⛩20)─5・C─出汁文化。和食の決め手の出汁は日本の軟水しか出せない。〜No.43 

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 2022年5月26日 MicrosoftNews まいどなニュース「外国人「アメリカじゃダシなんか出ねぇよ!」 日本の「出汁文化」と「軟水」のすごさが話題に
 日本の出汁文化と水の硬度の関わりがSNS上で大きな注目を集めている。
 水の硬度と出汁文化の関わりが話題になっています(イメージ画像)
 きっかけになったのは
 「今さっき、日本に来ている外人に聞いたんだが、
 『日本の水、軟水なのすげぇな!ダシがめっちゃでるよ。アメリカじゃダシなんか出ねぇよ!』と言われて、日本の出汁文化が珍しいのこれ、軟水のせいじゃねぇのと思うなど。」
 という島国大和さん(@shimaguniyamato)の投稿。
 確かに出汁を煮出すのに使う水は硬度0~30くらいの軟水が適していると言われる。日本の水は沖縄を除きほとんどが軟水であるのに比べ、アメリカやヨーロッパの水は硬水であることが多いので、水の硬度と食文化の成立には大いに因果関係がありそうだ。
 島国大和さんの投稿に対し、SNSユーザー達からは
 「硬水だと出汁でないんだ…初めて知ったであります」
 「同じ日本でも地域・水系によって水の硬度が違うので、お茶や料理は地域によって微妙な味の差が出るそうです(なお、米国でもたとえばニューヨークの水道水は軟水だと)」
 「特に昆布出汁は硬水に含まれるカルシウムと昆布のミネラルが結合し、アクと磯臭さがでて旨味がうまく出ません。関東は硬水寄りのため昆布出汁が美味しく出ないので、鰹出汁文化が定着したとの事でした」
 「沖縄は浄水場で硬度低減化が図られているようですね。井戸水を使っていた頃の料理文献を見ても、特に硬水で困っていた様子は見られないので、従前よる海外の硬水と比べたら硬度が低かったのでしょうね」
 「同じ感じでお茶も硬水で入れるとクソ不味くなるよな この前コントレックスで1L分の茶作ってみたけど不味すぎてすぐ捨てたわ」
 など数々の声が寄せられている。
 今回の反響について「特につぶやいたままですが、予想以上に多くの反響があったので以外でした」と島国大和さん。
 島国大和さんはこの他にも以下のように考察しているが、読者のみなさんはどのようにお考えだろうか。
 「逆に言うと、肉煮込む料理は硬水向きだよね。(トンポーローとか)塊肉を硬水で煮込むと柔らかくホロホロになりやすい。
 (中略)
 硬水はアクが出やすいから、日本食が軟水ベースで繊細な味を追うのはなんとなく理解できる」
 「日本茶がミルクも砂糖も入れないのが基本なのも軟水だと渋くならぬってのが大きそう」
 スーパーマーケットやコンビニエンスストアではさまざまな硬度の水が売られているので、料理をする際に使い分けてみると面白いかもしれない。
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島国大和さん関連情報】
Twitterアカウント
https://twitter.com/shimaguniyamato
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)
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 特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター
 日本が誇るだし文化
 だし:おいしさは、
 だしのうま味で決まる
 バリエーション豊富で視覚的にも美しい和食ですが、目に見えないところにも、その魅力を支える要素があります。それは、「だし」と呼ばれる一見シンプルな要素です。だしは和食の基本ともいえるスープで、見えない形で多くの日本料理に使われています。
 和食の画像
 だしが他のスープと異なるのは、西洋のブイヨンのようにシンプルな材料を長時間煮込むのではなく、時間をかけて熟成させた材料を厳選して使い、水に浸すだけ、または、短時間火にかけるだけで、素材が持つ風味のエッセンスそのものを抽出するという点です。
 昆布だしの画像
 だしには昆布とかつお節を組み合わせて使うのが、もっとも一般的です。だし作りに使われる材料には、他に椎茸や煮干しがあります。だし作りは長い年月を経て進化してきました。煮るという調理法は、日本では縄文時代(紀元前13000年~300年頃)から利用されていたことが分かっています。貝や魚の骨から取ったスープを、他の料理の味付けに使っていたようです。
 かつお節だしの画像
 7世紀頃には、昆布とかつお節を使っただしが登場しました。これがさらに改良され、日本になくてはならない調理用スープとなっていったのです。一般的に、一番だしと二番だしという二つの形で使われています。 だしは陰で支える役割でありながら、和食の中心的存在といえます。だし自体の味が特別なのではなく、他の材料の味を引き立て、調和させる力に優れているからです。和食の秘密は、味を引き立てつつ調和させるこの技術にあります。
 うま味 だしの味の鍵
 だしの不思議な力の鍵を握るキーワードが、うま味です。 1908年、東京帝国大学の池田菊苗教授が、昆布だしに、基本味の甘味、塩味、苦味、酸味のどれを組み合わせても説明できない味があることを発見しました。池田教授は、この味のもととなる成分がグルタミン酸であることを突き止めます。そして、この味を「うま味」と名付けました。
