- 作者:エドワード リンカーン
- メディア: 単行本
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・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
意味のない正義が、「空気」として日本を支配し、その「空気圧」が日本社会を押し潰して駄目にする。
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日本社会は、空気が支配し、空気圧で動いている。
日本特有の空気と空気圧といっても、現代と昔では全く異なる。
現代の空気・空気圧は、高いところから低い方へ降ってきた。
昔の空気・空気圧は、下から上へと昇っていった。
御上も、現代と昔では違う。
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魑魅魍魎的えげつない個人的正義が、おぞましい空気を作り出して日本を毒し、息苦しい空気圧が社会を改造しつっある。
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日本を重苦しく支配している「空気」の本元は、1980年代から始まった日本人極悪非道な重罪人史観の歴史教育による罪悪意識である。
そこには、希望も夢もなく、許しも、癒やしも、救いもなく、ただあるのは絶望だけである。
現代の空気圧とは絶望である。
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日本は、食糧・資源・エネルギーを海外から輸入し、金融・サービスそして輸送・運輸を海外に依存している。
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2017年11月25日号 週刊現代「不祥事は『省益拡大』の好機なり
日産・スバル・神戸製鋼 『検査不正問題』が語るもの
正義面した役人たちに日本の社会が潰される
日本のモノづくりは地に堕ちた。製造業の根幹が崩れた。そんな悲愴な声が聞こえてくる。主に、霞ヶ関のほうから──。危機が大きくなるほど好都合。役人たちがなにやら不穏なことを企んでいる。
安全性には意味のない規制
東京大学大学院経済学研究科ものづくり経営研究センター特任研究員の吉川良三氏は、かつてサムスン電子常務としてグローバルビジネスの最前線を見てきた。そんな吉川氏からすると、いま日産、スバルで資格のない者が新車の完成検査をしていた『無資格者検査問題』をめぐる国土交通省の対応には、『違和感を禁じえない』と言う。
『国交省は「日本の信頼を揺るがす」などと言って日産の工場に立ち入り検査していますが、私から見ればこれは異常な光景です。まず有資格者による検査を求めていること自体、グローバル基準からは逸脱した過剰な規制。国際基準では無資格者による検査でOKで、現実として日産は問題発覚後も輸出用の自動車は従来通りに出荷しているんです。
つまり、有資格者による検査は安全性にはほとんど意味のない規制。本当は問題が発覚したのを契機に、国交省は規制が時代に合わない古いものであったと認めて、見直しに動き出すべきです。それなのに、実際には役人たちはみずから正義の味方のように振る舞ってメーカー側を攻撃し、企業のブランドを傷つけるように火に油を注いでいる。まったく本末転倒です』
もちろん、決められたルールを守らなかった日産、スバルは悪い。しかし、この機に乗じて正義面している役人たちの言動はもっとひどい──。
かつてカルビー社長を務め、現在は経営コンサルティング業を営む中田康雄氏も言う。
『もともと日本の自動車産業では、安全性について過剰に規制がかけられています。国交省が古くからそのようにしてきたからだ、車検制度ひとつとっても外国と比べてかなり厳しい。そもそも、車検制度そのものがない国もあるんです。
本来であれば、民間の自主的な安全基準があれば十分です。仮にメーカーが不正を犯して事故が起これば、巨額のリコール負担を強いられるうえ社会的制裁を受けて、その企業は生き残れなくなる。わざわざ官僚たちが余計な規制を作らなくても、おかしな企業は淘汰される』
それなのになぜ日本では過剰な規制が横行しているのかといえば、役人たちが自分たちの仕事を確保したいから。
『またひとつには、企業側に対して役人たちの存在意義を示したいから。さらに、役人にとっては企業でなにか不祥事が起こった時、自分たちに責任が降りかからないように「過剰なアリバイ作り」をしているという意味合いがあるのでしょう』(前出・中田氏)
もっと言えば、役人にとっては、企業が不祥事を起こすほど『省益拡大』の好機。問題が起きると真っ先に『これは一大事だ』と叫ぶことで事を大袈裟に荒立て、『規制を強化しなければいけない。いままで以上に企業を監視しなければいけない』という理屈に持ち込み、『予算が必要だ』と焼け太りシナリオへ誘導するのが常套手段だ。
ある自動車部品メーカー幹部も言う。
『昨年4月に三菱自動車などの燃費不正問題が発覚した時がまさにそれ。あまり知られていないでしょうが、問題発覚後の概算要求で国交官僚は「安全確認体制の強化」などと謳い、独立行政法人自動車技術総合機構の予算額などを大きく増額させているんです。事件後に国交省は「メーカーに裏切られた」などと語りながら、ひっそり焼け太りしているのだから狡猾です』
今回もそうした悪夢のような光景がまた、繰り返されようとしているのである。
君たちにそんな権限はない
それは、神戸製鋼所のデータ不正問題にしても同じこと。
経産省はデータ不正が明るみに出た10月8日の2日後にはさっそく記者会見を開いて、神鋼側に原因究明を指示したなどと胸を張った見せたが、実は経産省にはそんな『権限』がないことをご存じだろうか。
