⚔9)─2・A─佐渡金山に反対する韓国にも不都合な世界遺産・昌徳宮の強制労働。~No.34 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2022年1月11日06:00 MicrosoftNews JBpress「佐渡金山に反対する韓国に不都合な世界遺産・昌徳宮の強制労働
 © JBpress 提供 世界遺産に選ばれた「昌徳宮」(写真:New Picture Library/アフロ)
 「佐渡金山」の世界遺産登録に反発する韓国。このまま日本政府が佐渡金山を世界遺産の候補として推薦すれば、「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産に登録された「軍艦島」の時と同様、朝鮮人の“強制労働”があったとして、ユネスコ加盟国にその不当性を訴える構えだ。だが、韓国の人々は自国の世界遺産「昌徳宮」が大勢の国民の強制労働によって建てられたことを忘れている。韓国の保守論客、ファンドビルダー氏が語る韓国のダブルスタンダードの前編。
 (ファンドビルダー:韓国コラムニスト)
 新潟県佐渡島佐渡金山は、1601年から1989年まで運営されていた鉱山である。主に金と銀の採掘を行っていた。現在は、施設の一部が観光コースになっている。
 2021年12月28日、日本の文化審議会佐渡金山をユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産の推薦候補として選定すると答申した。2022年2月1日までに、日本政府がユネスコ側に正式に登録推薦書を提出すれば、ユネスコ側は現地の実態調査などの手順を踏み、2023年に登録の可否を決定することになる。
 このニュースを聞いて、韓国がじっとしているはずがない。韓国メディアは何年も前から、佐渡金山に関連して扇動的な報道を続けてきた。
 例えば、2015年5月7日に、韓国の聯合ニュースはこのように報道した。
 「国務総理所属の対日抗争期・強制動員被害調査支援委員会によれば、日本政府は2010年11月22日、ユネスコ世界遺産の予備リストに、新潟県佐渡金山を登録した。佐渡金山は、朝鮮人が強制動員された場所だ」
 2018年8月14日、韓国日報も以下のように報道している。
 「日本政府は、北海道と東北地方の縄文遺跡(新石器遺跡)を世界遺産候補に決めた。新潟県佐渡市が申し込んだ佐渡金山は落選した。新潟県佐渡市側は、佐渡金山の世界遺産登載を再申請する方針だが、佐渡金山は強制労働に動員された朝鮮人労働者が約1400人に達すると分かったところだ」
 今回、文化庁による佐渡金山の推薦発表の前後に、韓国メディアによる扇動報道が一層激しくなった。主なメディアの報道タイトルだけでも、下記のとおりだ。
・「朝鮮人強制労働」佐渡金山、世界遺産の日本候補で有力(2021.11.23.聯合ニュース東亜日報、SBS、ハンギョレ、国民日報など)
・「朝鮮人強制労働」佐渡金山、ユネスコ登録推進・・・VANK「防ぐ」(2021.12.16.聯合ニュース
・ソ・ギョンドク教授「佐渡金山、ユネスコ登録の前に強制労働の事実を先に知らせよう」(2021.12.23.聯合ニュース
・「朝鮮人強制労働」日本の佐渡金山が世界遺産候補に決定(2021.12.27.聯合ニュースなど韓国の報道機関が一斉に報道)
・第二の軍艦島を防げ・・・政府、日佐渡金山の世界遺産登録、阻止総力(2021.12.28.聯合ニュース
軍艦島のように歴史歪曲・・・日本「佐渡金山」(2021.12.28.ハンギョレ)
・恥知らずな日本の登録推進・・・軍艦島の約束を守らねばならない(2021.12.30.KBS)
 第二の軍艦島になりかねない佐渡金山
 2022年に入っても、報道は続いている。
・日、2010年ユネスコ予備リスト登録・・・外交部、手抜き対応論議(2022.1.3.朝鮮日報
軍艦島歪曲に足をすくわれた日本、佐渡金山の世界遺産申請における「苦悩」(2022.1.3.ハンギョレ
朝鮮人徴用現場、佐渡金山・・・「日々恐怖だった」(2022.1.4.聯合ニュース
佐渡金山、韓日関係の新たな悪材料になるか・・・今後4週がカギ(2022.1.5.KBS)
佐渡金山、軍艦島のように侵略の歷史を消し去ろうとする小細工(2022.1.10.世界日報
