🌏59)─2─日本の保守思想と右翼思想は違う。日本の右傾化は右翼思想であって保守思想ではない。~No.199No.200 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 保守には正統保守、エセ保守、諸派など数多くの保守があるように、右翼・右派にも右翼本流、ヤクザ右派、エセ右翼・俄右翼、諸派など数多くの右翼・右派がある。
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 2022年現在の日本における政治家の保守本流とは、正統保守ではなくエセ保守である。
 戦前からの保守本流・正統保守は、占領軍であったGHQと敗戦利得者のエセ保守によって公職から追放され、公職追放解除で現役に復帰し責任ある地位に戻った多くの保守派はGHQに忠誠を誓うエセ保守になっていた。
 バブル経済の1980年代には戦争を知る戦前派正統保守の大半が現役を引退し、1990年代には戦後民主主義教育の優等生であるエセ保守が保守を名乗り始めた。
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 現代日本において、正統保守は少数派で、エセ保守が多数派である。
 エセ保守は保守の仮面を被った左派で、現代でもて囃されている保守陣営とはエセ保守の集まりに過ぎない。
 エセ保守とは、媚中派(親中国共産党派)である。
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 選択的夫婦別姓制度に、正統保守は反対、エセ保守とリベラル左派は賛成。
 正統保守は男系父系天皇神話論者で、エセ保守は女系母系天皇擁護者である。
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 エセ保守は、その言動や行動で一目瞭然である。
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 左翼・左派、エセ保守とリベラル左派の歴史は、1789年のフランス革命ではなく、1847(弘化4)年にマルクスエンゲルス共産党宣言からである。
 つまり、マルクス主義には文化という歴史はない、底の深みを持たない上辺だけの上擦った主義主張・イデオロギーに過ぎない。
 現代日本の左翼・左派はGHQによって作られた敗戦利得者であり、内実は中国派、ソ連派、過激派、諸派に分かれて内部抗争を繰り返していた。
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 中国共産党は、昭和天皇と皇族を惨殺すべく付け狙っていた日本人の共産主義者無政府主義者テロリストを支援していた。   
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 2025年3月23日 MicrosoftStartニュース 共同通信「保守派こだわる「伝統的家族観」 夫婦別姓、戸籍解体を危惧
 東京・永田町の自民党本部の看板
 © 共同通信
 選択的夫婦別姓制度を巡る議論が活発化する中、自民党の支持基盤でもある保守派は反対姿勢を明確にする。拒む理由の根底にあるのは「日本の伝統的な家族観」へのこだわりだ。夫婦別姓の導入は家族の絆を弱め、一体性の象徴と位置付ける戸籍制度が解体されてしまうと危惧する。別姓推進派は「時代錯誤」と批判し、一致点は見いだせそうにない。
 日本の伝統的な家族観とは何か。国会内で12日に開かれた保守派の集会で、代表的な論客である百地章日本大名誉教授は「祖先を敬い、親を大切にする。家族が助け合い、子孫の繁栄を祈るという生命の連続性を重視する」と説明した。夫婦別姓が続けば家系の一体性は失われ、祖先が分からなくなると懸念する。
 集会には与野党保守系議員も参加。自民の新藤義孝政調会長代行は「個人籍は全ての国民、国家社会の大枠に影響を与える。極めて注意深く見なければならない」と同調した。
 自民内の別姓導入推進派は冷ややかに受け止める。閣僚経験者は「世間の価値観は変わっているのに、感覚がずれている」と憤る。
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 3月23日7:02 YAHOO!JAPANニュース FNNプライムオンライン「「保守思想」と「右翼思想」は混同されるが違うもの。上念司が指摘する2つの思想が重視する点と全く異なる点
 (C)FNNプライムオンライン
 「保守思想」とその対比で取り上げられることの多い「右翼思想」。
 この違いやそれぞれの思想の本質について深く考えたことはあるだろうか。
 【画像】「保守思想」とは何かをより知ることができる書籍『保守の本懐』
 日本の歴史的な保守思想の流れを振り返っていく、経済評論家・上念司さんの著書『保守の本懐』(扶桑社)から、一部抜粋・再編集して紹介する。
 伝統を尊重する保守思想
 保守思想とは何か?あえて言うならば、それは「〇〇でないもの」の共通部分。
 共産主義思想で言うところのマルクスのように「教祖」「家元」を持たない思想です。
 まずはその一例を示すために保守思想としばしば混同される右翼思想との違いについて説明します。
 保守思想は、社会の秩序、伝統、文化を尊重し、次世代に引き継ぐことを目指しています。
 歴史的に培われた知恵や慣習を重視し、人間の不完全性を前提に社会の安定を追求するので、急激な変化は警戒されます。
 しかし、変化そのものを否定するわけではなく、むしろ漸進的な改革は重視されます。
結果として、保守思想は、自由主義や民主主義と共存しやすく、対話や妥協を通じて社会全体の利益を調整することが良いとされます。
 右翼思想とは?
