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2024年8月24日 MicrosoftStartニュース 文春オンライン「「日本人は西洋人と比べるとはるかに『菌類愛好症』です」専門家が菌類への人々の姿勢から問い直す“共生”
大野 和基
『菌類の隠れた王国 森・家・人体に広がるミクロのネットワーク』(キース・サイファート 著/熊谷玲美 訳)
© 文春オンライン
「日本人は西洋人と比べるとはるかにmycophilic(菌類愛好症)です。〈もやしもん〉というマンガにコウジカビのキャラクターが登場するほどです」
普段我々一般人は菌類のことを考えることはめったにない。しかし、日本には醤油、味噌、納豆、酒、焼酎などコウジカビを使った菌類製品が多い。最近では死者を出した紅麹サプリがニュースになった。
菌類学者のキース・サイファート氏の初の著書『菌類の隠れた王国』は、菌類の分類はもとより、地球のエコシステムを循環させる役割としての菌類のありとあらゆる面に話が及ぶ。
「ジャガイモ疫病など作物被害を引き起こすアフラトキシンは毒性が高い菌で、それもコウジカビです。世界中でカエルが水生菌類に攻撃されて死んでいますが、frog apocalypse(カエル・アポカリプス)と呼ばれています。この菌のために何百という種が絶滅し、しかも人間が菌の拡大に寄与しているようです」
我々が雨季に見かけるパンに生えるカビも危険だ。
「世界中の肝臓がんの主な原因はマイコトキシン(カビ毒)です。毒キノコの場合、すぐに症状が出て時には死に至りますが、マイコトキシンは肝臓に蓄積され、あるときそれがティッピングポイントに達して病気を発症します。カビがそれを出しているかどうかは顕微鏡でみてもわかりません」
菌はなぜ毒性のあるものを作るのだろうか。
「その理由は、自分たちが餌にする木を昆虫に食べさせないためとか関係によって理由が異なりますが、人間に対する菌類の効果は、進化の視点からみると一種の偶然です」
元々毒性が高くてもビール酵母やパン酵母はそういう菌類が「家畜化」されたものであるという。たった一種類のカビが原因で絶滅した北米の栗があるかと思えば、森の木々はキノコの菌糸を通じて会話しているというから、その秘めたパワーにはただただ脱帽するしかない。一方で誰もが知っているペニシリンや免疫抑制剤で有名なシクロスポリンなどの抗生物質も菌類から発見されている。
しかし、本書のテーマは相利共生である。
「我々が生きている世界は、その性質上、競争、適者生存に基づいている、と考える人がいますが、それは極めて偏った見方です。この世界は多くの協力が見られ、特に生物界では顕著です」
本書が初の著書になるサイファート氏だが、時には菌の立場になることで多くのことを学んだという。
「非常に哲学的なことですが、人類は世界を支配するためにあるのではありません。私たちは互いに支配し合う存在ではなく、世界の一部であるのです。共生のバランスを失ったとき病気になったり、機能不全になったりしますが、常に状況は流動的で変化しています」
本書第9章「高度一万メートル……菌類と地球の持続可能性」は白眉と言っても過言ではない。
〈菌類に対する私たちの姿勢を問い直すことは、行動を変えるために欠かせない。私は、もっと多くの人が、菌類という微小サイズの隣人に興味を持つようになってほしいし、それが難しくても、疑念や恐怖をあまり抱かなくなってほしい〉
この言葉に著者の切実な願いが込められている。
さらに菌類テクノロジー、環境修復面での菌類の重要な役割、WHOが推進する「ワンヘルス」アプローチ、政策と規制の重要性にまでサイファート氏は言及する。
「未来は菌類とともにある」という著者の言葉は決して誇張表現ではないのだ。
Keith Seifert/カールトン大学教授。カナダ農業・農産食料省研究所では、農場や森林、食品の中の菌類について、また、屋内のマイコトキシンの抑制、菌類が原因の動植物の病気を研究してきた。International Mycological Association会長などを歴任。
(大野 和基/週刊文春 2024年8月29日号)
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日本文化とは、多様性に富み、網の目のように、多種多様な数多くの文化が相互に関連を持ち、依存し、補強し、共生しながら存在する複合文化である。
それ故に、特殊で特異な多様文化であるがゆえに一言では説明できない。
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現代日本において、日本人は日本国民であっても日本民族とは限らない。
伝統的民族文化の継承者で担い手は、日本民族と帰化人であって、日本人と渡来人ではない。
そして、エセ保守やリベラル左派でもない。
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数万年前の縄文人(日本土人)が大量に造った、土器は植物霊崇拝であり、土偶は女性崇拝であった。
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人類最古の神話とは、半神半人の英雄が森林の守護神(魔物)・大地母神(大蛇)を倒し、森を切り開き、開墾して農地を拡げ、城塞都市を造って王国を打ち立てる物語である。
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日本民族は、高温多湿で病原菌(悪玉菌)・有益菌(善玉菌)・雑菌(日和見菌)などの細菌が多い自然環境・住環境で生きてきた為に衛生観念が高く片付け上手で綺麗好きであったが、現代日本人の様な神経質で異常な病的潔癖性ではなかった。
それを言い当てた狂歌が「白河の 清きに魚も棲(す)みかねて もとの濁(にご)りの田沼恋しき」である。
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日本の宗教的価値観から生まれた境・隙間、灰色、中庸とは、善・正であれ悪・邪であれ相手を逃げられない所まで追い詰めない為であり、曖昧な所・いい加減な所を残して言い訳可能な状況を残して助ける為であった。
それが村八分である。
昔の日本で、絶対価値観による不寛容な異端審問、魔女狩り、異教徒虐殺、人種差別・民族差別・人間差別が起きなかったのはこの為であった。
