💎12)─1─天皇家・皇室の私有財産は相続税と贈与税で奪われていく。~No.34No.35No.36 ⑦ 

天皇家の経済学 あなたの知らない「天皇家」お金の秘密

天皇家の経済学 あなたの知らない「天皇家」お金の秘密

  • 作者:吉田 祐二
  • 発売日: 2016/01/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2017年6月16日号 週刊ポスト「[もうひとつの『皇位継承問題』]終戦後に37億円あった資産はいまや6億円以下に・・・
 天皇家が『相続税』を払えなくなる日
 『生前退位』で巨額の贈与税が発生する!?
 『三種の神器』や天皇肖像画は非課税
 外国から贈られた美術品や宝物は課税
 どんな基準で決まっているのか?
 眞子内親王の婚約報道に際し、ご結婚時に1億円を超える一時金が払われるが話題になった。そんな中、政府や有識者が意見を戦わせてきた『生前退位』をめぐる議論においても、皇室の財産をめぐる議論が浮上したというのだ。
 これはもうひとつの『皇位継承問題』である。
 昭和天皇は33億円納めた
 5月19日、政府は天皇生前退位を一代限りで認める特例法案を閣議決定。さらに30日には女性宮家創設に関しても、『検討』を明記した付帯決議案を自民・民進両党で合意した。
 女性宮家創設の議論が大きな進展を見せた事で、今後は18年末に実現が検討されている生前退位に向けてスムーズに事が運ぶように思われたが、ここにきて別の課題が浮上している。
 『47年の皇室典範制定以来、生前退位が行われるのは初めてなので、今上天皇から皇太子への〝財産の継承〟をどうするべきかについても議論が出てきた。というのも、天皇ならではの財産をめぐる税制上の問題が発生するからです』(皇室担当記者)
 どういうことか。
 あまり知られていないが、天皇家私有財産を継承し続け、その都度、多額の税金を納めてきた歴史がある。この生前退位が、さらなる税の懸案となる可能性があるというのだ。
 歴代天皇が継承してきた『三種の神器(鏡・剣・勾玉)』や歴代天皇肖像画など、〈皇位とともに伝わるべき由緒ある物〉を『由緒』といい、これらにかかる相続税相続税法の規定により非課税となっていた。
 今回は生前の継承となることから『贈与税』の扱いになるが、政府の有識者会議は、相続税と同様お対応が妥当と判断。4月21日の最終報告で、三種の神器などの贈与税を非課税とすべきとした。
 しかし、由緒物以外の財産はこれに当てはまらない。
 『金融資産、外国から贈られた美術品などの私有財産は課税対象となる可能性があり、相続税より控除額が少ない割高な贈与税が発生することが予想されます』(同前)
 ここで天皇家の財産の歴史について振り返ってみる。
 戦前、皇室財産は国家財政と分離しており、全国規模の林業経営などで莫大な利益を上げた。三井、三菱などの大財閥を優に超える資産を形成していた。
 終戦直後の45年11月、GHQ(連合国軍総司令部)は『天皇は世界有数の財閥であり、ただちに財産税賦課によって適切に処理されるべき』として、皇室財産の解体に着手した。GHQによる評価、弾き出された昭和天皇の財産は37億1,563万円だった。
 主な内訳は、皇居や赤坂御用地といった土地(7億7,263万円)、宮内庁舎などの建物(2億3,414万円)、皇室所有の御料林の木材である立木竹(りゅうぼくちく。16億3,976万円)、美術品(4億4,949万円)、有価証券(2億2,012万円)、現金貯金(5,500万円)などとなっている。
 GHQによって評価された天皇家の財産はいきなり大半が消えることとなる。
 資産1,500万円超の財産所有者には90%もの『財産税』が課せられることになり、昭和天皇は33億4,268万円を納めることになったのだ。
 さらに新しく制定された憲法では、〈すべて皇室財産は、国に属する〉ことが定められ、皇室による不動産保有は禁じられた。皇居など天皇家が使い続けるものは国有財産へと移管された。その結果、昭和天皇私有財産は、『何か大きな出費に備えるため』という名目で金融資産1,500万円が残されたほか、由緒物の美術品と宝石、身の回りの品だけになってしまったのである。
 バブルで20億円に
 それから40数年後、昭和天皇崩御した89年、驚きの事実が明らかになる。その資産は約20億円まで増えていたのだ。
 皇室経済に詳しい成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科教授の森暢平氏が解説する。
 『主に要因は株式投資など資産の積極運用です。昭和天皇が自ら運用していたわけではなく、天皇家には「経済顧問」という私的なアドバイザーがいます。特に高度経済成長期には大いに資産を増やしたことでしょう。その背景には、昭和天皇の代替わりの儀式の費用面の懸念がありました。当時は公費で賄えるかどうか不確定な面があり、天皇宮内庁幹部が私有財産から支出しなければならない事態に備えたのです』
