☘3)─1・B─日本の山は美しく宗教・信仰と文化・芸能の源泉である。No.5   

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   ・   ・   【東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博】・   
 日本の自然は、山から始まっている。 
 日本の山には、人や命を包み込み、存在する事を忘れさせる、弱々しく、儚く、繊細な美しさがある。
 世界の山には、人や命を圧倒し、存在する事を屈服させるほどの力強い、7日間で天地を創った絶対神の御業を思わせるほどの雄大さ、人智では抗し難い神々しさがある。
 日本の山には、昔は自然神、八百万の神々、祖先神・氏神が鎮座する厳しい修行の神域であったが、今や人々が気楽に登山などの行楽を楽しむ親しみやすい山である。
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 日本民族日本人にとって、山とはそこにあるから登るという対象ではない。
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 海洋民は、宗教心が強く、山は神聖で信仰の対象であった。
 海洋民には、罰当たりな、反宗教無神論者は一人もいない。
 日本民族日本人の祖先は、南方系海洋民である。
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 産経新聞 iRONNA「
 柳原一信 (ウェブマガジン『山旅々(やまたびたび)』編集担当)
 『山旅々』編集者の「山旅のすすめ」(2)
 『日本の山は美しい』。こう思うのには2つの理由があります。それは大きく俯瞰して、山を縦に観察したときと横に観察したときの景色の豊かさによるものです。このことは日本だからこそ生じる事象で、それに気づいていない方々が多いように思うのです。
 今回は日本における自然美を改めて知ることで、ハイキングでも登山でも……歩くことが厳しければ遠くから山を眺めるのでもいいから、より日本の山を、ひいては日本という国を愛でていただければと思うのです。
山を縦に観察してみる
 登山をする人にとっては身近なお話になるかもしれませんが、改めて知ってみると「なるほど」と思っていただけるように、世界全体を眺める中で、日本の山を抜き出して縦に観察してみたいと思うのです。
 縦に観察するというのは標高という考えに則って景色の豊かさを見てみようという試みです。
 まずはじめに、あたり前のお話になりますが山では高く登るほど気温が低下します。そのため、気温に応じた植生の配列ができあがります。100メートル登ると0.6度下がると言われておりますから、下界が気温30度の季節に約3,700メートルの富士山の頂上は、凄く大雑把ですが気温8度程となる訳です。だから山に登れば登山口から登頂を果たすまでに様々な植物に巡りあうというのも不思議ではありません。
 日本アルプスなどの山に高山植物が分布しているということも、誰も不思議と思わないのではないでしょうか?けれども世界規模で日本の山を観察すると、ずいぶんと南に位置する日本列島にある山で、しかもそれほど標高もない山に高山植物がたくさんあるというのは非常に不思議なことのようなのです。
 『森林限界』という言葉を耳にしたことがありますでしょうか? 森林限界というのは名前の通り、気候が寒冷になって樹木が生育できない限界線のことをいいます。これを越えると高山帯といってハイマツやさまざまな高山植物が生息する場所になるのです。この森林限界は南北に長い日本列島ですから北海道では1,600メートル付近、本州中部では2,600メートル付近と、同じ日本なのに違いがあるのも面白いところです。北海道ではそんなに高く登らなくても高山植物を楽しめるんですね。
 この高山帯と呼ばれる場所に僕たちは高山植物を見るわけですが、何故それが不思議なことなのかを紐解いていきたいと思います。
 この高山帯と言われる場所を歩いているとハイマツを多く見かけます。しかしながら全てをこのハイマツが覆いつくしているかと言われるとそうではないのです。まだら状に分布しているんですね。これには理由があって、それこそが日本ならではの条件が及ぼす結果なんです。
 日本の冬山を登ったことがある人であればよくわかると思うのですが、日本の山々は世界一の多雪地域にあるんです。日本海に流れ込む対馬海流が水蒸気を盛んに上げ、この水蒸気をシベリアからの冷たい季節風が雪に変え、その雪が山地に積もるという、日本列島という場所だからこそ生じる現象で、緯度から想像するより多雪なんですね。