善悪・白黒を付けないという多種多様な宗教性から、日本の物の怪・妖怪、幽霊・亡霊、怨霊は世界の悪魔、魔物、獣とは違う。
つまり、日本には生き返って無差別に無関係な人々を虐殺するゾンビは無意味である。
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日本列島とは、春夏秋冬、季節に関係なく、広範囲に同時多発的に頻発する複合災害多発地帯である。
日本の自然は、数万年前の旧石器時代・縄文時代から日本列島に住む生物・人間を何度も死滅・絶滅・消滅させる為に世にも恐ろしい災厄・災害を起こしていた。
日本民族は、自然の猛威に耐え、地獄の様な環境の中を、家族や知人さえも誰も助けずに身一つ、自分一人で逃げ回って生きてきた、それ故に祖先を神(氏神)とする人神信仰を受け継いで来た。
日本人は生き残る為に個人主義であり、日本社会は皆で生きていく為に集団主義である。
日本の宗教・文化・言語は、こうして創られてきた。
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日本民族の人間性である価値観・人格・気質を作り出したのは、人間(他国・異民族・異教徒)の脅威ではなかったし、唯一絶対神(全智全能の創り主)の奇蹟と恩寵ではなく、自然の脅威と恩恵(和食)である。
つまり、日本人と朝鮮人・中国人は違うのである。
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日本民族は現実主義者として、空想的虚飾的巧言を弄する啓示宗教や教条的主義主張を敬遠し、本質的な価値観を言霊まで示す自然崇拝と哲学や思想を理解できるように受け入れていた。
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日本民族は、人としての自分の心情・人の及ばない自然の現象・人の成す物事の事情から目をそらさず、森羅万象の「本質」を見詰め見極め、その根底のさらなる深層に流れている「価値観」を八百万の神と崇め、価値観を世の中で生きる上での原動力として社会を変えながら生きていた。
根底に流れる価値観とは、過去・現在・未来に途切れる事なく受け継がれて来た命・心・志、精神・気概、自分が死んでも終わる事のない消える事のない「永遠の生命、永劫の魂・霊魂」であった。
命は死を迎えて終わっても、輪廻転生として、生まれ変わり・生き変わり、蘇る・甦る、魂は残り続け、その源泉・源流は高天原からの神話物語であった。
神代から人代に続く絆の根底に流れる価値観とは「尊い」であり、多種で多様で多元で雑多で、同調もなければバッシングもなければ、大義も正義もなく、そして差別も偏見も、意地悪もいじめもない、隠し立てしない「ありのまま」、嘘偽りのない「そのまま」であった。
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日本民族の伝統文化は、その事を忘れない為に伝承・継承されてきた。
民族文化は、縄文文化を正統に受け継いでいる。
民族文化の正統性は縄文文化で、縄文文化は日本文化・琉球文化・アイヌ文化に引き継がれている。
縄文文化は、日本列島に住む日本民族・琉球民族・アイヌ民族が受け継いだ固有の辺境文化である。
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歴史的事実として、日本社会の変革は破壊的イノベーションと改善的リノベーションで起きていた。
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日本の建て前。日本列島には、花鳥風月プラス虫の音、苔と良い菌、水辺の藻による1/f揺らぎとマイナス・イオンが満ち満ちて、虫の音、獣の鳴き声、風の音、海や川などの水の音、草木の音などの微細な音が絶える事がなかった。
そこには、生もあれば死もあり、古い世代の死は新たな世代への生として甦る。
自然における死は、再生であり、新生であり、蘇り、生き変わりで、永遠の命の源であった。
日本列島の自然には、花が咲き、葉が茂り、実を結び、枯れて散る、そして新たな芽を付ける、という永遠に続く四季があった。
幸いをもたらす、和魂、御霊、善き神、福の神などが至る所に満ちあふれていた。
日本民族の日本文明・日本文化、日本国語、日本宗教(崇拝宗教)は、この中から生まれた。
日本は、極楽・天国であり、神の国であり、仏の国であった。
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日本の自然、山河・平野を覆う四季折々の美の移ろいは、言葉以上に心を癒や力がある。
日本民族の心に染み込むのは、悪い言霊に毒された百万言の美辞麗句・長編系詩よりもよき言霊の短詩系一句と花弁一枚である。
日本民族とは、花弁に涙を流す人の事である。
日本民族の「情緒的情感的な文系的現実思考」はここで洗練された。
死への恐怖。
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日本の本音。日本列島の裏の顔は、甚大な被害をもたらす雑多な自然災害、疫病蔓延、飢餓・餓死、大火などが同時多発的に頻発する複合災害地帯であった。
日本民族は、弥生の大乱から現代に至るまで、数多の原因による、いさかい、小競り合い、合戦、戦争から争乱、内乱、内戦、暴動、騒乱、殺人事件まで数え切れないほどの殺し合いを繰り返してきた。
日本は、煉獄もしくは地獄で、不幸に死んだ日本人は数百万人あるいは千数百万人にのぼる。
災いをもたらす、荒魂、怨霊、悪い神、禍の神が日本を支配していた。
地獄の様な日本の災害において、哲学、思想、主義主張そして奇跡と恩寵を売る信仰宗教(啓示宗教)は無力であった。
日本民族の「理論的合理的な理系論理思考」はここで鍛えられた。
生への渇望。
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日本の甚大な被害をもたらす破壊的壊滅的自然災害は種類が多く、年中・季節に関係なく、昼夜に関係なく、日本列島のどこでも地形や条件に関係なく、同時多発的に複合的に起きる。
それこそ、気が休まる暇がない程、生きた心地がない程であった。
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