🎃3)─3─自民党は統一教会からの“暴露”が怖くて「教団との関係を絶つ」と断言できない。~No.7 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2022年8月3日05:00 MicrosoftNews 現代ビジネス「統一教会からの“暴露”が怖い? 自民党が「教団との関係を絶つ」と断言できない理由 元信者のジャーナリストが分析
多田 文明
 歯切れの悪い議員が脱会を躊躇する信者の姿と重なる
 自民党をはじめとする政治家と旧統一教会のつながりが次々に明らかになってきています。旧統一教会の関連団体のイベントに参加して、信者らの前で教団の活動を褒めたたえるような話をする。
 さらには選挙協力も受けて、教団の組織票の配分まで受けている議員もいるとの話も出てきています。
 霊感商法の手立てで物を売り、多額の献金を集めて、家庭崩壊までさせてしまう旧統一教会との関係があることを認めながらも、今後も支援を受けていくかについては「慎重に検討する」「軽々に答えることはできない」との政治家らの発言も出てきています。
 © 現代ビジネス photo by gettyimages
 ようやくここにきて、世論の批判に押されるように「これまでの関係について、しっかり見直す」との一歩踏み込んだ言葉も聞かれ始めましたが、いまだ、決別するとの言葉は出てきていません。なぜ、きっぱりと「教団との関係を絶ちます」「二度と関わりません。手を切ります!」と言えないのだろうか。そう思われている方も多いかと思います。
 ここには、二つの恐怖心で教団の思惑に支配されている恐れがあると思っています。
 教団を辞めた元信者の筆者の目には、歯切れの悪い言葉を発する議員らの姿が、どうにも旧統一教会の教えに疑問を持ちながらも、長年、教義にどっぷりはまってしまったために、なかなか脱会しきれない信者らの姿に重なって見えてきてならないのです。
 敵に回すと恐ろしい宗教団体
 教団の信者らが受けるマインドコントロールの本質の一つに「地獄に行く」など、気づかぬうちに恐怖心を植え付けられ、行動を支配されることがあります。もしかすると、議員らは知らないうちに二つの恐怖心を旧統一教会に抱かされて、毅然とした態度が取れないの可能性があります。
 一つは、敵に回すと恐ろしい宗教団体という恐怖心です。
 旧統一教会では自分たちに味方しない人たちや、批判する側の人たちを「サタン」と呼び、徹底した組織的攻撃を仕掛けてくることで知られています。すでに批判的な報道をするテレビ局や弁護士らへの抗議電話などの行為をしていることは明らかになっており、自分自身も元信者として、テレビ局に抗議の電話をするように指示させられた経験もあります。
 もし旧統一教会の側についておかないと、選挙においてどんな組織的な妨害工作を受けるかわからない恐怖心があるために、「関係を絶つ」と明確にいえないことが考えられます。
 しかしこれだけではありません。二つ目の恐怖心こそ、もっと怖いものです。少し長くなりますが、その二つ目の恐怖心が一体何なのか、じっくり見ていきます。
 教団の政治家へのアプローチは、旧統一教会が目指す神の国実現のための布教活動です。
 信者らは教義に基づいて常に行動しています。その柱が、伝道(信者獲得活動)と万物復帰です。万物復帰とは、人類始祖であるアダムとエバが罪を犯してしまい、堕落して万物以下になってしまった。そのために、この世にあるすべての物を神様の前に捧げていかなければならない。ゆえに、多額の献金や教団の関連商品を購入するようにいわれます。
 信者らは、この2つを両輪に活動しています。
 こうしたことから、教団の関連組織が政治家に行っている選挙ボランティアや議員らを呼び込むイベントもこうした布教活動の一環として捉えるべきです。
 信者らは上から与えられた命令は神様の言葉と思っていますので、必死にその使命を果たそうと活動します。ゆえに、彼らは手を抜くことをせずに、その人物のために必死になって働きます。その熱心な活動を見た議員らは感動することでしょう。
 中にいた頃、教団の集会に訪れた議員の話や、幹部からの「選挙応援を受けた人たちは、本当に教会員の人たちの活動に感動している。それで統一原理が本当に素晴らしい教えだと思ってくれている」という言葉も聞いています。当時、それを聞き、日本の政治家が統一教会の教えを受け入れており、政治と宗教が一つになる神の国の実現の日も近いという希望を抱いたものです。
 選挙応援を受けた政治家に知って欲しいこと
 政治家らは「さぼらない」「一心不乱」な活動を見て、すばらしい団体と思うかもしれません。しかしそう思わされている事実に、気づかなければなりません。議員らに恩を与えて教団に取り込むことを目的にしているからです。
 そこで、過去に選挙応援を受けた国会議員、地方議員、旧統一教会の関連団体にかかわった人たちに知っておいてほしいことがあります。
