🎑111)─2─官製クールジャパン機構によるアニメ・和食の海外展開支援は巨額な赤字で無駄に終わる。~No.252 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 超エリート層である高学歴の政治的エリートと進歩的インテリには、マルクス主義価値観かキリスト教原理から民族的な歴史力・伝統力・文化力・歴史力そして宗教力がない為に理解できず、高額な予算を注ぎ込んで如何なる手段を使ってクールジャパンは「中身のない、実体のない、内容もない、無味乾燥的箱物投資」で終わって失敗する。
 それは、バブル崩壊からの現実である。
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 2022年11月23日 YAHOO!JAPANニュース SmartFLASH「クールジャパン機構「アニメ・和食の海外展開支援」のはずが赤字300億円超「国が旗振ったところでみんな引く」の冷めた声
 「クールジャパン機構」は六本木ヒルズ森タワー17階という“超一等地”にオフィスを構える
 政府の肝いりファンド「クールジャパン機構(CJ機構)」が危機に瀕している。累積赤字が309億円に膨らんでおり、廃止の可能性もあるというのだ。
 11月22日に開かれた財務省の審議会で、経済産業省はCJ機構の改善計画を示し、2025年度には収支を黒字転換させるとした。しかし、審議会の委員からは「成果が上がらなければ、廃止か統合するしかない」など、厳しい意見が出たという。
 CJ機構は、国と民間企業が出資してきた官民ファンドのひとつで、日本のアニメや日本食の海外展開支援を目的として、2013年に設立された。国の主導によって、これまで56の案件に対し、総額1309億円を投資してきたものの(2022年11月現在)、そのほとんどが失敗したとされている。
 その失敗例のひとつが、マレーシアの首都、クアラルンプールの百貨店「ISETAN The Japan Store」だ。CJ機構が約9億7000万円(49%)、三越伊勢丹ホールディングスの現地子会社が10億1000万円(51%)を出資し、2016年にオープンしたものの、売り上げは伸びず赤字が拡大。開業からわずか1年半後には、CJ機構がすべての株式を売却し、撤退する事態となった。苦戦した理由は、現地の物価とは大きくかけ離れた価格設定や、品ぞろえとみられる。株式の売却額は不明だが「出資額の半額程度」との報道もある。
 また、映像コンテンツの海外展開のため、アニメ配信会社「アニメコンソーシアムジャパン」や衛星放送会社「WAKUWAKU JAPAN」などに投資をおこなったものの、「Netflix」などに押され、失敗。多額の損失を出している。
 SNSには
 《結局流行りを作るのは消費者だからね。国が上に立って旗振ったとこで逆にみんな引いてしまう。あくまでもサポート的役割だけでよかったんだよ》
 《「クールジャパン」などという、かっこ悪さの煮凝りみたいなネーミングを通してしまうキャリア官僚や政府内閣がコンテンツ事業で成功できるわけがなかろう》
 《民間でここまで無計画に赤字出したらクビどころの話じゃないですよ》
 など、批判する声が多数ある。
 「2021年、内閣府の規制改革・行革担当大臣直轄チームが作成したレポートによれば、CJ機構の役員ひとり当たりの人件費は年間1325万円。オフィスは六本木ヒルズにあり、ひとり当たりの家賃は292万円となっています。投資の失敗だけでなく、こうした金銭感覚が赤字をより一層大きなものにした、という指摘もあります」(週刊誌記者)
 赤字が問題となっている官民ファンドはCJ機構だけではない。「海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)」は145億円、「海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)」は112億円、農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)」は141億円と、それぞれ100億円超の累積赤字を抱えている。CJ機構の309億円を合わせると、4つの官民ファンドで累計赤字は707億円にもなる(2022年3月時点)。
 あまりに“クール”じゃない話に、頭がクラクラする……。」
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 12月15日 MicrosoftStartニュース 東洋経済オンライン「観光やアニメがソフトパワーという日本の大誤解 地盤沈下止めるため技術力と「価値観」の確立を
 武居 秀典 の意見
 2022年11月は世界的な「外交」の月となりました。タイではAPECアジア太平洋経済協力)首脳会議、インドネシアではG20(20カ国・地域)首脳会議、エジプトでは国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)が開催され、新型コロナの影響で途絶えていた「対面での首脳会議」もさまざまな場面で行われました。
 国際社会での日本の存在感は薄くなるばかりだ。写真は11月13日、カンボジアでの日米韓首脳会合(写真:The New York Times
 © 東洋経済オンライン
 岸田文雄首相も、APEC首脳会議、G20サミットに参加し、アメリカのバイデン大統領との会談の他、習近平国家主席との日中首脳会談も3年ぶりに開催されました。しかし、いずれの会議・会談でも、大きな成果は見えず、国際社会における日本の存在感の希薄さを再認識させられました。この背景には何があるのでしょうか。
 国際社会での発言力の裏付けとは
 国際社会において、各国は基本的に平等です。国連の「一国一票制度」がそれを象徴しています。しかし、実際には、発言力の大きな国があり、そのような国は、他国が一目置く「強み」を持っています。最も発言力が大きいのが、世界最大・最強の経済・軍事大国であるアメリカです。
