🎑77)─1─日本の家屋革命。畳離れ、和室離れの避けられない理由。外国人大工職人子。~No.173No.174No.175 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2022年12月1日6:00 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「日本人の「和室離れ」がますます進んでいる「避けられない理由」 「畳離れ」も顕著に
 阿古 真理 の意見
 和室が減っている…!
 去年から、賃貸物件を内見し続けている。資料の本が増え過ぎて手狭になり、17件も内見したうえで去年の11月にいったん引っ越しをした。しかし、選んだ部屋は定期借家だったので、期限までにもう一度引っ越さなければならないからだ。
 部屋の条件として、夫婦2人の仕事部屋と本棚置き場を確保することに加え、使い勝手のよいキッチンも欲しい。しかし予算内である程度交通と買い物が便利な場所では、なかなか見つからない。探し回っているおかげで、東京の物件事情にずいぶん通じてきた。
 たくさん部屋を見るうちに気づかされたのが、日本人の生活スタイルの変化だ。何しろ、賃貸に出されている部屋の中には、築数十年の古い物件や、元は昭和前半生まれの高齢者のオーナーが住んでいた、という部屋もあるからだ。中でも興味深いのが、和室のポジションである。そこで今回は、部屋を管理する家事の視点から、和室について考えてみたい。
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 広さがある割に家賃が安い物件は、何らかの難を抱えている。交通が不便、築年数がかなり古いという事情以上に目立つのが、実は和室の数である。
 仕事部屋と、本棚を置くスペースがたくさん必要な私たちは、2人暮らしだが75㎡以上のファミリー物件を探している。すると、居室のすべてが和室の物件は、相場の2万~3万円は家賃が安いことに気がついた。「リノベ済み」でキッチンを最新式にして売り出している古い物件にも、元は和室だったんだろう、と思わせる洋室がある。奥行きがちょうど押入れサイズの収納がついていたり、障子が入っているなど、和室的な特徴を備えているからだ。
 居室すべてが和室の物件はたいてい、昭和に建てられたものか、昭和前半に生まれたオーナーが住んでいたらしい部屋だ。後者の場合、和室の一角に仏壇置き場や床の間があったり、神棚がしつらえてあることもある。
 こうした実態から見えてきたのが、平成以降、居室の好みが和室から洋室へと変化したことだ。
 住宅の近代史から、和室のポジションをたどってみよう。今年の9月で放送が終了したが、『百年名家~築100年の家を訪ねる旅~』(BS朝日)という、邸宅を中心に古い住宅建築を紹介するマニアックなドキュメンタリー番組があった。
 登場した邸宅の中には、明治期ごろに建てられた立派な洋館なのに、内部をのぞくとオーナーや家族の居室は和室になっている家が散見された。外から見ると、和室があるとはとても思えない造りなのである。昔の日本人は、和室でこそくつろげたことがよくわかる。
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 かつて、和室は必須の部屋だった
 昭和初期、中流層が家を建てるようになると、洋室の応接間を一つ備えた和洋折衷住宅が増える。明治の富豪は、家族が暮らす和館と接客用の洋館を二つ建てる場合が多かったが、中流層にはそこまでの財力がない。それで、応接間だけ洋室にしたのである。今ではだいぶ少なくなったが、たまに古い住宅街の一角に、ステンドグラスをはめ込んだ窓とかわいいカラフルな瓦屋根が特徴的な、こうした和洋折衷住宅が残っている。
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 洋室化が本格的に進むのは戦後。日本住宅公団(現UR都市機構)が作った団地を皮切りにダイニングキッチンが普及し、ダイニングにテーブルを置いて椅子に座って食事する生活スタイルが広がっていく。公団は、「和室で食事をし、夜はそこに布団を敷いて寝る生活は不潔になりがち」と、わざわざ備えつけのダイニングテーブルを提供して食事専用の部屋を作る習慣を広げた。
 最初はせっかく作ったダイニングに布団を敷く人が多かったが、実は洋風スタイルの生活を求める人たちもいた。初期の団地は、2DKが基本形でその2室は和室だったが、和室の一つにじゅうたんを敷き、ソファを置いてリビングにする人たちが多かったので、LDKの間取りが一般的になっていったという経緯もある。
 それでも昭和期は、帰ってくると和装に着替える男性がたくさんいたし、和室に布団を敷いて寝るスタイルも一般的だったので、和室は必須という家庭が多かった。床に直接寝転がったり座ったりできる和室はくつろげる空間、と感じる日本人が昭和までは多数派だった。
 もともと日本人は家具をあまり持たず、一つの部屋を何通りにも使う習慣があった。和室は、昼間は居間、夜は寝室にできるなど、いろいろな用途で使える点でも便利だったのだ。
 部屋探しの過程で、高齢オーナーが使ったらしい物件には、二間続きの和室もよくあることに気がついた。もともと、家で接客する機会が多い農村部では、宴会時にはふすまを開ければ広い空間が出現する、二間続きの和室が求められる傾向がある。冠婚葬祭などで何十人も並んで食事することがあるからだ。東京の家が、そうした接待を前提としなくなったのは、ごく最近のことなのだ、と気づかされた。
 便利で好まれてきた和室だが、若い世代になるほど嫌がられる傾向が強い。だからこそ、和室が多い部屋は家賃が安くなってしまうのだ。いったいなぜ、和室はこんなに嫌われ者になってしまったのだろうか?