 それは恐ろしいまでに徹底された報連相についてです。これは、議員らの二つ目の恐怖心にもつながってくるものです。
 教団内では「善悪を知る木からは(木の実を)取って食べてはならない」と神様に言われたにもかかわらず、エバが蛇にそそのかされて、神様の知らないところで、こっそりと木の実を取って食べてしまった。これが罪の始まりと教えられます。
 ここからが教団の独自性といえるものですが「(エバのように)神様の前に隠し事をしての行動はしてはいけない」と教えられます。つまり、神に近い人物(アベル)にすべての報告、連絡、相談(報連相)をして、その指示を受けて忠実に行動をすることで、罪のない神の子となるべき道がひらかれると説きます。
 つまり、神様に近い上の存在(アベル)に対しては隠し事をしてはならず、教団内における報連相は必須な行動になります。
 教団内での「報連相」の異常な徹底ぶり
 信者として活動していた頃、この報連相のすごさを感じています。
 一般の会社に勤めながら教団に毎日通う数十人の信者らを統括する部署の責任者をした時のことです。その時、全員の行動はすべて把握できています。なぜなら、報連相をさせることで、一人一人のすべての悩みや行動がわかっていたからです。
 ある時、仕事を終えて教団のホーム(施設)に帰ってきた人物に、いきなり「君は悩んでいるよね」と言います。するとその信者は「なんでわかるのですか!」と驚きます。
 またある男性には「最近、ホームに戻るのが遅いけど、教団の活動をさぼって寄り道をしているだろう」と言います。ずばり言い当てられて青ざめて、神様の前に隠し事はできないと、男性は懺悔します。時に、彼らの行動を言い当てるので、中では霊能者とまで言われたこともあります。
 なぜわかるかといえば「〇〇さんは悩んでいる」「〇〇さんが、帰りにあるお店に立ち寄っているのを見た」と、別な信者から聞いているからなのです。報連相は自分のことだけではなく、他の人の状況もすべて報告されています。冷静にみれば、告げ口なのですが、信者らは神様への告白と思い、真剣に報告します。
 政治家の「裏情報」が教団に集まる
 実はこれと同じことが、政治家のもとでも行われていると考えています。
 政治家がより多くの信者らを秘書や選挙スタッフとして受け入れれば受け入れるほど、その議員の性癖や性格、さらに表には出せないような裏の情報すべてが収集されます。彼らは口が堅く、人が良いように思えるかもしれませんが、それは表向きだけで、裏ではすべての情報が報連相により教団側に流れています。ですので、旧統一教会の信者団体とのつながりが多い自民党内の事情などは、より知られている恐れがあります。
 内情を知られているために、教団側からの暴露を恐れての気持ちもあり、歯切れの悪い言葉につながっている部分もあるのではないかとみています。これが2つの目の恐怖心です。
 しかし、教団と長く付き合えば、付き合うほど、彼らから弱みを握られてしまいます。今、すぐに手を切ることを勧めます。
 私たち信者も教団を離れて教義を捨てれば「事故に遭う」「病気になる」「地獄に行く」などと言われて、恐怖心を持たされました。しかし自分のしてきた過去の出来事に向き合い、教団が教え込んできた恐怖心と戦いながら、それらを乗り越えて脱会を果たしています。
 旧統一教会の思う壺に
 形は違えども、教団と決別することへの恐怖心が議員らにあるとすれば、それを払うことは容易ではないことはわかります。しかしそれに蓋をすれば、するほど、教団の思う壺にはまってしまうことになります。
 これまでの旧統一教会の勧誘の手口を見てきて、議員らへのアプローチの仕方や、賛同会員、信者議員にするために統一思想を学ばせるステップはある程度、マニュアルになっているのではないかと思っています。その実態を公に知らせることは、とても大事です。
 今、こうして旧統一教会霊感商法や違法伝道が世の中に明らかになっているのも、元信者らが勇気を持って、教団の活動実態を公に話し、さらに弁護士らとともにその事実をもとに違法性を問う裁判を起こして戦ってきた歴史があるからです。
 おそらく政治家の方の地元にも、必ず霊感商法の被害者がいるはずです。違法伝道により信者になった人もいるでしょう。教団と袂を分かつか否か、悩んでいる方がいれば、まずはそうした被害者の声に耳を傾けてください。そして自分のかかわってきたことにより、どれだけ多くの人の被害拡大につながってしまった可能性があるかを認識してください。
 これから先、たくさんの新しい政治家が生まれてくると思います。その人たちが、こうした罠にはまらないためにも、しっかりと自身が受けた教団からの経緯を赤裸々に知らせるべきだと思います。それこそが、次に続く、日本の行く末を真剣に考える政治家たちへの大きな橋渡しとなるのではないでしょうか。しっかりと恐怖心を振り払い、真実を語ることこそが、今、求められています。」
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