 このシベリアからの季節風ヒマラヤ山脈の方から流れてくるジェット気流によって非常に強風であるというのも日本の冬山を厳しくしている原因のひとつで、多雪・強風という自然現象によってハイマツの分布が形成されているようです。
 ハイマツを雪が覆う事で厳しい冬の環境からこの植物を救い、夏の時期に雪が解けてハイマツが顔を出すことが出来れば光合成ができ生きていける。いわゆる雪が多すぎても少なすぎても生きていけないんですね。ちょっと脱線しますが、こういう事象からハイマツの背丈というのが冬の雪の深さを推定することができるともいえて、夏場歩いていて冬場の積雪を想像することができるのも面白い趣きかと思います。
 このようにハイマツが生きていけない土地が空くと、コマクサ・チングルマニッコウキスゲ・ハクサンチドリといった別の高山植物が分布することになります。これが私たちがみる高山植物なんですね。ハイマツが生きていけないような場所に分布している高山植物ですから、とにかく悪条件に耐えて生活しているといえます。ハイマツも高山植物も僕たちは大事にしなければなりません。
 このように強風・多雪環境にある日本だからこそ生まれることが出来た高山植物であり、更に強風地や残雪周辺、やや風の弱い場所やハイマツ群落の周辺……というように土地の違いによって生育する植物の違いが見られ、このことが日本の山を美しく魅せている要因なんです。
 また夏場でも雪渓が残る山を見ると緑と白のコントラストが美しい。白馬岳・蝶ヶ岳爺ヶ岳など雪渓や植物に因んだ山の名前があるのも不思議ではないと感慨深くなります。
 横に観察するというのは山単位で景色の違いとその豊かさを見てみようという試みです。
 火山大国日本だから地震もあり温泉もあり……悪いことがあれば良いこともあると毎度のように思うのですが、このように植生が豊かなひとつの原因に火山というのはあると思うんです。火山が噴火すればそこに生きていた植物はリセットされる。その空いた土地に飛んできた種子が宿る。そういう長い歴史の中で日本列島という島国の中に様々な景色を彩ってきた。これもまた日本の山を美しくしている現象のひとつだと思います。
 そして面白いのは地質の違いです。地質学者ではないので詳しい事はここでは省きますが、山を歩いているとひとつの山の中にも様々な地質の違いによって形成される地形の違いを見出すことができます。
 例えば先日南アルプス北岳に登ってきたのですが、北岳肩という山小屋のある場所までは高山植物を楽しみながら、なだらかな尾根道を歩いていくのですが、肩の小屋に着いて、小屋の背後に目を移すと北岳山頂までの景色が見渡せるのですが、それまでのものとは全く違う様相となるのです。これは明らかに地質がこの肩の小屋から変わっているからで、山頂までの道のりを飽きないものにしてくれる日本の山の面白さに感動するんです。
 このようにわかり易い地形の違いも面白いですし、なだらかな稜線で時折見ることのできる地質の違いによる斜面の彩りもまた非常に美しいものがあります。
 今まで行った山は数限りなくありますが、ひとつたりとも同じような山というのに出会ったことがありません。奥多摩の山、奥武蔵の山、丹沢の山、北アルプス南アルプス……こういう山域で考えても様相は異なりますし、奥多摩の山の中でも雲取山・川苔山・鷹ノ巣山……と山単位で見てみても違いを感じることができます。
 いつだったか、登頂を目指そうとする文化は日本ならではのものと聞いたことがあります。海外ではロングトレイルという言葉があるように登頂を目指すのではなく山々を眺めながらひたすらに長いトレイル(山道)を歩いていく、そのような山の楽しみ方があります。
 これは登頂を目指すことの面白さ、いわゆる景色の美しさや植生の違いを楽しめる魅力が日本の山にはあるとも言えるのではないでしょうか。またそれが山々によっても違う。急峻な山もあれば、なだらかな山もある。こんな特殊な自然を楽しめる日本という国を今一度見直してみて、山を楽しむ視点を1つ、2つ加えていただければと思います。

 やなぎはら・かずのぶ ウェブマガジン『山旅々(やまたびたび)』編集担当。登山に出かけ、その山に属する町・食・人を知る『山旅』を楽しむ。背景にひそむ歴史や文化を知ることで旅路に奥行きある時間を作ることが好き。趣味は登山以外にトレイルランニングやテンカラ釣り、キャンプとアウトドア全般を楽しみ、遊びのスタイルやアクティビティに関する様々な情報発信している。
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