 これに対して右翼思想は極端なナショナリズムや盲目的な愛国主義を強く掲げ、自国の優越性や独自性を守ることに重点を置きます。
 一瞬、伝統を重視しているように錯覚させますが、実際には己の優越性に溺れ、他国を劣ったものと見なす傾向が強いです。その裏返しで、外敵に対する危機感を異常なまでに強調し、対立的な言説を用いて人々を煽ります。
 排他的な政策を急進的に推し進めるよう政府に要求したりもします。
 ただし、それがイデオロギー的に一貫しているかというとそうでもありません。それらは感情的、状況的な動機に基づく場合が多く、「極右ポピュリズム」と批判されることも多い。
 そういう意味ではとても機会主義的です。また、日本の場合は特に戦時統制の頃を模範とし、そこに回帰すべきだとする復古主義的な右翼も多数います。
 政治的な文脈で混同される2つの思想
 保守思想と右翼思想は、特に政治的な文脈で混同されることが多いです。
 その理由として、両者が伝統や愛国心を重視する点で重なる部分があるからでしょう。しかし、保守思想はその伝統を絶対視して他人に強要したり、そういった伝統を持たない外国人を差別したりすることはありません。
 また、歴史的に、保守自由主義反革命的な文脈で発展したことが右翼的傾向と結び付けられる場合もあります。
 しかし、これも革命を批判する人々を右翼、反動勢力、反革命勢力、ファシストレイシストなどと決め付ける左派および共産主義者による政治的なレッテルに過ぎません。
 最近、リベラル(本来の意味は自由主義者)を自称する日本の左翼勢力の一部に、自分たちを批判する人を片っ端から「ネトウヨ」認定する人がいますが、これもまったく同じです。
 保守思想の核心とは?
