🕯184)─2・A─日本人は無条件無制限有神論者であって無宗教論者でも反宗教主義者でもなかった。〜No.386 

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 日本民族の宗教観は、数万年前の旧石器時代縄文時代から受け継がれてきた伝統的価値感である。
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 2022年2月29日 MicrosoftNews プレジデントオンライン「旧統一教会問題がクローズアップされる中、どうも腑に落ちない「日本人は無宗教」という誤解
 © PRESIDENT Online ※写真はイメージです
 「日本人=無宗教」は本当なのか。ジャーナリストで僧侶の鵜飼秀徳さんは「日本人の生活の中に“信仰”が深く根付いているから、あえて宗教を意識しないのではないか。ただ、20歳前後の大学生を調査すると6割以上が死後の世界や霊魂の存在を信じていることがわかった」という――。
 旧統一教会問題が注目されているが、日本人=無宗教
 故安倍晋三元首相が銃弾に倒れて以降、旧統一教会問題がクローズアップされている。だが、これまでメディアではしばしば、「日本人の多くは無宗教であり、宗教離れが顕著」といった文脈で語られることが少なくなかった。また、自分は「無宗教」「無神論者」であると自認する人も多い。しかし、「日本人=無宗教」は本当なのか。本稿では日本人の、宗教との関わりをひもといていきたい。
 日本人の宗教性はしばしば、欧米のキリスト教との比較において論じられる。米調査会社ピューリサーチセンターは米国人のうちキリスト教徒は約64%で、ユダヤ教イスラム教、仏教などのキリスト教以外の信者が約6%、無宗教者は約30%と報告している。
 しかし今後、米国のキリスト教徒は急激な減少に見舞われる見通しだ。2070年までに無宗教者の割合が全人口のうち34〜54%に拡大するとみられる。
 その背景のひとつに、信仰の切り替え(宗教アイデンティティーの転換)がある。米国では現在、キリスト教信者の家庭に生まれた子どものうち、約31%が15〜29歳までの間に無宗教者に転じているとされている。
 背景として米国では、近年「イエの宗教」から「個の宗教」への転換が急激に進んでいる。つまり、祖父母や両親が熱心なキリスト教信者だからといって、自分も教会に通うとは限らないのだ。
 しかも、現代はネット社会だ。ネットを通じて、自分好みの「教え」や「宗教者」に自由にアクセスできる。例えば、マインドフルネスなどを入り口にして、ユーチューブなどの動画を見ながら、「ZEN(禅)」を実践する。とはいっても、特定の宗教団体に所属することはないのだ。
 では、日本はどうか。NHK放送文化研究所が参加している国際比較調査グループISSPは2019年、日本人の宗教意識についての調査を発表している。それによると、日本人全体のうち「宗教を信仰している」割合は全体の36%に過ぎなかった。これは米国の半分に近い水準である。
 宗教を信仰している人の割合は、前回調査の2008年時点の38%より2ポイント下げている。この割合を見ると、確かに、日本人は無宗教だといえるかもしれない。ちなみに宗教を信じる人のうち「仏教」と回答した割合が31%、神道が3%、キリスト教が1%となっている。
 家にミニチュア寺院と神社を構えるのは日本人くらい
 参考までに、日本のほかに「無宗教」の割合が高い国は中国、北朝鮮チェコエストニアなどである。
 中国共産党無神論を掲げ、文化大革命期には宗教施設に対する破壊が行われた。現在の中国は宗教に関して比較的寛容とされているが、文革時代の影響を少なからず引きずっている。チェコも戦後の長きにわたって、共産政権時代が続いた。独裁国家北朝鮮においては、そもそも信教の自由がない。バルト三国エストニアは、ソ連に併合されていた時代の宗教に対する抑圧が影響している。
 ちなみにロシアは、共産主義時代は宗教を否定していたが、ソ連邦崩壊によって信教の自由が認められ、現在ではロシア正教がおよそ4割を占めている。現在、ロシアでも無宗教の割合が多いとされているが、日本ほどではない。
 日本は明治維新時の廃仏毀釈(きしゃく)を除けば、伝統教団への宗教弾圧はあまりなかった。むしろ、歴史的には国家が仏教や神道を庇護してきた経緯がある。なのに「無宗教の割合が多い」という珍しい民族なのだ。
 しかし、「日本人は本当に無宗教なのか」を、疑ってみたい。
 ISSP調査の「神仏を拝む頻度」の設問では、「1日1回以上」が17%、「月1回〜週数回」が14%、「年数回」が48%であった。「ほとんどない」は21%だった。この設問では、8割の日本人が「神仏を拝む」ことを拒絶しているわけではないことがわかる。
 確かに年中行事を見回しても、日本人は一年に何度も宗教に接している。正月の初詣でには1億人近い人々が神社や寺院に足を運ぶ。また鬼を追い払う節分、春夏のお彼岸、お盆、地域のお祭りなど、伝統的な宗教儀式のほか、それぞれの家庭では仏壇や神棚を祀り、死者が出れば法要を繰り返し実施する。
 仏壇はミニチュアの寺院であり、神棚はミニチュアの神社だ。自宅の中に、小型の宗教施設を構える国民は日本人くらいのものである。
 また、お盆の帰省は、お墓参りがセットであることが多いはずだ。お墓参りのために、高速道路の渋滞が何十kmもでき、新幹線は乗車率200%超というすさまじい混雑が生まれるのである。
 もっといえば、食事の前の「いただきます」「ごちそうさま」は、自分が生きるために犠牲になってくれた「命」に対する懺悔の表現といえる。これも立派な宗教行為だ。
 こうしてみれば、日本人はかなり日常的に宗教に関わっているといえる。むしろ、生活の中に信仰が根付き過ぎているからこそ、あえて「宗教を意識しない」といえるのかもしれない。
 シャイな日本人は、他者から信仰を問われれば無宗教を標榜するものの、決して「無神論者」ではない、といえる。
 20歳前後の6割以上「死後世界や霊魂の存在を信じる」
 私は近年、二十歳前後の若者の宗教観を調査してきた(2022年、東京農業大学の1~4年生を対象。有効回答数1105)。
 例えば、「あなたは死後世界を信じるか」についての設問がある。そこで、「はい」と回答したのが62%と過半数を占めた。また、「あなたは霊魂の存在を信じるか」については66%が「信じる」としている。
 さらに、「あなたや、あなたの葬式はどの宗教で行うか」では、「仏教式」が75%と多数を占めた。「神道式」は6%、キリスト教式は3%、その他の宗教が3%、無宗教式が13%だった。
 死を迎える時には、仏教のお世話になりたい。そう多くの若者が考えているのは意外だった。葬儀において何らかの宗教を選択するとの意識は、それこそ立派な信仰の証しといえるのではないだろうか。

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