経済ジャーナリストの磯山友幸氏が指摘する。
『経産省は鉄鋼、非鉄金属業界を所管はしているものの、関連企業を監督・指導する権限は法的には認められていない。処分するような権限もない。それなのにしゃしゃり出てきていること自体、おかしなことです。
そもそも、今回のデータ不正問題は神鋼と取引先間の問題であって、経産省が出る幕はない。法律違反をしているわけでもないのだから、本来であれば黙っていなければいけないのに、経産官僚たちは神鋼の社長を霞が関の経産省本部まで呼び出した。しかも、局長クラスを前に頭を下げさせて、それをメディアに撮影までさせたのは明らかにやり過ぎです』
そうした経産省の行動が世論の不安を?き立て、余計に問題を大きくしている面も否めない。
もちろん神鋼がデータ不正をしたのは民間企業としてアウトだが、いまのところ納入された製品で不具合は見つかっていないし、人命に結びつくような事故が起きたわけでもない。過去1年に不正製品が納入された525社のうち、すでに一定の安全確認がとれているのは470社。即座に回収が必要になるような安全性に問題のあるケースはひとつもない。
『当初はこの問題が経営にどのくらい影響を及ぼすかが不透明だったため、株価は1,369円から774円まで半値近く暴落しました。しかし、製品納入品のトヨタなどが「安全性に問題はない」と立て続けに発表したことで、マーケットは過剰反応を修正。最近では1,000円を超える水準まで株価が戻っています。
データ不正は問題だが、それが経営に致命的な安全問題にならないことがわかってきたので、神戸製鋼の株価はこれから暴落前の水準にまで戻るでしょう。かつてデータ不正問題を起こした東洋ゴム工業、旭化成なども問題以前の株価をすでに超えています』(絆アセットマネジメント社長の小沼正則氏)
にもかかわらず、むしろ危機をあおるように扇動しているのが、ほかならぬ経産官僚たちなのである。
天下り枠欲しさに恫喝
経産省の『出しゃばり』はとどまるところを知らず、10月末には日本工業規格(JIS)の認証機関に対して、神鋼にすでに付与しているJISの再審査の検討をするように指示を出した。経産省には認証機関に対して再審査を指示する権限がないのにもかかわず、である。
実は神鋼のボードメンバーには、元経産事務次官の北畑輶生氏が社外取締役で入っている。
『その北畑氏はすでに在任7年で、そろそろ退任してもおかしくない。経産官僚たちからすれば、これを「天下り枠」として引き続きキープしたい。いま経産省が執拗に神鋼を攻撃しているのは、その枠欲しさに「恫喝」しているように映る』(神鋼の大口取引先幹部)
民の不祥事を喰って、官が肥大化していく・・・。
当然、そうして役人たちが民間企業にモノを言えば言うほど、経営には悪影響でしかない。
一昨年から世間を騒がせている東芝にしても、半導体事業の売却交渉に経産省が『日本の技術流出を防ぐ』などと介入してきたのは記憶に新しい。しかし、結果として事態を混乱させて、経営危機を深めただけだった。
『最近、こうした役人の介入で民間企業の経営が迷走させられるケースが増えている。シャープが経営危機に陥った時も然(しか)り、経産省が業界再編を画策しようとした。しかし、シャープ経営陣はそんな官僚主導の再生プランを拒否した。結果として、いま見事にV字回復を果たしている。もとより役人たちに民間企業の経営の機微などわかるはずもないのです』(前出・磯山氏)
前出・吉川氏も言う。
『霞が関の役人たちは、グローバル競争時代に企業が生き残っていくことの厳しさを肌身でわかっていない。もともと日本企業は過剰規制のもとに過剰スペックを強いられてきたことで、グローバル競争で後手に回っているのが現実です。それなのにこれ以上、官が民に余計な規制やコストを強いるようになれば、企業の生死に直結することになりかねない』
このグローバル経営時代にあって、日本企業にとって一番怖いのは『役人リスク』。正義面した役人たちに日本の会社が潰される。」
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官僚は、敗戦によって弱小化した日本企業を統制護送船団方式で一つに纏め、産業を守り、経済を立て直した。
日本株式会社的に官民一体となって経済成長を目指し、経済大国にのし上がった。
更なる経済発展の為、バブル崩壊後の経済立て直しの為には、官僚が持っている統制・制限を緩和する必要があった。
それが、政治主導の官から民へであった。
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昔の日本製品は安いが粗悪品が多く、外国では不評で売れ行きが悪かった。
安くても品質が良い製品を作るには、民間の自己規制ではなく官製の厳しい規制・制限による検査・検閲が必要であった。
そうした妥協を許さない厳格な日本基準・日本ルールがあったお陰で、メイド・イン・ジャパンというブランドを作り出した。
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民族性として民間・庶民は、安易に流されやすい性癖を持っていて、タガを外すと目先の利益を追い求める事に血道をあげた。
江戸時代の諸改革で行われた奢侈禁止令は、庶民の際限のない自堕落を封じ込める為に発布された。
日本の百姓や町人である庶民とは、世界の人民・大衆・民衆とは違うのである。
支配者と被支配者の関係も、日本と世界とでは異なる。
庶民は、役人を不浄役人として軽蔑し嫌悪し馬鹿にし、面従腹背として御上の御沙汰の裏を掻いて楽しんでいた。
庶民は余ほどの大災害が起きて自己努力による自己修復が不可能な甚大な被害を受けない限り、御上からの至れり尽くせりの支援や救援を嫌った。