 歴史家の故伊藤隆氏(東京大学名誉教授)は日本近現代史研究の第一人者であり、現代における保守思想について数多く言及したことでも知られています。
 伊藤氏は保守思想を「歴史的文脈と日本固有の伝統を重視しつつ普遍的な保守の原理を日本の現実に即して解釈する立場」と位置付けています。
 その際に、最も重視されるのは歴史的連続性です。保守思想の核心とは「歴史的連続性の尊重」にあり、特に、長い歴史の中で培われた文化、慣習、制度を重んじることが重要だと考えます。
 昔の人が悩みに悩み抜いて決めたことにはそれなりの意味がある、その意味をしっかりと汲み取ることが大切だということです。
 日本においては神話の時代から続く万世一系天皇と民の関係、神道などに代表される独特の死生観などの存在が、歴史を通じた国民統合の象徴として重要視されます。
 保守思想においては、このような伝統が単なる過去の遺物としてではなく、現代社会の安定の基盤ととらえる点がとても重要なのです。
 上念司
 経済評論家。リフレ派の論客として、『経済で読み解く日本史 全6巻』(飛鳥新社)、『財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済』(講談社+α新書) など著書多数。テレビ、ラジオなどで活躍中。
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 3月23日7:00 プライムオンライン ライブラリー「歴史的な事実を見ても「急進的な改革には大きなリスクが伴う…」革命に警戒心を持ち反対する保守思想の基本姿勢
 歴史上起こった革命で、多くの国民が犠牲になった。
 経済評論家の上念司さんの著書『保守の本懐』(扶桑社)では、現代における保守思想について数多く言及した歴史家の故伊藤隆氏(東京大学名誉教授)の考えに触れながら、“保守の本質”を解説している。
 その伊藤氏によると「急進的な改革や革命思想に対して警戒心を持つという点が保守思想の基本姿勢」だという。
 本書から、保守思想の基本姿勢とその対極にある思想について、一部抜粋・再編集して紹介する。
 保守思想とは極めて実践的な思想
 伝統を重視するということは、逆に急進的改革に対しては懐疑的な態度を取ることも意味します。
 伊藤氏によれば、急進的な改革や革命思想に対して警戒心を持つという点が保守思想の基本姿勢とのこと。確かに、革命などの急激な社会的変化は、多くの場合、大衆の熱狂と暴走によってもたらされました。
 しかも、それが社会に平和をもたらしたことは少なく、むしろ大きな社会的不安定をもたらしました。なぜなら、革命が既存の秩序や価値観を破壊するだけでそれに代わるものは何ももたらさなかったからです。
 歴史上起こった革命では、その過程で多くの人が犠牲になりました。ロシア(旧ソビエト連邦)、中国、カンボジアなどでは多くの国民が革命の名の下に殺されたこと(粛清)もあります。
 急進的な改革には大きなリスクが伴うことは歴史的な事実と言っても差し支えありません。
 誤解を恐れずに言えば、保守思想は革命に反対する思想です。
 しかし、それは変化そのものを拒絶する硬直化した原理主義ではありません。
 むしろ原理主義的なのは革命勢力の方です。革命とはある理想を未来に見出したり、過去に見出したりして、現実や歴史的な連続性を無視して世の中を無理やりそれに近付けようとするものです。
 未来に見出せば共産主義(左翼)、過去に見出せば復古主義(右翼)ですが、どちらも現実を顧みない極端な主張であることに間違いはありません。
 「共同体の価値」とは
 保守思想はこういった原理主義的な変化を拒絶します。しかし、現実の変化に適応しつつ伝統を守る「漸進的改革」の必要性は大いに認めるところです。
 保守的な思想の持主は変化を嫌うものでも、現状維持を望むものでもありません。むしろ、社会をよりよくするための安定した漸進的な変化を促すべきだと考える人です。
 また、保守思想には「共同体の価値」を重視するという特徴があります。家族や地域社会、そして国民国家といった共同体は、個人が生きる上での基盤となる存在です。
 そのため保守思想は、これらの共同体を破壊し得る過度な個人主義グローバリズムに対して批判的です。
 国家の役割を重要視し、国民を保護し、国益を守る存在としての国家観を持っています。
 とはいえ、それは決して教条主義的なものでも、排外的な原理主義でもありません。伊藤氏は保守思想が理想主義に対して現実主義的である点を強調しています。
 人間の理性や計画に基づいて完全な社会を作り出すというユートピア思想には限界があり、むしろ人間の不完全さや限界を前提にした社会を志向するのが保守思想です。
