💄18)19)─1─田舎者の武士は京女や白拍子の雅で艶やかな色香に惑わされていた。~No.37No.38No.39No.40No.41 @ 

京都ぎらい 官能篇 (朝日新書)

京都ぎらい 官能篇 (朝日新書)

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 日本人は、だらしない。
 日本人男性は、美女に弱い。
 日本人女性は、美男子に弱い。
 日本人は、欧米人(白人)に弱い。
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 武士は、野良仕事と人殺しで精神と体を鍛えていたが、無学で文化や教養には縁のない野蛮人であった。
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 高貴な貴族は、血と死に塗れた武士を、非人・エタなどの賤民に近い「穢れた下郎」と軽蔑し差別し虐げ、屋敷に上がる事を禁じて地べたに座らせていた。
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 平安時代で最も穢れた人間として嫌われたのは、野良仕事で泥に汚れ、糞便の肥やしに塗れた百姓ではなく、殺し合いを生業として血と死に染まる武士であった。
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 武士は、嫌われていた。
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 2017年12月29日号 週刊朝日「新しい京都論 武士はきれいなお姉さんで動いた
 千年の都、京都の暗部を実名で入りで書いた『京都ぎらい』は26万部のベストセラーになった。一昨年の出版からさまざまな反響が寄せられる中、今月、『官能篇』と題した第二弾が発表された。著者で国際日本文化研究センター教授の井上章一さんに聞いた。
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 井上章一
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 肩書きをこえるすだれ越しの力
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 若い女性観光客、尼寺、歓楽の都と呼ばれた時代など、女性と京都にまつわる話がつづられ、『武士はきれいなお姉さんで動いた』という論が展開される。武士たちが憧れた京都の文化の実態は宮廷の女たちであり、武力を動かしたのは予想以上に彼女たちだったというのだ。
 『どうして武士が京都の宮廷警備の命に唯々諾々と従ったのか。一般的には官職がもらえるからだと言われてきました。ですが私は違うと思っていました。それだけではないだろう。宮廷のすだれの奧から垣間見えるお姉さんたちも原動力だったのではないか』
 たとえば、地方の武士が京都に4、5年滞在して、宮廷の末端にいる女性を射止めて帰る。官位が上がることより、きれいな女性を連れて帰るほうが地元の人にはわかりやすく、尊敬を得られたのではないか。
 宮廷から来た女性を見たくて、領民はさまざまな作物を届けに来る。彼女は地元の女性に恋の手ほどきをしたかもしれない。そんな想像が井上さんの脳裏に広がった。
 『1960年代の終わりごろ、海外渡航がまだ大変だった時代に、フリーセックスという情報を鵜呑みにした男たちがスウェーデンを目指した。お互い好きならためらわないというだけで、好きでもない人とするわけではないと現地で気づいたと思いますが、引き付ける力はあった。京都に権力があるとしたらスウェーデンと同じ。おっさんはお姉さんで動く。これは私が生きてきた実感です』
 本の中で井上さんは『太平記』『とはずがたり』『平治物語』などの古典文学から女性に関するエピソードをひもといていく。
 その一つに常葉(ときわ)という美女の話がある。市中から宮廷に召し抱えられ、源義朝に下げ渡されて3人の子を産むが、平治の乱で義朝を亡くし、平清盛にすがる。『敵将の清盛にすがるとは貞操観念に欠け、人の道にもとる』『母として子供を守るために仕方がなかった』などと言われるが、井上さんはこう語る。
 『常葉は美貌によって宮廷に拾い上げられた娘さんです。彼女はそれをわきまえていた。子供たちを守らなければならなくなったとき、自分の姿を鏡で見ながら、大丈夫、私はまだいける、清盛なんかイチコロにしてやるわ、と思ったのでは』
 そう感じたのは、東京のテレビ局の楽屋でアイドルの女の子たちの振る舞いを見たときだったという。
 『常葉に対して、むごい見方のような気もします。ここには、私に憧れだけ抱かせて接近を許さなかった美人たちへの恨み、つらみが込められているのではないでしょうか』
 自分の手法はトランプに似る
 権力と女性をめぐる考察はさらに続く。
 『一般に性的な乱れは権力の腐敗として片づけられます。でも、性的な乱れへの期待自体を権力の活性化につなげるタイプの権力もある。首都東京でも、もし銀座がなければ地方からの陳情団の数は半減していると思います』
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 本業の研究では、建築史と日本文化の重なる部分に光を当てる。日本人はエゴを抑えて全体の調和を重んじるのに対して、西洋人は空気を読まず、自己主張すると言われる。
 『なのに、見てください。日本の街並みはまったく空気をよんでいない。ヨーロッパの建築家は大阪の道頓堀を歩くと、ここにこそ表現の自由があると言う。パリやウィーンにあの自由はありません。ヨーロッパのほうがはるかに全体主義的です。日本人は主体性を抑えるという議論を、街並みを通して考えたい』
 ……
 (中宇佐ゆり)」
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 戦国時代や江戸時代の大名たちは、京に住む公家の姫君や宮廷の女官を嫁にもらい武家としての箔を付けていた。
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 日本男子は女性にめっぽう弱かった。
 参勤交代で江戸に出た若い武士達は、田舎の女性とは違う江戸の女を求めて、吉原の遊郭や深川・品川などの岡場所で女遊びをして花柳病(梅毒や淋病などの性病)に感染し、性病を持って領地に帰って結婚し子供を産ませた。
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 日本人男性が女だらしなく、ややもすると発情期の犬か猫の様に女のけつを追い回す醜態を晒していた。
 武士道は、禅宗の様な禁欲を精神と称して武士に強いていた。
 昭和期の日本軍は、性病が蔓延したシベリヤ出兵を教訓として、占領地での日本兵士による強姦事件を防止する為に各地で慰安婦施設を造り、性欲に狂う日本兵士をその中に閉じ込めて発散させていた。
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 日本には、ユダヤ教キリスト教イスラム教などの厳格な禁欲意識は存在しない。
 参拝者が多い神聖な寺社仏閣の近くには、例外なく酒と女・男が遊ぶ俗にまみれた歓楽街・風俗街が存在していた。
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 神社仏閣の夜祭りや宵山は、ある意味、見ず知らずの若い男女が境内で出会いその場限りのフリーセックスを楽しみ事であった。


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京女(きょうおんな)の嘘(うそ) (京都しあわせ倶楽部)

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パンツが見える。―羞恥心の現代史 (朝日選書)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/01/19
  • メディア: 新書