 中国も成長余力のある巨大な自国市場を武器に発言力を高めています。
 EU欧州連合)は、英国離脱に加え、ウクライナ情勢対応や対中戦略でも一枚岩になりきれず、頼みの「結束力」に陰りが見えますが、侮れないのが、気候変動や人権、国際会計・税制などに関する「国際的なルール作り」への影響力です。
 軍事力や経済力のようにわかりやすいものではありませんが、国際社会において、この力は非常に重要です。
 その他、東南アジア諸国などの新興国は、経済規模は小さいですが、成長性、潜在力をてこに存在感を高めています。オーストラリアや中東産油国は、資源やエネルギー供給国としてのポジションを大きな武器にしています。
 「外交」というと何やら難しい話に聞こえますが、簡単に言ってしまえば、各国が、自国の「強み」をアピールし、「逆らったら、損するぞ(=強制)」「仲間になれば、よいことあるぞ(=報酬)」と言い合いながら、少しでも自国に有利な状況をつくりだそうとしているわけです。
 では、国際社会で一目置かれる日本の「強み」は何でしょうか。日本は、今でも世界第3位の経済大国ですので、それなりの「強み」はあります。ただ、かつて世界の国々を惹きつけた経済成長力や技術力は失われ、少子高齢化・人口減少、長期にわたる経済停滞によって、国としての魅力や強みは大きく低下しています。
 このようなことを言うと、「日本には、素晴らしい観光資源や、おもてなしの心があり、礼儀正しい日本人や質の高いアニメ・ゲームは世界でも評価されているではないか」との声が出てきます。いずれも国民として誇るべきものですが、国際社会で「外交の力となるような強み」ではありません。
 ある国と日本の関係が悪化し、日本がその国の観光客を締め出しても、旅行したい人は違う国に行けばいいだけで、その国自体も困りません。
 「国の力関係」が顔をのぞかせる瞬間
 コロナ下の中国では、日本企業の駐在員や家族のビザがなかなか発給されないときでも、アメリカ企業やドイツ企業は簡単にビザを取得できていました。中国政府としては「強いアメリカとは事を荒立てたくないし、ドイツの技術力は欲しいけど、日本は……」ということなのでしょう。こうしたちょっとしたところにも「国の力関係」が見え隠れします。
 裏庭でこんなものが見つかるとは夢にも思いませんでした!
 日本では、今、「防衛力強化」の動きが加速しています。これは、国際社会で発揮できる「強み」が失われ、存在感が低下してきているという「焦り」とも無縁ではありません。考えなければならないのは、こうした防衛力強化が、本当に、中国や北朝鮮の行動抑止に効果があるのか、国際社会における日本の発言力や影響力の向上につながるのかどうかです。
 日本との過去の歴史を決して忘れていない東南アジア諸国との関係にどのような影響がでるのかも考えるべきです。いつまでもアメリカに頼っているわけにいかないから、という議論もあるようですが、それであれば、戦後の日本の国家戦略の大転換ですので、小手先の話ではなく、もっと、国民を巻き込んだ抜本的な議論が不可欠です。
 よく考えれば、仮想敵国に対する抑止効果も見えにくく、コストもかかる「防衛力強化」に頼らずとも、日本が国際社会で一目置かれ、外交力を高める手段はあります。ひとつは「科学力・技術力」です。経済安全保障上のカギである「強固なバリューチェーンの構築」においても、これらは不可欠な要素です。
 残念ながら、現在は、かつての優位性は失われ、アメリカはおろか中国にも後れを取るようになってしまいました。
 しかし、五輪や万博のような「イベント」頼みの経済政策から脱却し、地道に「科学力・技術力」を向上させることを国家戦略の基軸に定め、かつての「技術の日本」の復活を真剣に目指すべきと思います。その潜在力・可能性はまだかろうじて残っていると思います。
 もうひとつは「ソフトパワー」です。ソフトパワーとは、ハーバード大学ケネディスクールのジョセフ・ナイ教授が唱えた概念で、軍事力や経済力(ハードパワー)ではなく、その国の文化や価値観などに対する共感を得ることにより、国際社会からの信頼や、発言力を獲得する力と定義されています。
 30年以上前に提唱されたものですが、これこそ資源に乏しく軍事力に頼らない日本が、今でも積極的に検討すべき概念です。
 日本でも過去、議論されてきましたが、結局「日本のソフトパワー」=「アニメやゲーム、観光資源、伝統芸能」の話しかでてきていません。いわゆる「クールジャパン」です。
 ソフトパワーの根源は価値観だ
 確かに、これらも重要な要素ですが、ソフトパワーの肝は、民主主義や人権、差別撤廃、気候変動などについて、どう考えるかといった「価値観」にあります。世界から共感され、尊重される価値観を持ち、それに向けて具体的にどう行動するか、国際社会でリーダーシップをどう発揮するかが問われているのです。
 しかし、今の日本は、入管施設収容外国人に対する扱いなどについて国連機関から再三にわたる是正勧告を受け、外国人技能実習制度は、アメリ国務省から「人身売買」と指摘されている状況です。
 昨年の東京五輪では、政治家を含む関係者からの差別発言や人権軽視発言が相次ぎ、さらには汚職事件も表面化し、無様な姿を世界にさらけ出しています。これでは、いくら、日本の文化・芸能・観光をアピールしても、世界から一目置かれることはありません。
 価値観と、その実現に向けた「国際社会でのリーダーシップ」を軸とした「真の日本のソフトパワー」のあり方を考え、これを世界に打ち出し、行動していくことを今一度模索していくべきです。
 日本は先の大戦後、先人達が、資源もない中で生き残るために何が必要かを考え、行動し、技術力を武器に経済大国の地位にまで上り詰めました。台湾、北朝鮮などをめぐる国際情勢が緊迫化し、ますます「外交力」が求められる中、日本が世界から一目置かれる国になるためには何をすべきか、改めて英知を集めて考えるべきだと思います。
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