 結果的に、総額42億円ともいわれる代替わり儀式は国費で行われたため、昭和天皇の懸念は杞憂だったというる。
 約20億円の昭和天皇の遺産のうち、葬儀費用の一部と日本赤十字社への寄付5,000万円を差し引いた上で債務を整理し、課税遺産額は18億6,911万円となった。
 皇室ジャーナリストの山下晋司氏が言う。
 『今上天皇以外のお子さま方は相続を辞退されたため、2分割した9億3,455万7,000円ずつを、香淳皇后今上天皇が相続されました。さらに2,500万円ずつを「長寿科学振興財団」に寄付されたため、実際の相続額は9億955万7,000円。今上天皇は約4億2,800万円の相続税を納め、差し引いた5億円弱を相続されました』
 配偶者控除により相続税が非課税となった香淳皇后は00年に逝去。遺産は今上天皇が相続したが、その額は、公示対象(一人あたり2億円以上)を下回ったとして、公示されなかった。
 『約9億円もあった香淳皇后の遺産が激減したのは、バブル崩壊によって所有株が軒並み下落したことが要因だと見られています』(前出・森氏)
 今上天皇香淳皇后から引き継いだ遺産は、相続税を差し引けば多くても1億円以下と見られる。昭和天皇の遺産5億円と合わせて、多く見積もっても計6億円に満たないと考えられる。
 終戦時に37億円以上あった天皇家の財産が、昭和天皇香淳皇后崩御後に6億円以下、およそ6分の1まで減ったことになる。
 皇太子が払う贈与税は3億円?
 天皇家には私的費用に使用される『内廷費』が毎年支給される。96年以降は3億2,400万円で固定されている。そこから『内廷職員』と呼ばれる私的雇用人の給与や食費、被服費、研究経費、私的な交際費、神事に関する経費などが支出され、残りを貯蓄することも可能。だからといって潤沢な貯蓄ができるわけではなさそうだ。
 皇室事情に詳しいライターの金原好紀氏が言う。
 『様々な費用を差し引くと、天皇家5人が自由に使えるお金は全体の11%ほどで、3,000万円程度と言われています。ここから一部を貯蓄に回すこともあるでしょうが、様々な出費も考えられるので、多額の貯蓄ができるとは考えづらい。なにより毎年、年度初めに宮内庁の「内廷会計審議会」で予算が決められるため、使い切りが〝建前〟となっています』
 内廷費の余剰分は考慮せず、『6億円』の贈与税税理士法人トゥモローズの税理士・大塚英司氏に試算してもらった。
 『生前退位時に皇太子お一人が6億円を継承した場合は、約3億2,000万円の贈与税がかかる計算になります』
 つまり、財産は約2億8,000万円まで減少することになる。さらに今後、秋篠宮悠仁親王へと継承していく中で、財産は減り、重い相続税だけがのしかかるという事態が続くことが予想される。
 『04年末に亡くなられた高松宮妃喜久子さま(大正天皇の第三皇男子である高松宮宣仁親王妃)の遺産は約18億6,000万円で、4人の親族が合計約7億9,000万円の相続税を払った。喜久子さまは、相続された遺産とは別の身の回りの家具や美術工芸品など約600点を宮内庁に寄贈しており、相続税はいくらか圧縮されたはず。天皇家私有財産については同様の〝節税〟は可能だ』(宮内庁OB)
 相続税を払うのに苦慮する天皇家の姿など国民は望んでいないはずだ。
 前出の森氏が言う。
 『皇族の方々は臣籍降下しない限り、衣食住は一生保障されていますし、老後に備えて貯蓄をする必要もない。相続税にお悩みになるくらいならいっそ財産をなくしたほうがいいのではないか。いずれにせよ、財産と税の問題はもっと議論されるべきだと思います』
 生前退位同様、戦後70年間見直されなかった皇室典範の影響がこんなとこにも出ていた」
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 日本国憲法
 第一章 天皇
 第一条  天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
 第二条  皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範 の定めるところにより、これを継承する。
 第三条  天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。
 第四条  天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
 ○2  天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。
 第五条  皇室典範 の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。
 第六条  天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