 池田菊苗の画像
 その後、1913年にはイノシン酸、1957年にはグアニル酸もうま味成分であることが発見されました。1980年代以降、さらなる研究が進み、うま味は第五の味覚として世界中で幅広く認められるようになりました。だしの材料はどれも、うま味のもととなる物質を多く含んでいます。昆布は、世界中の食材の中でもトップクラスのグルタミン酸含有量を誇ります。
 かつお節と煮干しにはイノシン酸が、干し椎茸にはグアニル酸が多く含まれています。うま味の効果は複合的です。それ自体が5番目の味でありながら、相乗効果もあるのです。二つのうま味成分を組み合わせると、うま味が増し、食材の単なる足し算以上の効果を生み出します。うま味には、他の味を引き立てる役割もあり、その染み込んだ食材に豊かで新鮮な味わいをもたらします。
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 この国の味、ここから。
 にんべん
は日本独自の食文化ではなく海外にもあった! 海外のだしについて
 「だし」は日本独自の食文化ではなく海外にもあった! 海外のだしについて
 最終更新日:2021年11月22日
 公開日:2019年4月2日
 「だし」は日本独自の食文化ではなく海外にもあった! 海外のだしについて
 だしは海外でも「料理のキモ」
 だしは日本が世界に誇る文化のひとつです。しかし、だしが日本のものだけではないことはご存知でしょうか。例えば、ヨーロッパであれば、ストックと呼ばれるスープを料理に使います。ストックは骨付き肉や野菜、ハーブなどの香辛料を、時間をかけて煮だしたものです。また、フランス料理でも料理の決め手となるのはソース。ソースはフォンと呼ばれるだしをベースに作ります。だしのうま味は世界で共通して愛されているのです。
 目次
 海外にもあった「だし」
 「おいしいのに簡単」な日本のだしを堪能しよう
 海外にもあった「だし」
 だしは決して日本固有の調理ではありません。しかし、日本料理の真髄はだしにあるといっても過言ではないでしょう。日本文化への注目度が高まるなかでも、だしは特に世界的な評価をされています。
 海外へ進出する日本食店のなかには「だし」をウリにしたところも
フレンチではソースが重視されるのと同様、日本料理ではだしが全てと言われることもあります。日本のだしの風味は日本人にしかわからないかというと、そうとは限りません。実はアメリカの中心、ニューヨークでもだしが注目されはじめているのです。まるでコーヒーをドリップするように丁寧に抽出しただしは、カジュアルなドリンクのようにニューヨーカーたちに愛飲されています。海外に進出する日本食店では、だしをイチオシにしているお店も登場しました。
 まただしの存在はアメリカの家庭料理にまで波及しはじめています。あるアメリカの料理教室では昆布とかつおぶしを使っただしの取り方を教えています。参加者の中にはだしを飲むこと自体が初めての人もいるでしょう。しかし、だしは手軽に作れるスープとして徐々に受け入れられるようになりました。だしを使った料理にはさまざまなバリエーションがあります。うどんやみそ汁など日本料理の普及にもだしが貢献しています
 日本食は海外ではレストランでしか食べられない特別な食事です。しかし、近年では世界中の食品がスーパーで販売されています。外食から家庭料理まで、日本のだしが世界中で受け入れられる日はそう遠くないかもしれません。
・日本の「だし」が人気の理由は「旨味の質」の違い
 だしであれば日本に限らず、ヨーロッパや他のアジア圏でも食べられています。しかし、どうして日本のだしが注目されているのでしょうか。その理由はうまみの質にあると言われています。和食の基本となるのは、かつおぶしと昆布の一番だしです。これは西洋のスープと同様、グルタミン酸イノシン酸が含まれるだしです。西洋のだしはじっくりと煮だすため、強くて厚みがある旨味が特徴です。一方で、日本のだしはスッキリとした旨味が特徴となっています。この2つを上手に組み合わせることによって、それぞれの足りない部分を補うこともできるのです。
 「おいしいのに簡単」な日本のだしを堪能しよう
 日本のだしが注目されるのは、家庭でも再現が簡単なことも理由でしょう。西洋料理のだしは野菜や肉を炒めて、長時間野菜を煮込む工程があります。テクニックが必要なうえ、家庭では鍋に付きっきりで火加減を調節してアクをとり続けることは難しいでしょう。
 一方、日本のだしは手軽に作ることができます。簡単に作るのであれば、昆布のだしは水につけるだけ、鍋を火にかけて引き上げるだけでもおいしいだしが取れます。かつおぶしだしも、電子レンジでとることができます。にんべんの商品には「だしポット」をはじめとした手軽にだしを取れるアイテムも多く取り揃えています。ぜひ、日本の伝統が生み出した繊細なうまみを家庭でも体感してみましょう。
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 日本が誇るダシと、美味しいダシの歴史!
 目次
1. 世界に誇る日本のダシ!
2. 日本のダシが生まれるまで
3. なぜダシは日本の食文化に不可欠になったのか?
4. 乾物が生み出す極上の出汁
5. 世界に羽ばたく和食とダシ
 世界に誇る日本のダシ!