 併せて、中国外交部による「佐渡金山ユネスコ登載反対論評」(2021.12.30)や、北朝鮮対外宣伝媒体による反対論評(2022.1.3)も、韓国メディアは重みをもって報道した。
 メディアの扇情的な報道に、韓国政府も歩調を合わせている。韓国外交部は2021年12月28日、「(日本の決定は)非常に嘆かわしく、これを直ちに撤回することを促す」という公式論評を発表した。さらに、駐韓日本大使館公報文化院長(中條一夫)を外交部庁舎に招致して抗議している。与党議員50人も、佐渡金山のユネスコ登載反対決議案を発議した(2022.1.6)。
 報道機関と政府が動いたため、民間レベルでも動きがあった。ソ・ギョンドク(徐坰徳)誠信女子大教授や韓国の市民団体「VANK(Voluntary Agency Network of Korea)」など、お馴染みの名前がメディアに登場し始めたのだ。
 東京オリンピック開催前に、「東京オリンピック放射能オリンピック」というプロパガンダ・ポスターを製作し、外部に発信したVANKは今回もポスターを製作した。「嘘をつく者!嘘の重さに耐えられない」というキャッチコピーのポスターで、閉山した佐渡金山の入口を背景に、「朝鮮人強制徴用」「端島軍艦島)」「帝国主義」「侵略戦争」「歴史歪曲」「ユネスコとの約束未履行」などの文句を入れた。ポスターは英語でも製作され、外部に発信されている。
 韓国は、明治日本の産業革命遺産ユネスコ登録される時に、日本を困難に陥れた成功体験をもとに、佐渡金山に対しても同じパターンを繰り返す可能性が高い。すなわち、韓国外交部はユネスコの主な会員国を尋ね歩き、露骨に佐渡金山の登録に反対するロビー活動を展開することで、世界を相手に本格的な反日プロパガンダに邁進するのだ。それに伴って、韓国メディアも扇動報道を継続し、韓国国民をもっと煽るに違いない。
 他国の紛争に関わりたくない第三国(ユネスコ会員国)は、韓国の過激な攻勢に辟易し、明治産業革命遺産の登録当時と同じように、「日本と韓国が円満に合意しなさい」として、今回も後方に退く可能性が高い。結局、佐渡金山が第二の軍艦島になる可能性があるということだ。
 2015年にユネスコ世界遺産として登録された軍艦島などの明治産業革命遺産は、韓国の執拗なプロパガンダによって、それらがあたかも強制労働の温床であるかのようにみなされている。日本が自ら発表しているように、ユネスコから強制労働の実態を伝えるように、常にプレッシャーをかけられている。
 韓国が狙うのは、佐渡金山ユネスコ登録の消滅だ。もし登録されたとしても、軍艦島と同じように「強制労働の温床」というような恥辱を日本に与えることだ。
 反日が目的と化している韓国
 朝鮮人に徴用が適用されたのは、1944年9月から1945年8月だ。当時の朝鮮人は、日本国籍を持っている日本国民だった。古今東西、徴用は合法だ。徴用をあたかも不法であるかのように「強制労働」と罵倒する国家は、今日の地球上で韓国が唯一だろう。
 このような韓国の論理によれば、第二次大戦当時の米国、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、イタリア、中国、ロシアなど多くの国家は、すべて自国民を強制労働に追い立てた、破廉恥な国家になってしまう。このような論理によれば、韓国の青年が徴兵制度に基づいて軍隊に行くことに対して、「強制入隊」という表現を使っても全く問題がなくなる。
 佐渡金山は、1601年から1989年まで、388年の間運営された。この期間中、朝鮮人に対する徴用が適用された1年という期間を百分率で表せば、全体の0.25%に過ぎない。
 韓国は0.25%に過ぎない期間に対して、それも合法的な徴用に対して、「強制労働」と罵倒することによって、佐渡金山が持つ歴史的意味などの本質を傷つけようと試みている。韓国は「過去の恥ずかしい歴史も率直に公開しなければならない」という大義名分を前面に出すが、本当の目的は日本を侮辱することにある。
 韓国は、反日それ自体を目的とする反日共和国だ。例えば、韓国が慰安婦問題や徴用工問題のために反日活動に注力していると理解するのであれば、それは無邪気である。
 韓国における反日は、変更不可能な固定された至上課題であり、慰安婦、徴用工、竹島軍艦島佐渡金山、旭日期などはこの至上課題のために、その都度、うまく利用される手段の一つとして存在するだけだ。
