💍22)─3─正統性男系父系天皇維持を目的とした皇籍復帰は「門地による差別」ではない。〜No.89No.90 

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 世界は日本と違って「門地差別」が弱く少ない。
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 1月31日 MicrosoftNews 日刊SPA!皇籍復帰は「門地による差別」という誤解/倉山満
即物的なことを言えば、皇室は最強の外交カードである
 平成時代、「国民とともに歩む皇室」であり続けた。災害があるたびに天皇陛下は駆け付け、ひざを突き合わせて国民を励ました。言葉を選ばずに言うと、平成時代の天皇陛下は「親しみやすいお父さん」であった。こうした皇室の姿を国民は当たり前と考えていないか。
 「新年祝賀の儀」で衆参両院議長から挨拶を受けられる天皇陛下皇后陛下。各党で議論が始まった「皇位継承に関する有識者会議」の報告書だが、意見が集約される日はいつなのか 写真/産経新聞社© 日刊SPA! 「新年祝賀の儀」で衆参両院議長から挨拶を受けられる天皇陛下皇后陛下。各党で議論が始まった「皇位継承に関する有識者会議」の報告書だが、意見が集約される日はいつなのか 写真/産経新聞
 最近は、陛下や殿下を芸能人か何かと勘違いしていないか。開かれた皇室が、開かれすぎた皇室と化してきた。中には「もう、皇室なんかなくなってしまってもいいじゃないか」と言い出す人もいる。
 即物的なことを言おう。皇室は最強の外交カードである。国際社会では、歴史が古い方が問答無用で格が上だ。我が国は公称2682年、どこをどう少なく見積もっても1500年は一度も歴史が途切れることなく続いている。皇室は一貫して日本に存在し続けてきた。
◆王室を滅ぼして幸せになった国はほとんど存在しない
 ちなみに世界第2位の王室は、デンマーク。日本で言えば、『古事記』の伝説をすべて史実と認めるような感覚で、公称1100年だ。日本の皇室は世界で圧倒的な伝統を誇る。
 もし「もう、皇室なんかなくなってしまってもいいじゃないか」と言いたいなら、皇室をなくす積極的な意味を証明すべきだ。
 世界の歴史において、王室を滅ぼして幸せになった国はほとんど存在しない。かろうじてオスマン帝国をクーデターで転覆したトルコくらいか。ただし、トルコ共和国建国の祖のケマル・パシャは、明治維新を模範とし、執務室に明治天皇肖像画を飾っていたとか。例外中の例外だ。
◆皇室を残したい理由とは、そこに価値を認めるからである
 逆に、フランス革命にしてもロシア革命にしても、血で血を洗う混乱で、国民は地獄に叩き落とされた。カンボジアは国王自ら王制を廃止したが、ポル・ポトによる大虐殺を招き、国民の25%が殺された、反省の末に、今は王政復古している。
 王様がいる、それだけで国が安定するのだ。我が国でも政治の勝者を認定するのは天皇だった。源平合戦でも戦国時代でも、勝者は天皇に承認を求めた。日本の歴史は、どんなに戦乱で世の中が混乱しても、最後は天皇が認めることによって争いは終わる。アンパイアがいるから、殺し合い(ゲーム)が終わるのだ。ヨーロッパのように、国王も皇帝も教皇も全員がプレーヤーだと、行きつくところまで行きつかないと戦いは終わらない。
 だが、「外交カードである」とか「政治が安定する」とかの理由があるから、皇室を残すべきなのか。確かに、それらは重大な理由であるが、絶対ではない。逆を言えば、それらだけが理由ならば、外交カードとして機能しないなら、皇室の存在がなくても政治が安定するなら、廃止しても良いのか?