「自分の事は自分でする」というのが、庶民の生き方・意地であった。
庶民は「御上に弱かった」、それは嘘である。
庶民に「甘え意識」があった、それも嘘である。
「御上に弱い」や「甘え意識がある」は、昔の日本人ではなく現代の日本人である。
昔の日本人と現代の日本人は、別人に近い日本人である。
昔の日本人は、「只より怖い物はない」事を知っていた。
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数百年や1000年以上続く老舗商店・企業は、御上の保護・権力者の依怙贔屓などをあてにせず独自で存続していた。
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敗戦後、統制派革新官僚や転向組役人(隠れマルクス主義者)は、GHQ内のマルクス主義者の支援を得て、追放された軍人官僚や戦前型保守派政治家に代わって統制体制を維持した。
戦後復興は官主導の護送船団方式で行われ、高度経済成長は官規制・制限の日本株式会社として達成された。
故に、日本は官僚(役人)社会主義であって、議会民主主義でも民間主導資本主義でもない。
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政治家の主流である戦後型保守派政治家とは、官僚出身者と官僚統制賛同者である。
日本社会とは、マルクス主義的官主民従社会である。
つまり、御上・役所による社会主義国家であって、政治家主導の議会民主主義国家でもなく、民間優位の資本主義国家でもない。
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GHQは、日本人とくに子供達に「日本嫌い」を量産する為にウォー・ギルト・インフォメーション・プロジェクト(WGIP)を強要した。
1980年代から、学校で偏差値教育と自虐歴史教育が実施された。
日本社会は、面白可笑しさを好む遊び心の柔軟性と奇抜・奇異を受け入れる多様性を失い、画一化と硬直化で変化を嫌悪し進化と発展にブレーキが掛かり始めた。
産業の蛸壺化・ガラパゴス化が急速に進み、経済は見えない所で徐々に衰退へと向かって転げ落ち始めた。
バブル経済は、戦後復興期から高度経済成長期に起きたイノベーション爆発で加速した到達点に過ぎず、バブルが崩壊したら新たなイノベーションを起こして再加速しなければ潮が引く様に衰退する定めである。
衰退し始めると、見せ掛けの景気を作り出す為に、粉飾・捏造・偽装・改竄・虚偽などの不法行為に手を染め始める。
それが、2000年代から目立ち始めた。
不法行為もできなくなった頃、人口激減と共に深刻な日本の衰退の実態が明らかとなる。
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日本の政治家は2流以下だが企業家・経営者は1流と言われたが、企業家・経営者も目先の利益・売り上げや自分のみの業績に狂奔して2流以下に堕落した。
粗悪の根源は、成熟できず未熟にし転落た日本人自体にある。
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戦前から大学のマルクス主義教官は、社会主義を教えて知的エリート人材を育成し、薫陶を与えた卒業生を官界、法曹界、財界、学界・教育機関、報道機関・出版業界、地域自治体、市民団体に送り込んでいた。
民族国家や民俗社会の破戒を目論む国際主義の反天皇反日的日本人は、知的エリート人材の中に潜り込んでいた。
その一部が、敗戦革命を成功させるべく、反日派朝鮮人達と組んで敗戦後の混乱期に暴動や犯罪事件を起こしていた。
それは、国體を守る為に特攻や玉砕を繰り返した日本人とは思えない惨状であった。
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高度経済成長期の財界は、創業の苦しみをのし上がった創業者や戦前の日本式家族主義的企業家が多く、官の規制・制限に面従腹背しながら日本経済を牽引していた。
日本社会が大きく変わり始めたのは、そうした創業者や企業家が経営から引き始めた1980年代頃からである。
それは、戦後社会主義教育を受けた知的エリートが経営を取り仕切り始めた頃である。
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官僚は、規制・制限を忠実に守る企業は助け支援を惜しまないが、反抗もしくは従わない企業には冷淡で海外でトラブルに巻き込まれても突き放していた。
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官から民への風潮から規制緩和が始まったが、官僚の民間企業への天下りも増えた。
天下りの名目役員の報酬は増額されたが、一般の社員・従業員の給料はあまり増えず、給料格差は広がった。
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国際競争力のある世界企業は、国家権力を利用して、他国政府への売り込み攻勢を強め、他国の競争相手企業を公的に潰す。
国内競争では国家権力は必要ないが、国際競争では国家権力は必要となる。
国家権力を必要としないのは、欧米諸国の多国籍巨大企業・国際企業のみであって、日本企業のような国内大企業は無理である。
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限られた予算を巡って、戦前は陸軍と海軍が対立し、戦後は各省庁が対立している。
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