🎑25)─2─新説、日本語の起源は中国東北部・旧満州のキビ・アワ栽培の農耕民。~No.63 

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 約9000年前に旧満州・西遼河(せいりょうが)流域に住んでいた人々は遼河人であって、日本人ではないし中国人や韓国人・朝鮮人でもない。 
 遼河人は移動し各地の先住民と混血して同化し消えてたのであって、武力で侵略した征服者ではなかった。
 日本では、遼河人は古墳人で日本土人縄文人弥生人)と乱婚して混血し同化して倭人日本民族)となって消えていった。
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 2021年11月24日 MicrosoftNews NEWSポストセブン「「日本語の起源は中国東北部のキビ・アワ農家」 壮大な新説に注目
 © NEWSポストセブン 提供 英科学誌『ネイチャー』掲載の論文より
 日本語の元となる言語を最初に話したのは、約9000年前に中国東北地方の西遼河(せいりょうが)流域に住んでいたキビ・アワ栽培の農耕民だった──ドイツなどの国際研究チームが英科学誌『ネイチャー』に発表した研究論文の内容だ。歴史作家の島崎晋氏は、「事実であれば、何とも壮大」と指摘する。一体どういうことか。
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 小室眞子さん、圭さん夫妻の出国が決まり、騒動にひと段落がついたかに思えた11月13日、まったく異なるジャンルのニュースがネット上をざわつかせた。〈日本語の原郷は「中国東北部の農耕民」 国際研究チームが発表〉──同日午後3時に配信された『毎日新聞』電子版の見出しである。また、これより前に配信された韓国紙『ハンギョレ』日本語版の見出しには次のようにあった。〈韓国語と日本語の起源、遊牧民ではなく遼河の農夫たちの言語〉。
 どちらの記事も、国際的な権威をもつ学術誌『ネイチャー』に同月10日に掲載された論文「トランスユーラシア語族のルーツは農業にあった」をネタ元とするが、この論文タイトルを見ても、多くの日本人はチンプンカンプンに違いない。
 「トランスユーラシア語族」という専門用語からして、馴染みがない人がほとんどだろう。昭和生まれの人には、「ウラル・アルタイ語族」の「アルタイ語族」の言い換えと説明すればよいかもしれない。言語学上の専門用語である。
 言語学のなかには、特定言語の起源を探求する比較言語という分野がある。ドイツを中心とする近代ヨーロッパで盛んになったが、ヨーロッパ発の学問である性格上、インド・ヨーロッパ語族(インドからヨーロッパの大半の地域に分布する語族)の調査・研究は著しく進展しながら、それ以外はおざなりの状態が続いた。東アジアで言うなら、日本や中国、韓国など出身の研究者層が質と量の両面である程度厚くなるまで待たねばならなかった。
 その間に、インド・ヨーロッパ語族以外の枠組みの見直しも進んだ。ウラル語とアルタイ語を同系とする見方はおかしく、アルタイ語という命名もヨーロッパ中心の価値観が露骨だというので、「横切って」を意味するラテン語を借りて「トランスユーラシア語族」という名称が新たに創作された。
 なぜ「横切って」なのか。それは同系に分類される日本語、韓国・朝鮮語ツングース語(満州語など)、モンゴル語、チュルク語(トルコ系諸言語)の話し手が、東は日本列島・カムチャツカ半島から西は小アジアバルカン半島南端まで、ユーラシア大陸を横断する形に広く分布していることに由来する。
 トランスユーラシア語族の言語は、原則として主語、目的語、述語の順であること、接続詞と関係代名詞をもたず、修飾語が名詞の前に来ることなどを大きな特徴とし、同語族に分類される言語は98を数える。同語族自体が、いつ、どこで、どのような環境下で生まれたかについては、さしたる根拠もないまま、4000年前の中央アジア遊牧民とする説が、定説のごとく受け止められてきた。
 ときに新説が提示されることがあっても、それで議論が深まることも、定説が塗り替えられることもなかった。言語学と考古学、人骨から得られる遺伝子を元にした古遺伝学の3分野が別個の歩みを続け、互いの利点を活かしあう方法が見いだせずにいたからである。
 ところが今回、ドイツのマックス・プランク人類史科学研究所を中心にした、中国、日本、韓国、ヨーロッパ、ニュージーランド、ロシア、米国など11の国・地域、35の研究機関により構成された国際チームが、長年の懸案を克服。11月10日付『ネイチャー』で、トランスユーラシア語族の起源に関する新説を公表したのだった。
 端的に言えば、今から約9000年前、中国東北部を流れる西遼河一帯でキビ・アワの栽培を営んでいた農耕民の言語がトランスユーラシア語族の起源で、彼らの移住により東西へ拡散したというのが新説の骨子である。
 従来の「牧畜仮説」に対し、今回の新説は「農耕仮説」と呼ぶべきもので、具体的な点はともあれ、世界的に見れば少数派である「目的語の次に述語がくる」文法の誕生と確立が、キビ・アワ栽培の普及と連動していたとする指摘は実に興味深い。
 キビ・アワ栽培は同時期の黄河流域でも行なわれていたが、シナ・チベット語族(インドのカシミールチベット、中国大陸、台湾、中央アジア、東南アジアにわたる地域に広く分布する語族)の祖が栽培していたのは西遼河のもとは別種で、その違いがあるがゆえに、両者はときに隣接・混住しながら、一方の言語が他方を完全に併呑するに至らなかった。これがすべて事実であれば、何とも壮大な展開である。
 偏狭なナショナリズムの点から、多分に感情的異論が噴出することも予想されるが、現在の科学水準に照らして、今回の研究結果が確度の高いものであることは疑いなく、今後とも分野の枠を超えた共同作業で、日本語の起源をはじめ、トランスユーラシア語族全体の歩みがより具体的に判明することを期待したい。
 【プロフィール】しまざき・すすむ/1963年、東京生まれ。歴史作家。立教大学文学部史学科卒。旅行代理店勤務、歴史雑誌の編集を経て現在は作家として活動している。『ざんねんな日本史』(小学館新書)、『いっきにわかる! 世界史のミカタ』(辰巳出版)など著書多数。最新刊に『鎌倉殿と呪術 怨霊と怪異の幕府成立史』(ワニブックス)がある。」
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