 結局、皇室を残したい理由とは、そこに価値を認めるからである。
◆伝統を受け継ぐ存在を残すことに価値を認めているのだ
 日本の歴史において、天皇を脅かす権力者は何人も現れた。蘇我、藤原、平、源、北条、足利、細川、三好、織田、豊臣、徳川。しかし、彼らの誰一人として、皇室を廃止しなかった。彼らは政治の最高権力を握ったが、「天皇から認められた存在」で甘んじた。理由は何か。一つには、皇室は自らの権力を手放し、権威として君臨する道を選び、政治から超越していたから。
 一つには、皇室を残す方が自分の権力を安定させるのに都合がよかったから。
 一つには、「天皇は日本国を創った神様の子孫だ」と認めていたから。要するに、伝統を受け継ぐ存在を残すことに価値を認めたからだ。
◆都合がよいから、立憲君主制と議院内閣制が模範とされる
 ちなみに、この原理は現代でも生きている。近代政治の模範は、イギリスの議院内閣制である。立憲君主の下に、最高権力者である総理大臣がいる体制である。北欧やベネルクスの国々、つまり普通の国立憲君主制の下で議院内閣制である。中国やロシアのような独裁国は論外として、アメリカやフランスのような大統領制は特殊である。王様がいない国でも、ドイツやイタリアはわざわざ「象徴大統領」の下で、議院内閣制を敷いている。
 日本にはそもそも立憲君主である天皇が存在するので、議院内閣制を受容するのは難しくなかった。
 大統領制の国では、行政権の長が国家元首を兼ねる。アメリカ大統領ですら、仕事の半分が儀式だ。それに対して議院内閣制の国では、儀式を行う最高権威である立憲君主と行政府の長である総理大臣は分離している。何かと都合がよいから、立憲君主制と議院内閣制が模範とされ、わざわざ「象徴大統領制」を導入する国まで出てくるのだ。
皇籍復帰は「門地による差別」という誤解
 軽く、あくまで軽く、皇室を残した方が都合良い理由を述べたが、世の中にはどうしても皇室を滅ぼしたい人はいる。日本が世界で一番格上の皇室を持っていることを悔しく思う悪意ある外国人は仕方ないとして、日本人の中にも無知ゆえに「皇室などいらないのでは?」と思う人もいるだろうし、「そこを曲げては皇室の歴史を変えることになる」と分からずに主張している人もいる。悪意の人はともかく、誤解ならば丁寧に解いていくしかない。さて、誤解の一例である。
 政府は「皇位継承に関する有識者会議」を開き、国会に対して報告書を提出した。内容は、GHQにより強制的に皇籍を剥奪された十一宮家の子孫の方々に、親王宣下を行うことだ。つまり、本来の身分である皇族として生きていただく。
 これに対し、憲法14条が禁止する「門地による差別だ」と反対する向きがある。理由は、今は一般国民として生きている方を皇族にすることは、他の国民に対する差別だと言うのだ。
◆一般国民が皇族になってはいけないなら、女性はどうなる?
 確かに日本国憲法は貴族制度を禁止している。これが門地による差別の禁止だ。憲法14条は、人権尊重の観点から法の下の平等を定め、その一例が門地による差別の禁止だ。だが、皇室はそもそも、人権の例外である。あらゆる日本国憲法の教科書に「天皇・皇族は人権の例外」と書いてある。実務においても、天皇・皇族は国民ではない。日本国憲法は第一章で皇室を認めているのだから、当然だ。
 一般国民が皇族になってはいけないなら、女性はどうなる? 太后陛下は正田さん、皇后陛下は小和田さん、東宮妃殿下は川嶋さんだった。現行法でも一般国民から皇族になることは認められている。
 そもそも旧皇族の方々は、本来ならば皇族として生まれてくるはずだった方々だ。何も問題はない。
 冷静に議論を進めたい。
 【倉山 満】
 ’73年、香川県生まれ。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務め、’15年まで日本国憲法を教える。ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰し、「倉山塾」では塾長として、大日本帝国憲法や日本近現代史、政治外交についてなど幅広く学びの場を提供している。著書にベストセラーになった『嘘だらけシリーズ』のほか、9月29日に『嘘だらけの池田勇人』を発売
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 開かれた王家の代表例。
 フランス・平民階級出身のジャン=バティスト・ベルナドット将軍は、スウェーデンノルウェー連合王国国王に即位してカール14世ヨハンと名乗った。
 フランス・マルセイユの絹商人フランソワ・クラリーの末娘デジレ・クラリーは、ベルナドット将軍と結婚して王妃となる。
 カール14世ヨハンとクラリー王妃の王太子がオスカル1世として即位し、ベルナドッテ王朝第2代のスウェーデン国王およびノルウェー国王となった。
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 世界の開かれた王家とは、人種・民族、出自・出身、身分・家柄、血筋・血統に関係なく、個人の才能・能力・実力で即位できる事である。
 王位の正統性は、宗教による王権神授説・帝位神授説である。
 王位の正当性は、憲法・法律による社会契約説である。
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 世界の王国・帝国は、自国民でなくても他国民でも国王に即位させ、他国の女性でも自国の女王・女帝に即位させた。
 そこには、外国人に対する偏見や差別は存在しなかった。
 その意味において、日本の皇室は閉ざされた王家として世界の非常識で、人種差別・民族差別・宗教差別そして女性差別を含んでいる。