 今『日本のだし』が世界中から注目されています。
 2013年12月に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、その和食の基本である『だし』は世界に知られるようになりました。丁寧に取られただしが素材の味を引き立て、「うま味」を引き出すのが和食の特徴。出汁なくしては、和食を語ることはできません!
 ではこの世界に誇る『日本のおだし』はいつごろ生まれたのでしょうか?
 ここでは日本の美しいお出汁について、お話ししたいと思います!
 日本のダシが生まれるまで
 日本のだしの歴史については各時代で文献に残されています。
 年代ごとにさかのぼって出汁の歴史を見てみましょう!
 だしの代表的な素材である『昆布』と『かつお』の歴史はとても古く、なんと700年ごろ(奈良-飛鳥時代)にはその名前が文献に登場しています。1,000年以上前ですね!
 文献を見ると当時からどちらもかなり重宝されていたことがわかります。ただこちらの文献の中にはまだ「だし」という言葉はなく、「だし」という意味の言葉が文献に登場するのは、まだまだ先なんです。
 出汁の記載が見られる料理書が登場するのは江戸時代初期のあたりで、料理書には出汁について書かれています。
 この料理書には調理方法をはじめ魚や鶏の取扱い方法、飲食の作法などについても紹介されているのですが、その中で調理する際にかつお節を使った「だし」についてや出汁をとる時にだし袋を使っていたと書いてあるんです。
 江戸中期には昆布と鰹節との「合わせ出汁」が文献に登場します。
 この頃には昆布のうま味とかつお節のうま味、2つを合わせることでさらに出汁のうまみが増すということが人々に知られていたんですね。
 この頃江戸では蕎麦が広まり、関西ではうどんが広まったことから、さらにダシの利用が定着していったようです。
 ですがま昆布や鰹はまだまだ高級品だったので、庶民には手が届かない存在。今でも昆布やかつお節に高級なものはありますが、この頃は今よりもずっとずっと高級品として扱われていたんですね。
 実際に一般庶民に出汁が普及していったのは明治ごろで、明治時代の料理書の中には一番だしと二番だしの取り方が紹介されています。
 なぜダシは日本の食文化に不可欠になったのか?
 出汁が日本の食文化に欠かせない存在というのは皆さんが感じるところだと思いますが、なぜそんなに大切な、必要不可欠なものになったのでしょうか?
 その理由のひとつに日本特有の食に対する考え方があったと思われます。
 日本では江戸時代初期ごろまで、家畜を食べる習慣がほとんどありませんでした。これは日本に仏教の肉食禁止の考え方が広まっていた事や、肉食禁止令が度々発令されていたことが原因にあると考えられます。なので、明治天皇が肉食を解禁するまでは肉食禁止は国策だったというわけです。
 ただ禁止令が出ている中でも庶民を中心になんだかんだで食肉を食べていたんですが、やはりそれでも他の国々に比べて極端に肉を食べない民族であったことは間違いありません。
 その結果、日本人の主要食材は米を中心とした穀物と魚介類、野菜となったというわけです。
 ですが、これらの穀物・野菜といった菜食!という感じの食材は肉のうま味に比べるとどうしても劣ってしまいます。そこでこのうま味を補うために発展したのが「だし」だったんです。
 日本人の食に対する熱意はハンパないですね!
 宿坊などで食べられる精進料理は神社仏閣の厳しい教えにならって作られたお料理ですが、近年宿坊に泊まってこの御膳をいただくというツアーなどもありますよね。この非常にシンプルな精進料理が美味しく感じられるのも、日本人の食材に対するリスペクトがあるからかもしれません。
 乾物が生み出す極上の出汁
 世界を見てみると素材自体が強い旨味を持つ料理が多く、肉料理には肉からとったダシを、魚料理には魚からとったダシを使って調理するというように、同じ素材からとったダシを使うことがほとんどです。
 そういったお料理に使われるダシは動物系の肉や骨を何時間もかけて煮出して旨味を積み上げて作っています。
 一方で日本ではかつお節や昆布など乾燥加工された素材を使って短時間でダシを取っています。短時間でダシをとる…というと手抜き?なんて気がする方もいるかもしれませんが、それは違います!
 このダシをとるかつお節などの原料の生産には非常に時間と手間がかかるんです。
かつお節で半年、昆布で2年以上かけるものもあります。その乾物として完成されたうま味の塊から出汁を取り出し、食材と組み合わせることで美味しい料理ができあがるということなんです。
 スープが主食となる海外に対して、お吸い物なども含め徹底して脇役に徹して素材の味を引き出すのが日本の“おだし”で、これはまさに世界に誇れる日本独自の食文化が生み出した宝だと思います!
 世界に羽ばたく和食とダシ
 寿司やラーメンとはまた違って世界中で注目されている和食とダシ。
 かつお節に興味を持って仕入れるフランスのシェフや視察に来る海外からの食品関係者も増えています。
 手間ヒマをかけてつくられた節や煮干し、昆布などからつくられるダシは日本の料理全般に使われています。実はラーメンにも確実に使われているんです。
 長い歴史の中で品質と味を保ち続けてきたダシなので、お店の味をアップするため、おいしさを際立たせるためにぜひ使ってください!
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