 この現実主義は、政策や制度設計においても漸進的で実効性のあるアプローチを取ることを意味します。
 このように、保守思想とは単なる現状維持思考でもなければ、「昔に戻せ!」という復古主義でもありません。保守思想とは「伝統を基盤にしながらも、現実の課題に柔軟に対応し、社会の安定と繁栄を追求する思想」です。
 つまり、歴史的な連続性を重視しつつも、時代の変化に応じた適応の必要性も理解する極めて現実的な思想なのです。
 対極にある思想「設計主義」
 では、保守思想の対極にある思想とはなんでしょう?左翼思想?リベラリズム?伊藤氏はそれらをすべてまとめて「設計主義」というカテゴリーでくくります。
 保守と設計主義の相違点について、まずはその基盤となる人間観の決定的な違いから説明したいと思います。
 保守思想において最も大事なことは「理性に対する懐疑」です。人間は「不完全で限界を持つ存在」であり、理性的である一方、感情的で過ちを犯しやすい存在です。
 そして、そんな不完全な人間が集まって社会が形作られている。つまり、社会全体が理性的な判断をすることもあれば、一時的な感情で盛り上がって文字通り全員が間違う状況もあり得る。
 残念ながら不完全な人間は神のように賢くはなく、一度も間違えず(無謬:むびゅう)に正解にたどり着くことはできません。
 試行錯誤を重ねながら、漸進的な変化をしていくこと、そして一度答えを得たと思ったことでも、それが本当に正しいのかどうか常に振り返って検証していく必要があるのです。
 伊藤氏が伝統や歴史の中で培われた知恵を重視する理由はまさにこれです。長い年月をかけ、試行錯誤を経て現在でも残っている社会制度や社会資本は、その淘汰を潜り抜けた時点で非常に重要な意味を持っている。
 これらは過去において社会に安定をもたらしたわけであり、容易に破壊すべきではない。逆に、急進的な改革を進めることはかえって社会の安定を脅かし、想定外の悪影響をもたらす可能性がある。改革には慎重さと経験則に基づく判断が求められるわけです。
 人間の理性を全面的に信頼する設計主義
 これに対して、設計主義は人間の理性を全面的に信頼し、それを疑うことを知りません。社会や制度には理性によってたどり着く「正解」がある。
 それに基づいて世の中を変えていけば社会をより良く合理的に設計・再構築できると彼らは考えています。設計主義的な思想は総じて、社会的な不平等や不公正の解消を重視し、そのために革命のような計画的かつ大胆な改革を実行すべきだと主張します。
 設計主義の背景には、啓蒙思想や理性万能主義の影響が見られ、社会の欠陥を人間の意図と計画によって完全に修正できるという発想が見え隠れします。
 そのため、もし社会に欠陥が発見された場合には、それを迅速に取り除くことは可能であり、いち早く理想的な社会を実現できるという前提に立っています。既存の制度や慣習が不合理であれば、これを全面的に否定し、新しい制度を一から設計することも辞さない。
 その根底には社会を「白紙の状態」から設計できるという理想主義的な発想があるのです。
 そのため設計主義的な思想においては、伝統をしばしば「非合理的な慣習」や「進歩の妨げ」と見なし、過去を尊重するよりも、現在の理性に基づいて新しい制度を構築することが優先されます。
 中でもより過激な設計主義思想においては、伝統や経験に対して懐疑的であるどころかむしろ敵視して、過去を乗り越えるべき対象として決め付ける傾向さえあります。また、彼らは社会や制度は、理論的に正しいとされる計画に基づいて、一気に変革することが可能だと考えるため、しばしばトップダウン型の改革が支持されます。
 『保守の本懐』(扶桑社)
 上念司
 経済評論家。リフレ派の論客として、『経済で読み解く日本史 全6巻』(飛鳥新社)、『財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済』(講談社+α新書) など著書多数。テレビ、ラジオなどで活躍中。
 1969年、東京都生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。在学中は創立1901年の日本最古の弁論部・辞達学会に所属。日本長期信用銀行、臨海セミナーを経て独立。2007年、経済評論家・勝間和代氏と株式会社「監査と分析」を設立。取締役・共同事業パートナーに就任(現在は代表取締役)。2010年、米国イェール大学経済学部の浜田宏一教授に師事し、薫陶を受ける。金融、財政、外交、防衛問題に精通し、積極的な評論、著述活動を展開している。
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