 このような側面から見ると、今回、佐渡金山が文化庁の推薦を受けたということは、韓国の立場から見れば、もう一度、日本バッシング(日本叩き)を楽しむことができる絶好の機会が生まれたということになる。
 今の韓国は、少しの間でも反日をしなければ我慢できない国家になってしまった。韓国が絶えず、反日素材(反日材料)を探し回り反日騒動を起こすのは、あたかも麻薬依存症の患者が禁断症状に苦しめられて麻薬を探し回るのと同じ道理だ。
 自国民を強制的に動員して作られた韓国の世界遺産
 日本のユネスコ登録推進に対して、「過去の恥ずかしい歴史も、率直に公開しなければならない」と攻勢をかける韓国だが、自身には限りなく寛大である。
 韓国に昌徳宮という王宮がある。1404年(朝鮮王太宗4年)に工事が始まり、1405年に建立された。以後、長期間かけて錦川橋、真善門、仁政門、仁政殿、宣政殿、煕政堂、大造殿、楽善斎、芙蓉池などの付属施設が追加された。
 正門に該当する敦化門は、1412年に完成したものだ。1505年に燕山君(ヨンサングン、1476~1506)は昌徳宮の付属施設として「瑞葱台(ソチョンデ)」という宴会用建物を作るように命令した。
 燕山君の日記には、瑞葱台に関してこのように記されている。
 「石を積んで台を作り、龍を彫った石で欄干を作ったが、千人は座れるだけのことはあって、高さは10丈(約30メートル)にもなった。瑞葱台と名付けた。監督者は百人、労役者は数万人にのぼり、ホヤー(呼耶:多くの人々が仕事をする時、呼吸を合わせるための掛け声)という声が1日中絶えず、その声は天地を揺るがした」(燕山12年1月21日)
 周辺に巨大な人工池まで作る、そんな苛酷な労働が1年以上継続した上、建設資金のための税金徴収もまた苛酷だった。当時の記録物である「ソムンソェロク(謏聞鎖錄)」にはこのように出てくる。
 「台を築く時、忠清道全羅道慶尚道の軍人と平民を強制的に動員して重労働を課し、布を供出させることが多かったが、十分にまかなえず、服の中の綿まで取り出して布を織ったので、その色は黒ずんで汚れ、尺も足りなかった。これによって、品質の悪い木綿布地を意味する『瑞葱台布』という言葉まで生まれた」
 瑞葱台工事は、中宗反正(1506年、燕山君を廃位し、異母兄弟の晋城大君<チンソンデグン>が王に即位した事件)により中断された。中宗(チュンジョン、晋城大君)時代に、燕山君の罪状を記録した文書にはこう記されている。
 「瑞葱台の建設に動員された人夫の数は、おおよそ50万人にもなった。修理都監、築城都監、都提調(諮問役)、副提調、郎官、監役官などが、200人ほどもいて、彼らが人々をとても過酷に侵奪した」
 昌徳宮は、1404年の工事開始から1868年の3次再建に至るまで、約460年間、焼失と再建を三回も繰り返した。純粋な工事期間だけ合わせても、数十年にはなるだろう。
 世界遺産のホームページに出てこない昌徳宮の強制労働の歴史
 数百年にわたった昌徳宮の建て増しおよび再建により、国民が体験せざるを得なかった苦しい肉体労働と苦痛は十分に推測できる。工事期間中、多くの人々が死んだりケガをしたりしたことだろう。昌徳宮は、朝鮮時代の国民の苦痛に満ちた強制労働の上に建設されたものなのだ。
 昌徳宮は、1997年にユネスコ世界遺産に登録された。ユネスコ世界遺産のホームページには、該当する世界遺産に対しての説明がされている。
 昌徳宮は、「Changdeokgung Palace Complex」という名前で登録されている。ところが、要約(Brief Synthesis)、登録基準(Criterion)、完全性(Integrity)、真正性(Authenticity)、保存および管理体系(Protection and Management Requirements)など昌徳宮に関する解説文をいくら調べても、昌徳宮の建設に動員されて強制労働をしなければならなかった、当時の国民の苦痛と困難に関する記述は全く出てこない。(続く)
◎【後編】 「 佐渡金山のプロパガンダ屈せば、韓国の反日はさらに強化される」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/68378)を読む
   ・   ・   ・