語であって、実際には地方ごとにさまざまな呼称が行われている。祭神としては、全国的にみて稲荷(いなり)が優勢であるが、そのほか神明(しんめい)、祇園(ぎおん)、熊野(くまの)、天王、白山、八幡(はちまん)、山の神などさまざまである。このような祭神の雑多性は、勧請神進出の事実を示すとともに、修験(しゅげん)、巫女(みこ)、念仏など信仰伝達者の活躍を物語るものと考えられる。
 次に祭祀(さいし)者の範囲という観点からみると、屋敷神には次の三つの類型が指摘できる。(1)村落内のほとんど各戸で屋敷神を祀る型で、これを「各戸屋敷神」とよぶ。(2)村落でも特定の旧家・本家筋に限って祀る型で、これを「本家屋敷神」とよぶ。(3)本家の屋敷神を同族が参加して祀る型で、これを「一門屋敷神」とよぶ。この三つの類型は、いずれも全国的な規模で分布している。この三者の関係については、一門屋敷神の祭祀組織がもっとも古い形で、それが同族結合の崩壊、分家群の脱落によって、本家屋敷神へ移行するとともに、分家の実力が台頭し、家意識が高まり、同族結合の枠が崩れることによって、各戸屋敷神へ分化する傾向をたどったものと考えられる。屋敷神の神格については、一般神、自然神を祀るとする土地も多いが、また祖先神を祀るとする土地も広い分布を示している。ことに家代々の死者が屋敷神になるとの伝承があったり、屋敷神と墓との密接な関係を示す資料も少なくない。そこで屋敷神の祖霊的性格ということが、大きな問題になってくる。[直江広治]
 『直江広治著『屋敷神の研究』(1966・吉川弘文館)』
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 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
 地神 じがみ
 日本の農村で特定の集団と関係する縁起をもち,特定の土地に祀られる機能神の総称。祖先信仰を基盤に,歴史的地域的に多様な信仰と結びついて発展をとげた全国的規模の信仰であるが,呼称は地方によって異なる。信仰内容から次の3種に類別することができる。 (1) 1村または1集落単位の地縁集団が,土地の守護,農耕の神として祀る。包括神的性格をもち,村の辻や神社の境内などに祀り,春秋の彼岸を祭日とする。地神講と称する講を組織する地方もあり,順番に宿をして祭りを行うこともある。 (2) 特定の家の田畑などに祀り,その田や畑を開拓した人を地神とするもの。田畑の守護神であると同時に,その家の開拓先祖として信仰されることが多く,祭場を屋敷内におき屋敷神としての機能をもつことがある。 (3) 家人が死んで 33年を経過すると,地神と呼ぶ祖先神になるというもの。多くは屋敷の一隅に常設の祠 (ほこら) やわらでつくった仮屋に祀る。
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 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
 地神 じがみ
 「じのかみ」「じちんさま」ともいう。土地の神、百姓の神、農業の神として信じられているが、その神格は複雑である。屋敷神として祀(まつ)られている例も多く、藁宮(わらみや)をつくり毎年新藁で葺(ふ)き替えている。地神講という講で祀っている所が多く、春秋の社日(しゃにち)を祭日としている。宿に集まって地神の掛軸を掛け、御神酒(おみき)、赤飯、そばなどを供えて祀っている。この日は農作業は休みとし、鍛冶屋(かじや)が鍬(くわ)、鎌(かま)などの農具を売りにきた所もあった。地神は農神(のうがみ)として、田の神と同じく去来伝承が語られている。大分県日田(ひた)市地方では2月サジの日(社日)に作神様が天から降(くだ)り、秋のサジの日に天に昇るという。神が降ると暖かくなり、去ると寒くなるといわれている。埼玉県や静岡県には、人が死んで三十三回忌を終えると地神様になる、という先祖の神としての信仰がみられる。鹿児島地方などには地神を同族神のように考えている例がみられる。11月に同族が祭を営んでいる。奈良県吉野郡十津川(とつかわ)村の玉置川(たまいがわ)地区では、家を建てるとき屋敷を守る神として、地の神を山伏に頼んで屋敷の真ん中に封じ込んだという。各地の地神には、堅牢(けんろう)地神とか地神塔とかの文字を彫った石神がみられる。[大藤時彦
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