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古代文明は、生命を失った死の遺跡に過ぎない。
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2022年9月20日 産経新聞「砂漠化で滅んだ文明 異常気象は地球の悲鳴だ 鹿間孝一
気象庁はこの夏の猛暑が「異常な状態だった」との見解を示した。このところ雨の降り方も尋常ではない。「数十年に1度」の豪雨が頻発する。めったにないから異常なのであって、異常気象はもはや通常である。
日本だけでなく、世界各地で異常気象に見舞われた。ヨーロッパは熱波に襲われ、フランス、スペイン、ポルトガルなどで山火事が相次いだ。中国は記録的な干魃(かんばつ)で農作物に甚大な被害が出ている。なかでもモンスーンによる豪雨で国土の3分の1が水没したというパキスタンの大洪水が気になる。
40年前、パキスタン南東部にある世界遺産、モヘンジョダロを訪ねた。世界四大文明の一つ、インダス文明(紀元前2500年~1700年)の都市遺跡である。モヘンジョダロは「死者の丘」という意味で、1920年代に三十数体の白骨の遺体が見つかり、続いて数えきれないレンガが掘り出された。砂漠のように乾燥した大地に古代の大都市が眠っていた。
1・6キロ四方に広がる遺跡は、整然とした都市計画によって造られていた。市街地を幅約8メートルの大通りが東西南北に貫き、さらに小路で碁盤の目のように細分化される。大きな建造物としては、大浴場とされる12×7メートルのプールが目立つが、支配者の宮殿はない。出土品も銅製のナイフなど生活道具ばかりで、武器は見つかっていない。
驚くべきは、建物も街路もすべてレンガでできていることだ。それも日干しレンガではなく、頑丈な焼成レンガである。近くにインダス川が流れ、水運を利用した交易で栄えた。盛時には4万人が居住したと推定される。
インダス川はしばしば氾濫を起こし、街は土砂で埋まった。その都度、レンガを積み足して再建した。そのため遺跡は何層にもなっており、発掘された円筒形の井戸は塔のように高くそびえている。
モヘンジョダロが突然、歴史から消えた理由には諸説ある。無防備だったため、西方から侵入したアーリア人に滅ぼされたとか、突飛なものでは古代の核戦争説もあるが、大量のレンガを焼くために周辺の緑が伐採され、気候が変わって砂漠化したとの説が有力である。
おわかりだろう。歴史は繰り返すのである。化石燃料の使用によって二酸化炭素などの温室効果ガスが増加し、気候変動を引き起こしている。
熱波に大洪水、干魃などの激甚化した気象災害は、温暖化が加速する地球の悲鳴に聞こえる。」
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