 ○2  天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。
 第七条  天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
 一  憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
 二  国会を召集すること。
 三  衆議院を解散すること。
 四  国会議員の総選挙の施行を公示すること。
 五  国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
 六  大赦、特赦、減刑刑の執行の免除及び復権を認証すること。
 七  栄典を授与すること。
 八  批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
 九  外国の大使及び公使を接受すること。
 十  儀式を行ふこと。
 第八条  皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。
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 共産主義者は、戦前から、一貫して天皇制度廃絶・天皇家・皇族消滅を目指して行動している。
 戦前の治安維持法は、そうした反社会的な共産主義者・反政府主義者を不敬罪や反逆罪で取り締まる法律であった。
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 天皇家・皇室の私有財産は、生前退位贈与税と皇族結婚の贈与税崩御の遺産相続税で激減していく。
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 敗戦によって破綻した日本は、放出された天皇家・皇室の私有財産によって国家再建と経済復興を成し遂げ、国民は塗炭の苦しみから救われた。
 それは、昭和天皇の英断のお陰である。
 日本国家と日本民族は、天皇家・皇族に幾度も助けられてきた。
 皇室の国際赤十字新月運動。
 昭憲皇太后基金
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 天皇家・皇族の私有財産は、イギリス王家の様に海賊行為と奴隷貿易で得た公益財産でもなく、オランダ王家など緒王家の様な植民地支配で得た略奪財産でもなく、中国や朝鮮の中華圏王家のような侵略戦争で獲得した強奪財産でもなく国民に重税を得た搾取財産でもなかった。
 さらには、共産主義者の人民の大義で大虐殺し没収した巨万の財産でもなかった。
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 天皇家私有財産は、国家の国力で比べた時、世界の王侯貴族の中で貧しい部類に入る。
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 日本人富裕層は、天皇家と比べものにならない程の多額の私有財産を持っているが、法律に縛られ国事行為や公的行為を強制される天皇家・皇族とは比べものにならない程に、自由な私的生活を楽しんでいる。
 あの手この手と合法的な節税や犯罪的な脱税・隠匿などをして、私有財産を守っている。
 彼らは言う、誰も、天皇家・皇族にそうしてくれとは頼んではいない、止めたければ止めても構わない、どうでもいい事で自分には関係ないと。
 彼らにとって、祖先が生きてきた民族の歴史や祖先が生み出し伝え残した民族の伝統文化は、金儲けに役に立たなければ無価値として興味も関心もなかった。
 同じ金持ちでも、現代の富裕層・資産家と昔のお大尽さん・素封家とは違う。
 欧米の資産家・富裕層は、キリスト教の「富める者は貧しき者に富の一部を恵む」という教えに従い、私有財産の一部を寄付し、率先して慈善活動・奉仕活動を行う。
 日本の資産家・富裕層は、冷淡・薄情にも、そうした人道的行為をする事は少ない。
 その違いは、死後の世界の平穏を求める普遍的な伝統宗教・信仰を持っているかどうかである。
 日本人の多くは、自分で公言するとうり無宗教無神論であり、死ねば全て消えてなくなり、死後の世界はないと信じていない。
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 日本人は、史実が伴わない時代劇は好きだが史実通りの歴史劇は嫌いである。
 つまりは、日本人は歴史が嫌いなのである。
 歴史が好きだと言っても、日本民族史より中国史や欧米史の方を好む人の方が多い。
 「歴史を教訓にしろ」あるいは「歴史に学べ」といった時、その歴史は、大概、日本民族史ではなく中国史か欧米史である。
 「賢者は歴史を学ぶ」と知ったか振りで高説を垂れる一部の日本人知識人の話を傾聴しても、何ら役に立たない。