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 手がかりは「二段ベッド」
 寝室の変化という視点から、この問題を考えてみよう。LDKが普及し始めた昭和後期、子ども部屋に二段ベッドを入れる家庭が増えた。高度経済成長期、庶民の所得が向上して誰もが結婚できる時代が到来すると同時に、子どもを2人産むことが一般的になったからだ。
 結婚は子どもを産むためにすると思われていたし、1人産めば「一人っ子はかわいそう」と考える人が多く、「2人目はまだ?」と周囲からプレッシャーもかけられた。しかし、子どもが多いと経済的に苦しくなる。一般的になった2人の子どもがいる家庭で、狭い家でも部屋を効率的に使えるとして人気になったのが二段ベッドだった。
 『室内と家具の歴史』(小泉和子、中公文庫)によれば、日本ベッド工業会の調査で、1970年代以降にベッドは急速に普及した。二段ベッドや分割ベッド、ソファベッドのピークは1971、1972年頃。その後は普通ベッドが増えているので、この頃を境に「ベッドの用途が変わり、それまでのような部屋の狭さの解決策ではなくなってきて、空間的にも専用寝室化」されたと指摘している。
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 二段ベッドは省スペースになるうえ、布団の収納場所を必要としないので、管理がラクだったことも人気の要因だろう。思い返せば、1968年生まれの私の家でも、周りの家でも二段ベッドは導入されていた。そして、二段ベッドでベッドに寝る習慣をつけた現在の50~60代が、結婚後にダブルベッドを買うなどしたこともベッドが一般的になっていった要因の一つと考えられる。
 旅先で泊まる部屋も、食事の時間に制約がある旅館より自由度が高いホテルが求められるようになり、ホテルでベッドに慣れた人も増えたと思われる。そういえばホテルも和室を用意しているところが昔は多かったように思うが、最近次々と増えるビジネスホテルは、洋室だけのところが多いのではないか。
 つまり、ベッドで寝る習慣がついた人たちが、和室を不要と考えるようになり、和室を備えた部屋も減っていったと考えられる。ベッドの寝室が便利なのは、二段ベッドの場合と同様、寝具の収納場所を必要としないことに加え、布団の上げ下ろしをしなくて済むことだ。ただし、布団を上げてしまえば空間が広くなる和室より、ベッドの下の隙間に掃除機を入れる洋室の掃除は手間がかかる。
 もう畳の暮らしには戻れない?
 布団派の私が気がかりなのは、ベッドはマットレスを干しづらいこと。寝ているときは大量に汗をかくが、マットレスだと干して乾かすことが面倒そうだ。だからこそ、マットレスに消臭剤をかけて除菌しようと呼びかけるCMが流されるのだろう。ダニが発生することもある。こちらは干して乾燥させる以外に、敷布団でもベッド用のマットレスでも、掃除機をかけることが一番いい対策と言われている。
 和室が敬遠されるのはしかし、畳がマットレスと同様の問題を抱えているからでもある。今、畳を定期的に取り外して干す人はあまりいないのではないか。昭和半ば頃までは、季節の行事として年に2回程度畳を干していた。
 今は、賃貸の場合、数年で引っ越す人が多いので、入居者の交替の際に畳を取り替えることが一般的だ。住まいを所有する人は、自分たちでタイミングを決めて畳を取り替えることもあるだろうが、その手続きも面倒と思われるのかもしれない。
 フローリングの床は拭いてお手入れできるが、畳の床を拭く人は少なそうだ。しかし、畳はすき間にゴミが入り込みやすいし、飲み物などをこぼしたらシミになりやすい。日に焼けて変色しやすくもある。手入れのしにくさも和室が敬遠される理由の一つだろう。
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 また、家具を置くと畳が凹んでしまうことも気になる。キャスター付きの椅子などを引いたら傷んでしまう。高度経済成長期に洋風のライフスタイルが広がり、嫁入り道具として家具をそろえることが豊かさの象徴とされたこともあって、室内に置く家具の種類が多くなった。家具と和室の相性の悪さも、和室が敬遠されるようになった理由の一つだろう。
 近年は洋服ダンスは備え付けのクローゼットに、整理ダンスはプラスチック製のボックスへと、家具も減る傾向にあるのだが、ベッドを布団へ、とはあまりならないようだ。もしかすると、椅子式生活が定着し、床に直接寝たり座ったりする生活スタイルが消えつつあるのかもしれない。
 湿気が多い日本では、気楽なこともあり靴を脱ぐ生活スタイルは残りそうだが、他の暮らし方は洋風化が相当進んだ。もしかすると、和室との付き合い方自体が、忘れられつつあるのかもしれない。」
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 2023年1月27日16:40 YAHOO!JAPANニュース メ~テレ(名古屋テレビ)「ドイツの大工職人、日本の伝統的な木造建築技術を学ぶ
 ドイツの大工職人が愛知県の建設会社で、日本の伝統的な木造建築技術を学んでいます。
 ドイツでは若手の大工職人が、約3年間旅修業を行うのが伝統です。
 日本での修行を希望したアーミン・パチェンスさん(20)を、北名古屋市に本社を置く新和建設が、受け入れました。
 パチェンスさんは今月16日から研修を受けていて、きょうは一宮市にある明治34年に建てられた古民家でリフォームの工事に参加し、大工の棟梁から「のみ」の研ぎ方や使い方などを学びました。
 「日本独自の道具の使い方や、日本の建築技法がどうなっているかを学び、知識をつけたい」(アーミン・パチェンスさん)
 パチェンスさんは2カ月間研修を受けることになっています。
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