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 西洋諸王国の即位する正当必須条件とは、人種は白人、民族はゲルマン系、宗教は西欧キリスト教、職業が王族か軍人、人物・才能・能力優先で血筋・家柄・身分・階級は二の次、女性でも即位可能である。
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 イギリスの歴代国王の出身部族は、先住民ケルト人を征服したアングロ・サクソン系、ノルマン系、フランス系、スペイン系、ドイツ系であった。
 ヴィクトリア女王の共同統治者である夫アルバート公子は、ドイツ人でザクセンコーブルク=ザールフェルト公エルンスト(後のザクセンコーブルク=ゴータ公エルンスト1世)の次男。
 イギリス人のヴィクトリア女王は、インド皇帝を兼ねてインドを統治した。
 女王エリザベス2世の夫フィリップ (エディンバラ公)は、ギリシャ人でギリシャ王家の王子。
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 ロシア皇帝エカテリーナ2世は、ドイツ人でプロイセン軍少将の娘。
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 メキシコ皇帝マクシミリアンは、ドイツ人でオーストリアハンガリー皇帝フランツ=ヨゼフ1世の弟。
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 オーストリア皇帝は、スペイン国王を兼ねた。
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 スペイン国王は、ポルトガル国王を兼ねた。
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 日本の高学歴な知的エリートや進歩的インテリは、民族的な歴史力・文化力・伝統力・宗教力がなく、試験用の暗記する歴史は得意だが、試験に関係しない記憶する歴史は嫌いである。
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 日本は建国物語として、世界のいずれの国とも違い、特殊・特別で、1,神の民族神話、2,人類の文明発展、3,人間の英雄伝説の3つを持っている。
 神の宗教的民族神話とは、古事記日本書紀を正統根拠とする天皇神話、つまり天皇の祖先である女性神最高神として崇める高天原神話・天孫降臨神話・諸神話である。
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 日本民族は、数万年前の石器時代縄文時代から日本列島に住んでいた。
 天皇家・皇室は、数千年前の弥生時代古墳時代に、内戦や争いを避け平和と安定を取り戻し、幸せと豊かさを求めたムラ論理で、古代の有力豪族達による長老者会議において衆議の結果として「天皇下駄論」・「天皇人身御供説」・「天皇生け贄説」で作られた、責任を押し付けて逃げるという無責任な生存論理である。
 その神聖不可侵の裁可者・天皇という地位を護る為に考え出されたのが、「政治的無答責の君主」、つまり政治権力も宗教権威も持たない天皇の権威つまり「天皇の御威光」である。
 祖先と国と民族に対して重い責任を負うのは、益荒男・日本男児の責務であって、手弱女・大和撫子ではなかった。
 故に、日本天皇は、最高神の女性神による民族神話、神話宗教、血筋・血統の家世襲万世一系で受け継ぐ事で正統性を与えられていた。
 民族神話で正統と認められた宗教的万世一系の男系父系天皇制度とは、いつ終わるか分からない弥生の大乱に辟易とした古代日本民族が、争いを避け、起きた争いを短期間で終わらせ、偽りの平穏無事を維持する為の歴史的叡智である。
 つまり、白黒を、善悪を、正邪を、ハッキリ区別しない為の宗教的正統な万世一系の男系父系天皇制度であった。
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 天皇下駄論・天皇人身御供説・天皇生け贄説とは、日本民族にとって面倒な事や厄介な事を困った事を「否応もなく」天皇と皇族に引き取って貰う事である。
 つまり、押し付けられる損な役回り・貧乏くじを嫌だと言わず拒否せず無条件に「引き受けて貰っている」、「やって貰っていただいている」、という事である。
 それが、天皇の御威光、天皇の権威、天皇の御稜威・大御心である。
 日本民族天皇・皇族・皇室を護ったのは、「責任逃れをする為に犠牲を強要していた」からである。
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 天皇・皇族・皇室を戦争をして命を捨てても護ろうとした勤皇派・尊皇派・天皇主義者・攘夷論者とは、日本民族であり、身分・地位・家柄・階級・階層が低い、下級武士、身分低く貧しい庶民(百姓や町人)、差別された賤民(非人・穢多)、部落民(山の民{マタギ}・川の民・海の民)、異形の民(障害者、その他)、異能の民(修験者、山法師、祈祷師、巫女、その他)、芸能の民(歌舞伎役者、旅芸人、瞽女、相撲取り、その他)、その他である。
 日本民族には、天皇への忠誠心を持つた帰化人は含まれるが、天皇への忠誠心を拒否する渡来人は含まれない。
 身分・地位・家柄の高い上級武士・中流武士や豪商・豪農などの富裕層・上流階級には、勤皇派・尊皇派・天皇主義者は極めて少ない。
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