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 現代の日本人は、金儲けの損得勘定で忘恩の徒と成り下がりつつある。
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 国は、国家の借金が1,000兆円を超え2,000兆円に向けて急速に膨張しつつあ為に、「税の公平性」の原則に従って如何なる聖域を認めず、取れる所から問答無用で税金を徴収しようとしてる。
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 私有財産は、遺産相続税で例外なく3代目にはなくなると言われている。
 それは、天皇家・皇族も例外ではない。
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 如何に民族の歴史や民族の伝統文化を大事に守っても、膨れあがる国の借金を減らす事はできない。
 国家の借金を返す為には、「背に腹はかえられず」、天皇家・皇族の私有財産にさえ課税する。
 天皇は、憲法・法律で制限された「統合の象徴」という人間であって、超法規的に守られた神聖不可侵の「国家元首」ではないからである。
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 天皇家・皇族に対する意識は、戦前までの日本人と現代の日本人とは異なる。
 現代人が口にする天皇家・皇族への親和性や崇敬が、必ずしも本音とか限らない。
 日本人は、本音と建て前を使い分ける、本心が分からない人間である。
 考慮する検討するといった時は、何もしない。
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 納税者である国民は、例外なき聖域なき「税の公平性」を求めている。
 それは、アメリカが対日懲罰政策として戦犯国日本に科した科料であった。
 その隠れた意図は、天皇家・皇族の私有財産を奪い天皇位を消滅させる事であった。
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 公私を分ける原則に従えば、私的行為費用は私有財産で賄う事が原則となっている。
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 貧困化する国民は、貧富の格差是正として、富裕者へのさらなる課税を求めている。
 その厳しい目は、法律で守られた特権階級とみられる天皇家・皇族にも向けられている。
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 フランスには、フランス国王はいないが、元フランス国王家という家族は存在する。
 オーストリアにも、元オーストリア皇帝家という由緒ある家族がいる。
 ヨーロッパには、歴史的由緒ある元国王家という家族が一般国民と一緒に生活している。
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 アメリカ・GHQは、天皇家・皇族をそうした特権なき由緒ある家族の仲間入りさせようとして、昭和天皇を退位させず、天皇家・皇室を残した。
 誰にも恨まれず敵意を向けられる事なく天皇家・皇族を自然消滅という、見事なまでのキリスト教的な理想的手段である。
 将来的に皇位継承ができなくなるように、直宮皇族以外の皇族・宮家の皇籍を剥奪したのもその為である。
 アメリカの対日懲罰政策を守ろうとする非民族的日本人は、日本のグローバル化を標榜し日本国憲法を遵守して行動している。
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 日本人共産主義者は、日本を人民主体の共和国家に改造するべく、GHQ内のソ連スパイ及び親ソ派幹部の強い支援を受けて反天皇の活動を続けた。
 ソ連は、日本を共産主義化するべく全面的に協力していた。
 過激派共産主義者は、昭和天皇や皇族を暗殺するべく暗躍していた。
 現代においても、反天皇反日的日本人が多数日本国内に存在する。
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 江戸時代。天皇家・皇族は、幕府によって京都御所内に監禁状態におかれ、皇室御料として3万石を与えられ、赤貧の生活を強いられていた。
 公家衆には、10万石の公家領が与えられていた。
 明治維新で、朝廷は、幕府及び佐幕派諸藩より計150万石を没収して皇室御料に編入した。
 明治政府も、幕府及び佐幕派諸藩の領地を国有財産に組み込み財政基盤とした。
 150万石とは、150万世帯の一年分の米の生産量に相当し、現代でいうとおよそ1,000億円に相当する。



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